今回は棚卸資産の取得価額に含まれるものを紹介いたします。
★棚卸資産とは?
税法では棚卸資産についての意義があります。すなわち、「商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産で棚卸をすべきものとして政令で定めるもの(有価証券及び短期売買商品を除く。)をいう。」となっていますから、一般的な商品や製品だけでなく、製造工程作業中のものまで幅広く棚卸資産になるということになります。
★棚卸資産の取得価額とは?
取得価額という概念は、会計用語で「その物の取得に要した価格(購入金額)に手数料や税金のような取得にかかった費用を加えた金額」ということになります。
税法では、購入した棚卸資産、自己が製造した資産、購入や製造以外で取得した資産(贈与を受けたものなど)ごとに決められています。
ここでは、購入した場合を見てみましょう!!
購入した棚卸資産は次の金額の合計額
①その資産の購入の代価(引き取り運賃、荷造費、運送保険料、購入手数料、関税その他その資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
②その資産を消費し又は販売の様に供するために直接要した費用の額
上記の様になっていますので、これをそのまま適用すると全部棚卸資産の金額に加えなければいけないのか?という感じになってしまいます。
★棚卸資産の取得価額に算入しなくてもいいものがありますよ!
ですが・・・、棚卸資産の取得価額に算入しないことができるものがあります。
①少額な付随費用(棚卸資産の購入代価のおおむね3%以内の金額)
-買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額
-販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
-特別の時期に販売するため、長期にわたって保管するために要した費用の額
ではどのように3%を判断するのか?ということなのですが、事業年度ごと、かつ、種類等を同じくする棚卸資産ごとに判定します。
②原則的に取得価額に算入しないことができる費用
-不動産取得税、地価税、固定資産税及び都市計画税、特別土地保有税、登録免許税その他登記又は登録のために要する費用の額
-借入金の利子の額
以上のものは、たとえお支払いになっても取得価額に算入しないことできる費用となります。
★税務調査の場面ではどうなるの?
税務調査では、会社の資産のうち棚卸資産の割合が高くなればなるほど確認されると考えます。というのは、調査官も限られた時間での調査になりますので、棚卸資産を見てこないときもあるからです。ただ、実務を知っている感じの調査官は棚卸資産で利益操作をしていると知っていますから、確認することを前提に水際対策をすべきと考えます。
最近はあまり見られませんが、社長の机の引き出しを見ようとする調査官がいたりしました。そういう時に限って引き出しの中が整理されることなく、棚卸資産の表(ご丁寧に除外する棚卸資産の記載がある)があったりして、除外している資産を見つけられたりしてしまうときがあります。
やるんだったら、もっとうまくやってほしい・・・(笑)
ただ、上記のような調査はいくら事業用に使っている机とはいえ他人のプライバシーに入っていく行為そのものですから、一般社会常識的にはできない行為なので、違法調査ということになろうかと思います。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
編集後記
昨日までの研修の累計が31時間となりました。
義務とされている36時間まであと5時間となります。
5/8に会員向け研修が午前と午後ありますので、それで時間調整
を行う予定ですので、ゴールデンウィーク明けには達成しそうです。
Liens税理士事務所HP:http://www.liens-tax.com/
コメントを残す