国税庁がウーバーの運営会社に行ったウーバー配達員の報酬の情報提供について税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
国税庁がウーバーの運営会社に行った
ウーバー配達員の報酬の情報提供について
税理士が解説します。
それでは、スタートです!!
なぜ国税庁は情報提供の協力を要請したのか?
国税庁はウーバー運営会社に
ウーバー配達員の報酬の情報提供の
要請を行いました。
なぜ国税庁がこのような要請を
行ったのかを考えてみます。
近年シェアリングエコノミーにより
収入を得る文化が広がりました。
さらに昨年から続くコロナウィルスにより
自宅で過ごす時間も増えたので
ウーバーイーツの利用も増えたと思います。
こうしたことからウーバー配達員になって
収入を得る人達も比例して増えたと思います。
所得税は確定申告をする一定の要件があり
20万円を超える所得がある場合には
原則的に確定申告をすることになります。
国税庁としては確定申告をしなければ
ならない人が確定申告をしていない
可能性に注目したのだと思われます。
言い換えるとウーバー配達員が
自己の報酬を知りながら税務手続を
やっていないのではないか?
と考えたわけです。
国税庁が行ったウーバー配達員の報酬の
情報提供によって世の中に確定申告を
しなければならないということを
周知させることができます。
国税庁は税金を徴収することが
あるわけですが
根本的には税金は課税公平性があり
この部分を見過ごすことはできない
という観点から情報提供の要請を
行った可能性があります。
収入がありながら確定申告をしていない
という状況は税金に対するモラルを下げ
課税の公平性を侵害する行為であると
考えているわけですね。
国税庁は提供された報酬情報で何をするのか?
国税庁は提供された報酬情報で
何をするのかを解説します。
税金は人ごとや法人ごとに申告する
申告納税制度になっています。
しかし、確定申告をしていない場合は
確定申告をしていない人を特定して
確定申告をしてもらう必要があります。
こうした観点から報酬の情報提供
と言っても次のような情報提供の要請が
行われたと考えます。
- 誰がウーバー配達員なのか
- 年度ごとにいくらの収入があったのか
- 収入を得た人の住所
- 収入を得た人の氏名
最低限、上記の情報がないと
人を特定して行政指導をすることが
できないのが現実となります。
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上記の最低限の情報を基に国税庁は
次のような行政指導をウーバー配達員に
行うことになります。
最初は行政指導として行政文書を
ウーバー配達員に送付することになります。
次のような感じです。
あなたは平成○○年~令和○○年までウーバー配達員として収入を得ていますので確定申告の要件に該当する場合には、確定申告をする必要があります。つきましては、確定申告をしてください。
この様な文書がウーバー配達員の住所地を
管轄する税務署から郵送されてきます。
上記を無視すると今度は税務調査に
移行することになります。
と言っても2つの税務調査があります。
①税務署に呼びつけて行う調査
②無予告調査
コロナ対応があり、ウーバー配達員の報酬を
考えると多額な申告漏れではないと思います。
結論としては①の調査に移行すると
考えられます。
税務署に呼びつけられると
今までの報酬に関する資料や
所得を計算するために必要な資料を
持参の上、税務署に来てください
ということになります。
税務署に呼びつけられる場合には
文書がウーバー配達員に郵送される
ということになりますから
ほとんどの人は税務署に連絡をして
日程調整をして税務署に行くことに
なりますね。
税務署での調査で申告が漏れている
ということであれば確定申告をして
罰金を支払うことになります。
もし悪質であるとするなら
重加算税まで課税される可能性はあります。
ウーバーの配達員は今後どうするべきか?
ウーバー配達員の方たちが今後する
行動を解説します。
基本的には確定申告をすることに
なると考えます。
理由はウーバー配達員の報酬と
配達にかかったコストを考えると
所得は20万円を超える可能性が
高いからです。
所得は、報酬ー必要経費で計算しますが
ウーバー配達員のお仕事を考えると
必要経費部分が少ないと考えます。
事業所得で申告するのか
雑所得で申告するのかは
議論の余地があります。
もし専業でウーバー配達員だけやっている
という場合には事業所得で問題ないと
考えます。
しかし会社員など労働雇用契約で
働いていて土日などに副業で
ウーバー配達員をやっている場合は
雑所得になると考えます。
理由は労働雇用契約で働いて得た
収入で生活の大半が成り立つからです。
申告手続きとしては以上のとおりですが
税務署から文書が届く前に最寄りの
税務署に行って確定申告の相談を
行った方が現状では無難です。
というのは重加算税という罰金の
存在があるからです。
重加算税は悪質な納税者に対して
行う罰金です。
もし、過去の申告をしていない状況で
確定申告をする必要があると知りながら
やっていないという場合には
隠ぺい又は仮想に該当すると判断される
可能性があります。
こちらに該当すると重加算税という
罰金が追加で課税されます。
重加算税の対象になった場合には
税務署のブラックリストに掲載されて
一定期間に継続して税務調査が行われる
といった対応になります。
ざっくり申し上げると面倒なことになる
ということですね。
こうしたことを避けるために
早めに確定申告をするための相談を
税務署に行って行う方が良いと
考えます。
編集後記
ウーバー配達員に関しては次のような
状況である可能性も否定できませんね。
例えば、第三者の身元でウーバーに登録
その第三者にウーバー配達員の報酬を
一定額支払って自分には残りが取り分になる
といった取引をしている場合です。
税金以外の法律にも抵触する可能性が
あるわけですが税務上だと
第三者にも収入がわたっている
ということになり
さらに面倒なことが起こります。
基本的には地下経済で第三者は
その報酬を得ていないように見せかける
ということになってると思います。
色々事情はあると思われますが
なるべく自分だけで完結する取引に
修正することが良いと思います。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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