【節税対策、決算対策】どんな行為を示すのかを解説!




節税対策と決算対策

巷で言われている節税対策と決算対策という言葉。

 

一体何を示しているのかというと、

主に両方とも税金を少なくなる対策です。

 

ですから、ブログなどでは一定の需要のある内容

ということになって、ネットでは検索すると

かなりの数が出てきます。

 

今回はそういったノウハウは、ネット上の記事に

譲るとして、以下のことを解説したいと思います。

 

・節税対策と決算対策の問題点

・お金が無くならない対策はごくわずかなこと

・違法と合法が一体何かを知っておくこと

 

どれも、税金では大切なことなのですが、

ネット上の記事では見過ごされる内容です。

 

私の結論は、税金払った方がお金はたまると

思っています。

 

対策をしないということではなく、

ある程度稼ぐとやる意味はなくなるということです。

 

ぜひとも、そういった感覚を理解してほしいと

思います。

 

それでは、一緒に見ていきましょう!!

 

節税対策と決算対策の問題点

節税対策と決算対策の問題点は、概ね次のものです。

・お金が無くなる

・税金計算の仕組みを理解していない

・会計の仕組みを理解していない

 

私が顧問先と接してきた経験としては、

以上のようなことを感じてきました。

 

それでは、順々に見ていきましょう!

 

お金が無くなる

節税対策と決算対策の多くはお金がなくなります。

なぜかというと、最終的にお金を使わないと

経費とならないからです。

 

巷にあふれる節税商品を見るとお金を使わせるためだけの

商品があふれています。

 

例えば、保険商品ですね。

 

解約を前提にして、保険料を1年分前払し、

保険料で対策をしていくという商品です。

 

それで、解約時に解約返戻金を一括でもらって、

それを原資にまた保険商品を買う。

 

一連のサイクルができてしまいます。

 

例では保険を上げましたが、上記のやり方は家賃でもできます。

短期前原頼費用の特例というスキームです。

 

これを筆頭に、お金をかけて納付する税金を少なくして、

納税者は満足するということだと思います。

 

後述する会計の仕組みを理解していないで

分かると思いますが、

 

事業の最終的な利益は、納税するか、経費にするか

2択しかないのです。

 

納税といっても、広くとらえれば経費です。

お金が無くなっていくことには変化はありません。

 

また、節税対策や決算対策をするときの人の頭は、

事業を度外視している傾向があります。

 

節税対策や決算対策をやりすぎると、

勘定あって銭足らずということになる可能性があります。

 

まずはお金が無くなってしまうのだということを

ご理解いただければと思います。

 

 

税金計算の仕組みを理解していない

さて、税金計算の仕組みを理解していない。

これは多くの納税者に起こっている現象です。

 

個人だと所得税、法人だと法人税を納付することに

なるわけなのですが、

 

どういった計算をしてるのかは知らないと思います。

 

端的に申し上げれば、次のようになります。

☆所得税(事業所得を前提)

①(売上ー必要経費ー専従者給与)=事業所得

②事業所得ー所得控除=課税所得金額

③課税所得金額×所得税率=所得税

 

所得税は3段階あることが分かると思います。

 

☆法人税(営業利益までの会社を前提)

①売上ー原価ー販売費及び管理費=税引前当期純利益

②税引前当期純利益×法人税率=法人税

 

法人税は2段階の計算があることが分かります。

 

実務的には色々ありますが、ざっくりの計算では、

上記のようになるわけです。

 

ここで、節税対策、決算対策では何をやっているのか

というと・・・

 

所得税だと、必要経費の部分を増やす行為を行い、

法人税だと販売費及び管理費の部分を増やす行為を

行っているのです。

 

どちらも、税金の対象となる金額が少なくなる

行為を行っているとわかって頂けると思います。

 

多く人たちがどのように思っているのか

分かりませんが、

 

では、一体いくらの税金が安くなったのでしょうか?

そういった税効果を考えたことはありませんか?

 

節税対策、決算対策を説明しているときには、

税金がそんなに安くならないことです。

 

税金を安くする効果を実際に考えると、

所得税では、増やした分の必要経費×所得税率で

一体いくらの税金が安くなったのかが分かります。

 

法人税では、増やした分の販売費及び管理費×法人税率で

一体いくらの税金が安くなったのかが分かります。

 

所得税は、累進課税といって課税される金額が

大きくなればなるほど、税率が上がる構造です。

 

ですから、課税される金額が大きくなれば、

必要経費を増やした部分の税効果が大きくなります。

 

対して法人税は、2018年の実効税率が約29%ですので、

増やした販売費及び管理費の29%分が法人税の税効果です。

 

使った金額に見合った税効果がられるのかどうかを

立ち止まって考えてみることが必要ではないでしょうか?

 

会計の仕組みを理解していない

さて、会計の仕組みを理解していないを

解説しようと思います。

 

会計の仕組みは、要するにどういった処理で、

売上、経費という処理をするのかが理解できていない

ということです。

 

先ほども申し上げた通りに、

所得税は、

①(売上ー必要経費ー専従者給与)=事業所得

を計算することになるので、

 

個人の会計でどうにかなる仕組みは、

①の計算式の部分だけです。

 

法人税では、

①売上ー原価ー販売費及び管理費=税引前当期純利益

この計算の部分だけです。

 

ここが分かっていない場合があります。

 

要するに、税金計算は会計の利益を前提に行うので、

会計で何とかしないと対策は無理ということです。

 

ですから、帳簿に取引が残るということを理解していない

人が多いということなんです。

 

例えば、架空の外注費を入れるという処理をしたとします。

なぜ税務調査でバレるのかが感覚的にわからなければ、

会計を理解していません。

 

理由は、経理処理をしすると帳簿に残るからです。

架空の外注費はいびつな構造を帳簿にもたらします。

 

結論としては、会計を理解していくと、

違法な処理をやめとこうと自己けん制になります。

 

 

お金が無くならない対策はごくわずか

さて、ではお金が無くならない対策はないですか?

という疑問があると思います。

 

なぜなら、節税対策、決算対策はお金が無くなる

という性質を持っているからです。

 

税金計算の仕組み、会計の仕組みを考えると

できることは次のようになります。

 

☆税金の仕組みでできる対策

①所得税

所得控除を活用すること

 

②法人税

税額控除や特別償却を活用する

 

☆会計の仕組みでできる対策

所得税、法人税、共通して次のこと。

 

・今期の売上を翌期にすることを検討する

・翌期の費用を今期にすることを検討する

 

では実際に見てきましょう!

 

 

 

 

所得税の税金計算の仕組みは3段階でした。

そのうち、

②事業所得ー所得控除=課税所得金額

 

ここの計算の所得控除という部分で対策をすることは

お金は出ていきません。

 

例えば、扶養控除や配偶者控除が代表例です。

 

法人税は純然たる税金計算なので、所得税のように

控除ができるものはありません。

 

しかし、税額控除や特別償却といった特別な措置はあります。

例えば、所得拡大促進税制、固定資産の特別償却などです。

 

会計の仕組みでどうにかできることでは、

今期の売上を翌期にできないか検討することです。

 

これは、売上の計上基準の変更を言いますね。

要するに、通常は引渡基準が原則ですが、

相手先の検品基準で売上を計上する方法に変える

ということを検討できないか?ということです。

 

経費についても翌期の経費を今期に計上できないか?

ということを検討しますね。

 

例えば、決算月の給料に対応する社会保険料を

翌月に支払うのであれば、今期の費用に計上できます。

 

また、給料などの締め日が20日締めのように、

月末締めではない場合には、

 

締め日から月末までの給料を当期の費用として、

計上することも可能です。

 

違法と合法を知っておく

話は変わって、違法と合法について解説します。

 

納税者の多くが、違法と合法が分かっていない人が

多くいますので、念のため確認です。

 

税金で違法とされることは、仮想隠ぺいと脱税です。

 

上記以外は合法と考えて問題ないです。

 

本当に大丈夫なのですか?と思われると思います。

大丈夫です。

 

法律に書かれていることをそのまま適用するのが

法治国家です。

 

先ほどの架空外注費は仮装隠ぺい行為に当たり、

重加算税という罰金の対象となります。

 

脱税とは、収入を隠すというような行為を言います。

例えば、現金売上を除外するといった方法です。

 

ですから、社会常識的におかしなことは違法の射程にある

ということを知っておいて欲しいということです。

 

逆に、税金計算上の合法はかなり幅が広いのです。

・節税

・租税回避

 

概ね上の2つが該当することになります。

 

節税までは問題なく行うことができ、税務調査でも

すんなりいくことが多いと思います。

 

ただ、租税回避行為は近年、倫理観という概念で、

違法ではないが、合法でもないという範囲になってきています。

 

私の顧問先の例を申し上げると、

完全子会社を作ったところで、交際費を落としていたところ、

 

交際費は職務執行上、あり得ない取引だと突っ込まれた

という経緯があったりしましまたね。

 

租税回避防止規定で有名な、同族会社の行為計算の否認を

ちらつかせるというところまで行きました。

 

まあ、やりすぎはダメなのよ!

ということになります。

 

節税対策、決算対策の前に

納税者は対策に前のめりですが、

順番があります。

 

まずは、普通の決算をしてみてから、

節税対策、決算対策をするという順番です。

 

なぜ、このような順番が必要なのかというと、

決算で利益が固まらないと対策の効果が分からないからです。

 

いきなり、節税対策、決算対策をしようと思う人が

多いのですが、いくら利益があるのですか?

と聞いて、今の状況を答えられる人が少ないのです。

 

そういった方に限って、全く入力をせずに、

帳簿を作成していない場合が散見されます。

 

自分の稼いだという感覚と、帳簿には乖離が多く、

その穴埋めをするためにも会計を知っておかないと

いけません。

 

対策が重要であることは百も承知です。

しかし、判断できる素材がないと税理士は何も

アドバイスすることができないのです。

 

 


編集後記

今日はプライベートの用事で外出してきます。

しばらく、週末は予定が入ることが多いですね。

 

今月を耐えることができれば、2月は12月決算に集中できるので、

まずは耐えていこうかと思います。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。