【定年退職と起業】シニアで事業をするには個人事業主?会社?どちらが良い?




事業を始めたいと思うのだけれど

リスクとか何があるかを教えてください

定年退職後に起業を選択するとリスクも

考えないといけません。

 

老後の生活は定年後には20年くらいは

続くことが考えられます。

 

どうやって起業の判断を行えばいいのでしょうか?

定年と起業

定年(60歳)で退職すると、日本人の平均余命で

考えると20年以上の人生が待っています。

 

人が生まれてから成人するまでの

年数が、老後に待っているのです。

 

月20万円の生活費と考えると、

年間240万円で、20年だと4,800万円となります。

 

とても年金だけで暮らせるわけではありません。

どこか雇ってくれるのであればいいのですが、

 

今後はともかく、現状では難しい面もあるでしょう!

 

そこで選択肢にあがってくるのが、

定年後の起業になります。

 

自分で会社を起こして、事業を行い、

自分で稼ぐということです。

 

中小企業庁の統計で2012年のデータでは、

60歳以上の起業家の割合が全体の35%でした。

 

やはりセカンドキャリアとして、

定年退職後の起業はあり得る選択です。

 

では、事業を始めるにあたって、

個人事業主と会社とどちらが良いでしょうか?

 

 

個人事業主と会社どちらが良い?

個人事業主と会社を選択するには、

それぞれのコスト負担や税制、信用度

 

これらを総合的に考えないと選択をする

ということはできないと思います。

 

個人事業主を見てみましょう!

 

個人事業主の場合には、コストは全部

個人で賄うことになります。

 

ですが、売上も個人で全部総取りです。

全部自分のものということです。

 

また、事業を始めると決めたなら、

今日からでも事業を始められます。

 

後で触れますが、会社のように登記は

一切必要ありません。

 

税制上も、青色申告するのであれば、

赤字を3年間繰り越せる優遇など、

 

会社とほぼ変わりのない優遇を

受けることが可能です。

 

自分で帳簿をつけるのであれば、

税理士報酬すらかかりません。

 

ただ、経費の範囲は法人よりも狭い

ということが言えると思います。

 

また、日本では一般論として、

個人事業主の信頼性は会社より劣ります。

 

 

対して法人です!

 

持分会社という形態であれば、

定款認証と登記だけで10万円くらいで

設立をすることができます。

 

行政書士、司法書士に依頼すると

代行手数料が別途かかります。

 

事業は設立後から行うことになり、

事業を始めるまでは2~3週間かかります。

 

コストは、全部会社が払うことになりますが、

注意点なのが社会保険です。

 

原則的には60歳を過ぎていても厚生年金に

加入する必要ができてしまいます。

 

65歳となっても年金をもらいながら、

年金を支払うこととなります。

 

また、雇用保険と労働保険も加入が

強制されています。

 

社会保険というコストだけを考えると

個人事業主以上にコストがかかる場合があると

覚えておいた方が良いと思います。

 

売上については、すべて会社の収入です。

 

では、社長としてどうやって収入を

得ることになるのかというと、

 

会社から給料を支給することになります。

ここが個人事業主との最大の違いです。

 

しかし、法人だと役員である社長の給料は、

事業年度開始日から3か月以内に決めないと

いけないルールがあります。

 

つまり、いくら売上があるからといっても

期中に社長の給料を上げることはできません。

 

これは、奥様に給料を支給している場合も

一緒となります。

 

なぜかというと、夫婦は共同体なので、

社長と一緒と考えられるからです。

 

しかし、経費関係は事業で使えば、

個人事業主よりも経費の範囲は広く

赤字の繰越期間も10年となっています。

 

もっとも、法人の確定申告は、

税理士に任せた方が無難だとは思います。

 

従って、税理士報酬がかかります。

売上規模によりますが、年間50万円くらいは

かかると思っておいた方が良いです。

 

事業計画ももちろん行う

さて、起業ですからもちろん

事業計画は必要です。

 

創業資金に不足があれば、

借入をしないといけません。

 

当然事業計画が必要となります。

 

事業計画というとわかりにくいですが、

要するに何で売上が発生して、何にコストが

かかるのかを数字と文章で表現することです。

 

一般的には、貸借対照表という

資産、負債、財産の3つを表すもの、

 

売上やコスト、利益を表す損益計算書、

お金の流れを表すキャッシュ・フロー計算書

 

以上の3つの表の数字を書いていって、

それを文章へ落とし込んでいきます。

 

事業計画の難しいところは、絵に描いた餅

とならない計画を策定することです。

 

これが非常に難しいこととなります。

 

ですから、計画は起業前から行い、

想定顧客を決めて、サプライチェーンも

はっきり決めておくことが重要です。

 

つまり、売り先確保が最優先で、

確保できたら事業を始めても遅くないです。

 

起業での一番のつまずきは、売り先の確保が

できていない状態で事業をするからです。

 

売れないとどうしようもありません。

給料だって支給はできません。

 

まずは最大の難関である売り先を

確保しつつ、事業計画を策定することです。

 

定年退職後の起業について思うこと

定年退職後の起業にはリスクを大きくしない

ということを前提にしてはどうかなと思います。

 

というのは、もし大きくやり過ぎて、

儲からなかった場合を想定すると、

借金だけが残り、一家離散になりかねないです。

 

大きく儲けるのではなく、

小さく始めて、育てていくほうが、

 

もし、ご自身が亡くなっても、

子供に資産を残すことができます。

 

ビジネスが下手というか失敗する会社の

特徴として、大きいばくちのごとく

 

資金を投入して大きな売上を取って

こようとすることがあります。

 

確かに成功すればバンザイですが、

うまくいかない割合が高いです。

 

実際に外資系でそういった会社を

何社も見てきました。

 

1年後の生存率は1%切ると思います。

ほとんど残っていないのが現状です。

 

小さい金額で初めて、大きくしていく

これがビジネスでも肝要です。

 

また、定年退職後の起業だと、

会社の処遇は決めておいた方が良いと思います。

 

つまり、ご自身が死んだあと事業承継する、

他の会社に売るのかということです。

 

自分の代で締めてしまう一代起業も

ありだと私は思います。

 

利益を上げているなら、

相続の問題に発展しかねません。

 

対策は早めにとっておくことは、

年上の最後の責任だと思います。

 


編集後記

今日は日本橋の高島屋に行ってこようかと

思っています。

新しく新設されたところを見てきたいのです。

 

昨日、noteを使って記事を執筆していました。

まだ完成には至っていませんが、

 

すでに13,000文字を超える分量となり、

もうちょっと増えそうな感じです。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。