【成年後見人等養成研修】東京税理士会研修、3日目をリポート!




さて、東京税理士会での研修も3日目、

最終日のことをレポートします。

 

主に、講義でのことですが、

最後に税理士の業務拡大となるかなども

記載しておきました!

3日目の内容とは?

さて、成年後見人等養成研修3日目の

内容についてリポートします!

 

昨日に続き支援者の業務として、

成年後見監督人については、

司法書士の川口純一氏が担当でした。

 

成年後見監督人は2005年で282件だったのが、

2015年には4,882件まで増加しているようです。

 

ここから、成年後見監督人の増加の背景、

成年後見監督人の不祥事、監督人の類型

 

成年後見監督人の実務として、選任、

注意義務、職務、業務、終了までの解説が

行われました。

 

資料は2つに分かれていましたが、

内容が濃く、実際の資料も見ることが

できました。

 

次は成年後見制度手続きと現状について

ということで、東京家庭裁判所・主任書記官

金子広美氏が担当しました。

 

この方の講義のスタイルは独特というか

恐らく裁判所で決まっているのだと

思われますが・・・

 

講義で伝えることを台本にして

持ってきていました。

 

それを読み上げるだけということです。

ですから、全部台本に書いてあるということです。

 

講師で士業の方は講義でやる内容を

資料に全部載せてくださっていてたのですが、

 

この講義では簡潔に資料がまとめられていて

後でクレームとならないようにされていました。

 

ですから、メモを取ることが多ったように

感じました。

 

かなり保守的で、裁判所の意向だけを

伝えて帰っていったような印象です。

 

次は認知症サポーター養成講座として

渋谷はっぴーの会から

初田總子氏と中島尚子氏です。

 

この講義は認知症サポーターを育成する

全国キャラバン・メイト連絡協議会が

行っている講座です。

 

内容は難しくはありません。

認知症への理解を深めて、そのサポーターを

増やしていくことを目的としています。

 

講座が終わるとアンケートに答えて、

オレンジのゴム製のブレスレットがもらえます。

 

今回の講師の2人の方は、普通のおばさんではなく

両者とも認知症の姑を15年介護された方です。

 

ご自身の体験も合わせて講義をして

くださったと思います。

 

最後は税理士の関わりとして、

研修の総括を成年後見支援センター長

税理士の信太貢氏です。

 

研修の総括を行いながら、

税理士向けのガイドブックやQ&Aの

中身の解説がありました。

 

それと弁護士と司法書士、税理士の違いを

それぞれの法律より解説されていたことが

私には興味深かったです。

 

3日目の講義での気づき

成年後見監督人の講義について

こちらでの気づきは、裁判所はなにも

してこなったことが分かりました。

 

というか、法律の立て付け上、

国に被害が来ることを避けているような

法律となっているように感じました。

 

というのは、成年後見監督人は成年後見人の

お目付け役+成年後見人というのが職務です。

 

ただ、制度設計としては受任者である

成年後見監督人の裁量にゆだねているので

それに関与するようなことはしないように

していたということのようです。

 

それが成年後見監督人と国側への賠償請求事件

によって近年は変わってきているということです。

 

具体的には初回報告、定期報告などが

義務となっています。

 

つまり、成年後見監督人の職務を行わせる

という方針へ国が舵を切っている状況があります。

 

また、これに加えて成年後見人や監督人の

不正についても知れたことは重要です。

 

基本的に、成年後見制度へ関与するものは

不正を働く可能性があるというスタンスで

 

それを行わせない監督をすることへ

士業が変わってきている状況です。

 

成年後見制度手続きについて

こちらは手続き関係の話が多かったです。

ただ、裁判所の立ち位置が分かって

良かったと思います。

 

裁判所の基本的なスタンスですが、

社会通念に照らしておかしなことでなければ、

概ね成年後見人の裁量にゆだねている

ということです。

 

つまり、成年後見人の提案で大丈夫です。

おかしなところはありません。ということです。

 

非常にわかりにくいのですが、

要するに国側が民間人の提案に対して

 

行政権を与えることはちょっと問題が

あるというスタンスを取りつつ、

 

基本的には制度通り、後見人の提案は

被後見人のためになっているという

お墨付きも与えるということです。

 

 

 

認知症サポーター養成講座について

こちらは、今までの法律的なことではなく、

認知症を知るという講義でした。

 

一般的な認知症になる段階、認知症患者への対応

その介護家族の心情などの解説がありました。

 

衝撃だったのは認知に最初に気が付くのは

本人が最初だったという事実です。

 

なんかおかしいから始まって、

その何年後かには認知症となってしまうようです。

 

また、今では早期診断で対応が可能な場合もあり、

早期診断をした方が良いことが分かりました。

 

税理士の関わりについて

こちらでの気が付きは、先ほど申し上げた

弁護士と司法書士、税理士との違いです。

 

成年後見人としては、本人の権利を擁護する

ということが制度としてあります。

 

弁護士は弁護士法1条において、

司法書士は司法書士法1条において

 

それぞれ人権、権利についての法律で規定

されています。

 

しかし、税理士は税理士法において、

残念ながら人権や権利といった言葉ありません。

 

国民の信頼にこたえるためと税理士法1条で

規定されているだけです。

 

ですから当然に権利擁護を目的とする

弁護士や司法書士は専門的に職務をでき、

税理士はできないという結論となります。

 

まあ、講義した信太氏は国民=納税者

従って専門家としてできるという

解釈を取られていましたが。

 

いずれにしても、再認識したことは、

税理士は権利擁護のための資格ではない

というどうしようもない壁が存在する

ということなのです。

 

3日を通しての所感

それでは3日間通して研修を受講した

私が感じたことをまとめたいと思います。

 

スケジュールについて

流石に3日間連続はきつかったですね。

ずっと座りっぱなしで、しかも1日は平日開催。

 

仕事の時間が研修にとられることは

普通にあるのですが、もうちょっと

余裕をもってやってもいいなあと感じます。

 

確かに、一気に詰め込むことで理解が

進むということもあるとは思います。

 

また、疑問に思っていることが短期間で

消化可能というメリットもあるでしょう。

 

個人差はあると感じますが、

私の考えは余裕を持った方が良いという

結論に達しています。

 

特に連続ずっとやることが

苦痛に感じました。

 

講義全体について

講義全体してはこれで3,000円で済むので

非常にコストパフォーマンスは良い研修でした。

 

ただ、受講していて思ったのが、

成年後見人が認知症患者だけに絞っている

ような感じを受けたのがこれでいいのかなあ

と思っています。

 

つまり、年寄りだから認知症となる

わけではないです。

 

例えば、知的障害者、身体障害者など

成年後見人を必要とする人は他にも

いるのではないかということです。

 

認知症でも少し触れられていましたが、

若年性アルツハイマー型認知症もあり、

 

お年寄りだけの制度であると今回受講した

税理士が感じていなければいいと思います。

 

加えて研修で参考となったことは、

現場で後見制度へ関与している生の声でした。

 

税理士、元公証人弁護士、司法書士など

基本的には士業が多いのですが、

 

士業自身が悩むことが出ていて

参考となりました。

 

一番の悩みどころはやはり素人である

被後見人(本人)の家族や親族との

関係だと思います。

 

相続案件よりも手がかかる印象が

私にはありました。

 

テキストに関して

テキストは非常によく練られている

ものばかりで大変勉強になりました。

 

概ね満足で、後で見返したとしても

内容が分かりやすく作られています。

 

自分がテキストを作るとにも参考となると

私は思っています。

 

研修後は一体どうなるのかを解説

研修後は課題を提出

研修後は、レポートを書くことになります。

といっても1,000字程度にまとめたものです。

 

加えて、〇×問題と語句穴埋め問題も

必須となります。

 

以上の課題をクリアーすると、

東京税理士会の成年後見人等養成研修終了の

名簿へ登載されることになります。

 

登載期間は2年間だそうで、2年経過後の

3月31日までとなります。

 

現状だと2019年1月から登載されますので、

2021年3月31日までとなります。

 

登載後は再登載をする場合研修が必須

この2年間の間に10単位の研修を受ける

ことで、名簿への継続登載が可能となります。

 

1単位1時間だそうで、最悪今回の研修を

2年目の最終年に受講すればずっと

登載可能となります。

 

また、税理士登録日から3年経過している

税理士は自薦で東京家庭裁判所の後見人名簿へ

推薦されることになります。

 

実際は東京税理士会の常務理事会で承認、

役員会で了解を経た後になります。

 

後見人は税理士業務を増やすのか?

後見人を引き受けると税理士業務が

増えるのかという疑問へ答えないと

いけないと思います。

 

結論から申し上げると増えません!

相続案件も増えません!

 

実際に経験している人が言っていた

セリフとなります。

 

ご本人も最初はそういった考えが

あったようですが、そんなことはありません。

 

ほぼボランティア的な位置づけであることは

知っておいた方が良いと思います。

 

後見人の報酬は月3万円くらいで、

監督人は月1万円くらいの報酬です。

 

また、報酬に関しては世間の風当たりは

かなり強くなっているといえます。

 

また、後見制度へ関与することは

かなりの覚悟が必要となります。

 

特に解任となると、今後は自分の親も含め、

一切の後見人活動をすることができません。

 

すべからく、きちんとやらないといけない

ということが要求されますので、

一番の注意点であると思います。

 

 


編集後記

今日は入力業務がちょっとあるので、

それをやろうかと思います。

 

あと、noteも完成させたいので、

それもやるつもりです。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。