令和4年税制改正大綱で電子データでの保存義務が2年延長される

2年猶予期間




令和4年税制改正大綱で電子データでの保存義務が2年延長される

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

電子データの保存について2年延長

される内容と対応について解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

2年延長の改正案とは?

2021年12月6日の本日

日本経済新聞の報道によれば

政府・与党は2022年1月に施行する電子帳簿保存法に2年の猶予期間を設ける。

という報道が出てきました。

 

制度の内容はまだ改正案ですし

報道レベルの話になります。

 

2年の猶予措置を受けるためには

企業の申し出に応じて税務署長が

判断することになるようです。

 

つまり、2年延長するための

申請書を提出して承認を受ける

といった手続きになる可能が

高くなるわけですね。

 

改正の手続きとしては

省令を改正することで対応とのこと。

 

つまり、国会案件である法律ではなく

財務省令で猶予措置を盛り込むことに

なるということです。

 

恐らく12月中には申請書のひな型が

公表される手はずになると思います。

 

もし12月中に間に合わなければ

来年1月以降にひな型が出てきて

1月以降に提出した場合でも

 

さかのぼって猶予措置を適用する

といった運用をしないと

 

紙で保存した場合には

法律違反になってしまいます。

 

実務上の注意点になりますね。

 

2年後から適用という考えは持たない

2年後の適用ということは

2024年1月から適用を開始する

という意味になります。

 

では、2年後から適用するのか

という実務上の問題が出てきます。

 

私は猶予期間の適用を受けることには

反対の立場になります。

 

理由は、遅かれ早かれ電子データの

保存はするのだから今から適用を

行うことができるところは

 

2022年から原則の通りの運用したほうが

よいのではないかと思います。

 

2年の猶予期間で何かが変わるのか

というと法律の周知期間としての

効力が変わるだけです。

 

 

 

 

実務においては最終的に

対応せざるを得ないわけですね。

 

どうしてもできない場合には

2年の猶予期間の適用を受けることを

検討するべきだと思いますが

 

すでに電子データの特定が済んでいて

後は運用だけになっているのであれば

原則の通りの運用をするだけです。

 

それから国税庁のQ&Aにもありますが

紙を正本としている場合には

紙の保存も認められます。

 

私見になりますが正本を紙にする場合

電子データの保存を忘れたとしても

紙の資料を保存して

 

そこから帳簿の内容と整合性を

取ることができれば

 

現時点では青色申告の取り消しを

無理やり行ってくるような強引な

運用を行ことはないように考えます。

 

こう考える理由は国税庁のお問い合わせの

多いご質問について

電子データと書面の内容が同一である、書面を正本として取り扱うことを自社内で取り決めている場合には、当該書面の保存のみで足ります。(中略)

上記の解説によれば

取引において、通常、請求書は一つであるから、正本・副本がある場合その正本を保存すれば足りると考えられます。(以下中略)

ということになっています。

 

頭の体操になりますが

書面である紙を正本としていれば

電子データでの保存に代えることが

可能ということになります。

 

極端な話、電子データでの保存を

忘れてしまって紙だけが残っていても

 

自社内でこの取引先のこの取引は

紙でも来たので紙で保存しました

と会社に供述されるとどうしようもない

 

紙の請求書などが真正の書類なのだ

ということになるわけです。

 

どうしても電子データの保存ができな場合の対応

どうしても電子データの保存が

できない場合の対応を考えます。

 

基本的には今後、国税庁から

アナウンスが出てくるので

 

2年の猶予期間の適用を受ける

申請書(仮)を提出して

紙の保存ができるようにしましょう。

 

猶予期間中には電子データの保存に

対応できるようにするために

 

電子データの特定を行って

保存ができる体制をつくります。

 

そして電子データの保存ができる

状態までもっていって2024年の

本格的な運用に備える必要があります。

 

逆説的になりますが

電子データで請求書などを

もらわないようにすることも

検討するのが良いと思います。

 

2022年から適用される電子データの

保存の抜け道になりますが

 

電子データで受け取った資料を

電子データのまま保存することが

要件になるわけです。

 

したがって電子データで授受しない

という対応策もありだと思います。

 

ただし、国のDX戦略が2025年の崖

という認識を持っているので

 

法改正により電子データでの保存が

義務化される可能性はあるのだという

認識は持ち続けておかないと

 

法改正があった場合に

対応できなくなります。

 

 


編集後記

電子帳簿保存法の改正ですが

財務省や国税局の戦略ミスのように

私には見えています。

 

というのは電子データの保存が

税理士向けに周知されたときが

8月か9月くらいで

 

いきなり税理士会から電子データの保存が

義務化されますので対応をお願いします。

といった対応になっていたからです。

 

自民党の令和3年度税制改正大綱を

確認してみても

 

電子帳簿保存法の要件の緩和をします

といったことのみが書いてあって

 

電子データの保存を義務化する措置を

明記しておりません。

 

タイトルが

「電子帳簿等保存法の見直し等」

になっていますので

 

見直し等の「等」含まれて

しまっているわけですね。

 

もっと早くから周知をして

税理士会に協力を要請すれば

今回のようなことにはならなかった

と考えています。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。