確定申告時期の無料相談について
確定申告時期には、無料相談が税務署、税理士会で
実施されることになります。
無料相談の形態は、次の通りです。
・会場での実施
・電話応対による実施
税務署が各会場にて行うのは税務署の職員が対応して、
税理士会も各税務署からの委嘱事業としてやっています。
ただ、近年は参加する税理士が少なくなっている
という状況が進んでいます。
なぜかというと、税理士界隈で無料相談における
評判の悪さがあるからです。
私も東京国税局の電話相談を2018年の2月~3月に
かけてやってみたのですが、お勧めはできません。
まあ、お金自体は所属会からもらえますので、
その分は良いとしても、
報酬<精神という感じになっていますし、
納税者は税務職員へ相談しているような感じで
電話をかけてくることがほとんどです。
また、税理士事務所、会計事務所の職員さんたち
税理士も電話してくる場合があります。
基本的には上記の人たちは電話してきては
ダメなのですが、身分を偽って電話してきます。
今回は、確定申告時期に一体どのような納税者支援を
税理士がやっているのかを紹介しつつ、
業務内容も考えてみたいと思います。
確定申告時期の無料相談って?
確定申告時期になりますと、無料相談をやるのが
毎年の恒例となっています。
まずは、税務署では、2つに分けて対応をしてます。
(東京での対応を記載します。)
まずは、東京国税局における確定申告の対応は、
東京税理士会へ確定申告無料相談センターの開設と
税理士派遣の依頼を行います。
これが、いわゆる国税局の無料相談電話となり、
確定申告時期に税務署へ電話すると、
確定申告に関するお問い合わせ番号を押して
繋がる電話相談センターです。
ですから、この電話相談センターで対応しているのは
税理士が行っています。
初めに税理士の○○ですと名乗りますが、
ほとんどの人は聞いてないと思います。
各税務署単位では、確定申告会場を設置して、
納税者の確定申告対応を行っている他、
税理士会の各支部へ無料相談の依頼もしていて、
青色申告法人会での無料相談へ税理士を派遣して
やっていくこととなります。
こちらでは、対面方式で税理士によるマンツーマンの
指導や相談を受け付けてもらえますね。
税理士がもらう報酬面では、次のように異なって
いることになります。
・国税局の無料電話相談:約24,000円/日
・支部の無料相談:約18,000円/日
新宿支部では、約18,000となっていますが、
ひょっとしたら支部ごとに違うかもしれませんね。
所属する税理士が多ければ、東京税理士会からの
指定補助額も上がるので、予算が多くなります。
渋谷は新宿よりも会員数が多いので、
報酬が新宿よりも多いのかもしれません。
逆に会員数が少ないところは、報酬が少なくなる
ということもあり得るわけです。
ちょっとだけ裏話を申し上げると、
無料相談をやる人が少ない傾向があるので、
所属支部から駆り出されることもありますね。
そういった税理士はやる気がない可能性もあります。
納税者にとっては運が悪いとそういった人に
当たる可能性があると考えておいてください。
税理士は一体何をやっているのか?
さて、では無料相談では税理士は一体何を
やっているのかを解説したいと思います。
国税局の無料相談電話について
国税局の無料相談傳派では、
原則確定申告に関する納税者からの相談を
受けることになります。
基本的には確定申告に関することはすべて
相談することができるのです。
ですから、電話番をしている税理士は何でも
答える必要が出てくることになりますね。
勤務時間は朝9:00から17:15までとなっていて、
4つのグループに分かれて昼食休憩や15分ずつの休憩が
合計で3回あります。
1日の対応件数の平均は70件くらいだと思いますね。
私だけを取り出して平均すると、1日の平均は79件です。
一番多く対応した時の件数は103件となっていますね。
相談の多くは所得控除についてが多い印象があります。
例えば扶養控除、寄附金控除、医療費控除です。
この辺りの相談は、電話で説明してもわかってもらえる
ことが多いので良いのかなあと思います。
また住宅ローン控除の相談についてもありますね。
多くは添付資料の相談が多いです。
こちらも安定して相談に答えられると思います。
そして問題となってくるのが贈与や譲渡ですかね。
特にマイホームを売ったときの3,000万円の特別控除は
案内が難しいと思います。
つまり、住宅ローン控除との重複適用ができないので、
有利不利判定をしないと適用を決められないのです。
また、贈与関係も暦年と精算課税がありますので、
相続を考えると暦年が有利であると説明したりしますね。
ですから、税金関係は有利不利の場面やお金の面も含めて
税理士にお金を支払って相談をした方が良いでしょうね。
電話では多少不利になっても納税者が適用したいほうを
優先して案内する場合が多いと思います。
後は、電子申告の操作説明、確定申告書の書き方も
解説してくれますね。
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青色申告会について
こちらは、国税局の無料相談とはちょっと違い、
その場で税理士に相談して申告までしてくれる
というシステムとなっているようです。
ですから、事業所得、不動産所得、2か所給料
といった確定申告が必須な人たちが対象です。
新宿では、上記以外の税理士が常駐する会場が
ありますので、お住いの税理士会の支部のホームページにて
日程や会場を確認しておくと良いと思います。
こちらでは基本的に記帳されてきたものを
電子申告ソフト等へ入力して電子申告して
納付又は還付申告を行っていく流れです。
税理士と対面で相談にのってほしい場合には
こちらへ行くと良いと思います。
こちらも、支部からかりだされている税理士がいますので、
運が悪いとそういった税理士にあってしまう可能性があります。
このように基本的には納税者向けの支援を税理士は
行っているわけです。
相談する納税者にお願いしたいこと
それでは、ここまでで税理士がやっていることが
分かっていけたかと思います。
ですので、納税者の皆様にお願いしたいことが
あるわけです。
感情論を排除したいので、箇条書きとします。
・上から目線はなく、普通に接してほしいです
・感謝の気持ちは持ってほしいです
(言葉にしてなくても良いので)
・当日だけでは解決しないかもしれません
・考えをまとめてもらえると助かります
・税務のコンサルティングはできないです
・話し方は丁寧にお願いしたいです
・すぐに結論はでないのが税金です
・ご収入やご家族の状況も確認することがあります
・当日はたくさんの人たちがいることを忘れないでください
・答えられない質問もあります(脱税相談など)
このようなことをお願いしたいと思います。
2018年の初頭に東京国税京の電話相談に携わって
分かったことがあります。
全体で、上記のようなことをお願いしたい納税者からの
電話は私の感覚で10%~15%はいたと思います。
私の平均の人数で申し上げると79人が1日の平均なので、
約8人がちょっと、ん?ってなる人だったということです。
別にこちらは意地悪しようと思ってはいませんが、
話を聞かないことにはどうしようもないこともあります。
それに、ん?ってなる人たちのほとんどは
素直に私の質問に答えてくれれば、すぐ終わる質問です。
また、答えられないこともありますね。
そういったことに憤りを感じるのだと思いますが、
どうしようもないこともあるのです。
たとえ、お金をもらっていてもどうしようもない
ということもあるということを知ってもらえると
助かりますね。
無料相談は今後は衰退傾向
今はまだ大丈夫なのですが、今後は衰退する傾向へ
いくことになると思います。
新宿では無料相談会場がなくなる可能性が
出てきました。
今年はまだ稼働する会場ではありますが、
支部会員が手伝ってくれなければどうしようもありません。
つまり潮流としては、税理士は顧客の囲い込みを行い
それ以外は切り捨てる流れとなっているわけです。
私はもうちょっとバランスを取った方が
良いのではないと思いますが。
昨今の経済状況などを考えるとそうも言ってられない
ということになってくると思いますね。
ですから、今後はお金を持っている人たちは
税理士に頼むことができて、
頼めない層はどんどん税金を支払うことに
なっていったり、適用間違えにより、
いらぬ追徴や罰金を支払うことになりかねなく
なってくるのではないと思いますね。
良いか悪いかは結論を出せませんが、
税理士も貧困ビジネスに手を染めていく社会が
来ているのではないかとちょっと思います。
編集後記
今日は夕方から支部活動と忘年会です。
情報システム部の部会なのです。
後は、年末調整資料の入力やチェックもやらないと
後でえらい目に合ってしまいますね。
では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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