外国法人(支店)の消費税の申告実務




今回は外国法人の消費税の申告実務について紹介したいと思います。

★外国法人(支店)の消費税の申告とは?

外国法人と内国法人で消費税の申告自体は違いはありません。ただ、内国法人とは少し違う判断をするときがあります。それは消費税の納税義務の判断です。以下のようになります。

 

★外国法人の本店の事業年度が3年以降の場合

海外にある本店の決算が3回以上されて、日本に支店を設置したときは設置した事業年度の2年前の本店の課税売上高で納税義務の判定を行います。また、2年前の課税売上高が1,000万円以下のときは、前年半年間の本店の課税売上高が1,000万円超、又は、給料の金額が1,000万円超かのどちらかで納税義務の判定を行うこととなります。この流れは、内国法人の消費税の納税義務判定と異なることはありません。実務上、確認すべきは本店に基準期間(2年前)があるかどうかということを確認すればよいので、本店の設立はいつ行われたのかを確認すれば上記の流れかどうかの判断を行うことができます。

 

★外国法人(支店)と本店が一緒に設立された場合

この場合には、1期と2期は基準期間がありませんので、本店の期首資本金が1,000万円以上かどうかの判断によって消費税の納税義務者を判断するということになります。

ですから、課税事業者選択届出書、簡易課税選択届出書は設立時の事業年度の末日までに提出すれば適用を受けることができます。

 

★外国法人(支店)が本店に役務提供をすれば還付を受けることができるか?

この場合は還付を受けることができません。なぜかというと、本店への役務提供は内部取引ということになってしまうので、役務の提供という支店の売上が消費税の課税対象外の取引に分類され日本でお支払いになった経費分の消費税と対応する売上がないということになり、消費税の控除を受けることができません。この役務提供(サービス売上)を使った形態で消費税の還付を受けようとするのであれば、日本に子会社形態で進出すれば消費税の還付を受けることができるようになります。




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齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。