自家用車を売却した場合の所得税の申告はどうすればよい?




今回は自家用車を売却した場合の所得税の申告がどうなるかを紹介したいと思います。

★自家用車の売却に関する申告のポイント

自家用車を売却した場合には、所得税では譲渡所得という区分で申告することになります。この場合の譲渡所得とは、不動産を売却した場合の譲渡所得とは違って、給料などの総合課税という仕組みの中で申告する譲渡所得になります。

ですから、売却で譲渡益が発生した場合で、かつ、総合課税の譲渡所得が20万円を超える場合には給料などの他の収入と合計して確定申告をすることになります。

もし、売却損が発生した場合には申告不要です。税金の計算を知っておられる方は、総合課税であれば給料と損益通算できるのでは?という疑問がでてくると思いますが、残念ながら総合課税の譲渡所得は給料と損益通算できませんので、ご注意ください。

 

★総合課税の譲渡所得の計算方法

①短期譲渡所得

譲渡した金額-(取得費(注1)+譲渡費用(注2))-50万円(注3)=譲渡所得

(注1)取得費とは購入代金のことです。車の場合には購入した時の明細書に記載があります。このほか購入手数料(ディーラー手数料)、設備費(カーナビなどの設置費用)、改良費なども含まれることになります。

(注2)譲渡費用とは、売るためにかかった費用です。オークションサイトで売却した場合にはオークションサイトの手数料が含まれることとなります。

(注3)50万円は特別控除になります。譲渡益が発生しても最大50万円までは控除できます。

②長期譲渡所得

譲渡した金額-(取得費(注1)+譲渡費用(注2))-50万円(注3)=譲渡所得×1/2

長期譲渡所得の場合には、譲渡所得が生じてもその金額の1/2が課税対象となります。

また、50万円の特別控除は、短期の譲渡所得からまず控除して、次に長期の譲渡所得から控除することになるので、短期と長期のそれぞれで50万円の特別控除があるわけではない点がポイント!になります。

ちなみに、短期と長期の判断は取得日から5年以内の譲渡ですと短期、5年を超えての譲渡ですと長期になりますので、不動産の5年判定とは異なり、取得から譲渡までの所有期間で5年判定を行います。

 

★車の譲渡後に関しても注意が必要ですよ

車を売却した後、通常は名義変更を行ったり、自動車取得税の申告を行います。これが厄介です。車を購入した方がキチンとした方であれば上記の手続きを行ってくれると思いますが、

この手続きをしないと譲渡前の所有者が単なる名義人となってしまい、自動車税の納付をしなければならなくなります。個人間の売買ですと譲渡後のこうしたトラブルが想定できますので、誓約書で名義変更と自動車取得税の申告をすることを確約すること、自動車税に関する負担は譲渡後は行わないことを確認した方がいいと思います。




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齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。