【士業事務所の組織化計画】意思決定の仕組みと最終決済の違い




士業事務所の組織化計画

士業事務所の組織化は士業先生にとって課題です。

いつの時代であっても、事務所の問題点となります。

 

私が勤めていた事務所、他人から聞いたことなどで

感想を申し上げると・・・

 

なぜそんなにも稚拙な組織を作るのだろうと

思ってしまいます。

 

ここでは、士業事務所の意思決定の問題点を

明らかにしつつ、

 

意思決定の仕組み作り、士業が行うべき最終決済を

考えていきたいと思います。

 

ぼっちで気軽に事務所運営している税理士が

いうことではない!と

お叱りを受けそうですが・・・・

 

周りからは、稚拙な事務所として見られている

可能性もありますので、お付き合いください。

 

士業事務所の意思決定の問題点

すぐルールを破る

士業事務所の意思決定の問題点としては、

事務所を主宰する士業自身が最終決済者

ということをわかっていない点にあります。

 

ですから、事務所の月次会議で決めたことを

いきなり自分の都合でひっくり返す、

 

決めたルールを破るといった行為が行われて、

事務所内での主催士業の立場がなくなります。

 

士業事務所は会社とは異なり特殊な形態をしています。

 

頂点には、士業先生である自分が君臨することになります。

人を雇ったうえで、課を編成したとしても同様です。

 

個人事務所だと個人が責任者、士業法人だとパートナーが責任者

となって運営されていくことになりますね。

 

ただ、責任者だから決めたルールを破って良い、

いきなりひっくり返して良いという訳ではありません。

 

これでは、事務所のルールを作り、月例会議で決めた

意思決定のシステム自体が壊れてしまいます。

 

事務所を主宰する士業先生はこの部分が分かっていません。

 

特に年齢を重ねれば、重ねるほど、こういった部分は

出てくることとなり、本人に言う人は誰もいなくなります。

 

こうしたことが続けば、当然、雇っている職員には

良い影響をもたらしません。

 

ある種あきらめのような感じとなりますし、

事務所の組織化は果たせません。

全てを所長に聞く職人がいる場合

また、士業先生がいないと遅々として業務が進まない

といった事務所も存在します。

 

こちらも、業務の意思決定とその責任の所在が不明瞭だから

業務が滞ってしまうことがあります。

 

例えば、税理士事務所であれば、ある取引について

法律で考えられるやり方が2つある場合、

 

どちらを優先して適用するかは、より有利な方を

適用すれば良いわけですが・・・

 

この判断を実際に職員がたができない税理士事務所も

あると思います。

 

こういったことが起こるのは、意思決定と報告のルールが

よくわかっていない職員を育ててしまった税理士の責任です。

 

ある程度ベテランならば、できる判断を士業先生に求める

ということは、過去にそういった事例で士業先生が

 

職員さんに対して怒ったり、不快感を示したりしたことで

職員さんへ間違った警告を認識させてしまったからだと思います。

 

このように、士業事務所の問題点は2つあります。

 

・主催する士業が事務所のルールを破る

・業務の意思決定と報告のルールがあいまい

 

以上の2つがボトルネックとなって、

士業事務所の組織化がうまく行かないことが多いです。

 

 

意思決定の仕組み作り

最高意思決定機関はどこか?

それでは、意思決定の仕組み作りを考えてみたいと

思います。

 

まずは、事務所ルールを作る最高意思決定機関を決めます!

 

最高意思決定機関は事務所の月例会議が良いと

私は思っています。

 

スケジュールとしては月初で、事務所のメンバー全員が

そろいやすいと思うからです。

 

ここでは、就業規則などではなく、事務所としての方針を

明らかにする方針となります。

 

一度決めたら、主催士業でもルールを守るということが

最も重要となります。

 

組織化できるということは、ある程度の人数が事務所にいて

担当者による分業体制はできていると思われます。

 

そのうえで、事務所のルールを策定するわけですから、

そのルールを主宰する士業が守らないわけにはいきません。

 

ルールを愚直に守ることによって、

職人さんからの評価も上がるのだと肝に命じることです。

 

後は、主宰する士業は、最高意思決定機関が自分の上にあるのだ

と決めてしまうことも大切です。

 

組織図で自分が一番トップということと、

事務所の意思決定の機関で自分がトップということは

全く別なのだということですね。

 

まあ、一度決めたルールを破る士業は例えて言うのであれば、

文化大革命を推し進めた毛沢東と同類です。

 

自分=正義ということになってしまいます。

考え方は十人十色、そういった人たちを雇用しているので、

事務所としてのルールは存在します。

 

雇い主、かつ、主宰する士業だからと言って、

何をしても良いわけではありません。

 

 

 

うまく育成できない責任は自分にあり!

また、組織化することが下手な士業は、

人を育てる、人を使うことも下手です。

 

これは、私が職員時代に経験したり、周りの話を聞いた

その結果として出した結論です。

 

何が言いたいのかというと、業務判断を主宰する士業に

いちいち聞いてくる職員さんがいる事務所のことです。

 

こういった職員さんを抱えている事務所は、

職員さんを育てることができていません。

 

判断を放棄させている職員さんを量産している

可能性が高いです。

 

特徴として、

・外部研修がされていない

・主宰する士業が細かいことまで口をだす

・ちょっとしたミスに怒る、怒鳴る、なじる

・言葉の端々に見下した表現がある

・職人さんと自分を同等と思っていない

・職人さんをお客様と同様に接していない

 

士業は私が見ていると、士業相手には通常の対応を

行うようにしていると思いますが、

 

自分の事務所に帰ると、ちょっと違う顔を見せていると

私は感じていますね。

 

上記のようなことを自分がしていないかを

振り返ってみてはいかがでしょうか?

 

上記の中で最も大切なことは、お客様と同様に接する

という考えですね。

 

これをどのように考えるのか、

そして踏まえたうえで、職員さんへどのように接するのか?

考えてみてはいかがでしょうか?

 

これは、私が勤務していた時に、後輩への接し方で

最も試行錯誤した部分です。

 

最終決済は主催した士業

さて、最高意思決定機関が事務所の月例会議で合っても、

法律の判断をできる優秀な職員さんを育成しても、

最終決済者は当然、主催した士業となります。

 

ですから、最終的な責任は士業先生がとることになりますね。

 

ここもわかっていない士業先生が多くいるなあと

私は感じています。

 

何が分かっていないのかというと、

第一に、判断して実行させる行動力がないです。

 

決裁者は自分なので、判断して大岡裁きをした自分が率先して

職員さんを巻き込んでやってくべきです。

 

これができません。

 

面倒だ、やりたくない、時間がないと思っていませんか?

士業先生がやらないで、誰がやるのかなあと思います。

 

第二に、法律的な判断をすることができて、

士業いらずな優秀な職員さんを育成しても、

 

士業先生が最終的な責任を取ることになりますので、

重要事項は事前に報告してほしい部分もあると思います。

 

そういったことは最初から判断をする職員さんへ

伝えておくことも大切です。

 

いきなりだと、判断できないので報告の前段階での

報告が欲しいということです。

 

私の印象ですが、職員さんは士業先生が何でも知っていると

思っていると思います。

 

ですが、士業先生は何でも知っているわけではありませんね?

 

例えば、税理士業で言えば、いきなり外国税額控除の別表をみても

チェックできませんね?

 

ですから、いきなりだと困ることを事前に職員さんと

協議して知らせておくべきです。

 

そういったこともせずに、やった後に職員さんへ

自分はこう思っていたということを言っても、後の祭りです。

 

最終決済者は自分なのですから、

自分から説明する義務があります。

 

こういった事務所でのコミュニケーションが足らない

士業先生が多いという印象がありますね。

 

 

最後は誠実な人柄かどうか?

最後となりますが、事務所の所長として大切なことは、

誠実な人柄かどうかということだと思います。

 

特に、事務所内だと誠実な人柄の士業は今まで見たことないです。

 

大体、何が偉いのかわかりませんが、

威張っている人が大半です。

 

冒頭でも触れましたが、お客様相手に威張ることは

ありませんよね?

 

職員さんを平等に扱っていますか?

職員さんはそう思っていませんよ?

 

誠実かどうかは非常に重要で、職員さんは見ています。

もし、自分の理想とする事務所があるのであれば、

それを実現できるのは自分だけです。

 

ですが、誠実さはお客様からだけ求められるものではない

ということです。

 

雇っている職員さんからも求められているかもと思って

接してみると職員さんの態度が変わると思いますよ。

 

 


編集後記

今日は朝から顧問先へ特別訪問です。

まあ、別途日当をもらうことを約束していますので、

全く問題はございません。

(訪問する会社の方から日当の提案がありました)

 

午後もプライベートな用事があるので、

他の仕事はできなさそうですね。

 

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。