試算表のチェックポイントと重要な分析を税理士が解説!




試算表のチェックポイントと重要な分析を税理士が解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

試算表のチェックポイントと重要な分析を税理士が解説します。

 

中小企業の多くは試算表を毎月作成していると

思いますが

 

試算表の何を確認していますか?

売上?利益?でしょうか?

 

毎月の業績だけをチェックしていて

それ以外は何も確認、分析しないのは

ちょっともったいないです。

 

私が普段、月次で社長さんに向けて説明している

内容を基に、社内で分析する方法も解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

試算表とは?

試算表とは次の資料で構成されています。

貸借対照表と損益計算書です。

 

製造業、建設業、IT業などでは

製造原価報告書も上記に入ってきます。

 

貸借対照表とは、その時点の資産、負債、純資産を

金額で表示されている資料です。

 

毎月、試算表を作成しているのであれば

毎月末の金額が分かってきます。

 

損益計算書とは、その月と期首からその月までの

事業の業績が金額となって表示されます。

 

製造原価報告書とは、その月と期首からその月までの

製造に要した原価が金額となって表示される表となります。

 

以上がまとまっているのが試算表となります。

 

現実では情報が多すぎること

数字の意味が分からない社長さんが多いので

損益計算書を確認しているだけ終了している

ということが多いのではないでしょうか?

 

 

試算表のチェックポイント

試算表のチェックポイントとしては

まずは損益計算書です。

 

売上高、売上原価、営業利益などを確認しますが

重要なのは粗利を確認することです。

 

理由は、粗利以降は通常コスト項目なので

利益から控除される項目になるからです。

 

まず事業の業績の確認では粗利を確認すると共に

営業利益となっているのかも確認します。

 

営業利益となっていない場合には

粗利で販売費及び一般管理費を賄えていない

ということになります。

 

結果として事業の見直しをすることになります。

つまり・・・

 

販売費及び一般管理費を増加させないで

売上高を増やす

 

売上原価の低下、つまり、仕入先や外注先に

値引きを行ってもらう

 

販売費及び一般管理費を削減する

といったことになります。

 

中小企業で多いのは売上原価の低下を

外部にお願いしていないことが多いと思います。

 

この様にして経営の修正を行うことが

損益計算書でできると思います。

 

 

貸借対照表では主に資金繰り関係を確認します。

貸借対照表には、売掛金、買掛金が載っています。

 

売掛金は債権ですから資産の部、買掛金は債務なので

負債の部に計上されています。

 

売掛金は将来お金になり、買掛金は将来お金が減ります。

まずは毎月一体お金がどれくらい必要なのかを考えます。

 

基本的には買掛金の支払+販売費及び一般管理費の合計で

毎月どれくらいのお金が必要なのかが分かります。

 

対して、会社の使えるお金としては

毎月末の預金残高+売掛金となります。

 

上記の使えるお金と必要なお金の差額が

会社にとっての利益となるお金になります。

 

さらに金融機関融資がある場合には

利益となるお金から元本と利息の返済金額を

控除してみましょう。

 

そうすると、その月に残るお金が分かってきます。

もし利益となるお金から返済金額を控除して

マイナスとなる場合には、手許資金からお金は減ります。

 

最終的にはお金が足らなくなり

借換ということになります。

 

こうした場合には返済金額を減らすことができるよう

返済期間を長めに設定できるように金融機関と交渉をする。

 

短期金融を検討するといったこと

検討することになります。

 

試算表上の重要な分析

試算表上の重要な分析があります。

まずは、資金繰りについてです。

 

自社の運転資金を計算します。

運転資金の計算は

 

在高方式による運転資金所要額の計算

  • 運転資金所要額=売上債権+棚卸資産-買入債務
  • 売上債権:受取手形残高=平均月商×売上原価率×手形回収率×受取手形サイト
  • 売掛金=平均月商×平均売掛サイト
  • 棚卸資産:商品残高=平均月商×売上原価率×商品在庫期間
  • 買入債務:* 支払手形残高=平均月商×売上原価率×手形支払率×手形支払サイト

* 買掛金残高=平均月商×売上原価率×平均買掛サイト

平均滞留期間(平均サイト) 25日締月末払 最長の滞留期間が26日、26日から翌月末前日までの24日間 最短の滞留期間が25日、25日から今月末前日までの5日間 24日間+5日間÷2=19.5日間

(ウィキペデアより引用)

 

これで自社の運転資金を確認することができます。

ただし、平均月商を使っているので自社の平均的な

運転資金となります。

 

運転資金の計算をしたのは

債務償還年数を計算するためです。

 

債務償還年数とは、現在のお金で金融機関融資を

どれくらいの長さで返済できるかという概念です。

 

債務償還年数が10年を超えた場合には

金融機関融資が厳しくなる可能性があります。

 

債務償還年数は次のように計算します。

有利子負債ー運転資金=要返済債務÷返済原資キャッシュ・フロー
返済原資キャッシュ・フロー=経常利益+減価償却費ー法人税)

期中では法人税はありませんので

法人税は控除しなくて大丈夫です。

 

上記で計算した年数が10年を超えると

まずい状態です。

 

早急に経営の立て直しが必要となります。

具体的には、利益を増やすことが必要です。

 

この様にして経営の役に立つ情報を

試算表からかいつまんで確認することになります。

 


編集後記

9月からバンド活動を再開予定です。

コロナはいまだに収束しそうにありませんし

冬になるとより拡大しそうなので

できる時にやっておこうかなと思います。

 

3月から全くギターを触っていないので

ちょっと練習する必要があると思います。

引いていないと指のギタータコがなくなって

ギターを弾くときにちょっと痛いです。

 

コロナに感染しないように

十分に注意して活動を再開しようと思います。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。