確定申告が佳境に入ってきたかと思いますが、今回は自家消費について紹介したいと思います。
★自家消費って何?
自家消費とは、事業の中で自分が使った部分を言います。と言っても何のことかわからない方が多いと思いますので、いくつかの例示を紹介いたします。
飲食店・・・まかない、お肉屋さん・・・店頭の余ったお肉をご自身で食べた
商品卸や小売り・・自分で商品を自分のものとした
ざっくり申し上げると、売り物をご自身で使ったということになります。
★自家消費が計上されていないと後々税務調査で問題に!?
ご自身又は親族、従業員が売り物を食べたやご自身のものとした金額を収入にしないと、後日税務調査にて自家消費の計上もれを指摘され、本税の追徴と罰金を追加で納付するということとなります。
★自家消費の金額はどうやって計算するの?
-所得税での金額計算方法
棚卸資産→取得価額(商品の購入価格+取得のために要した金額)と販売金額×70%のいずれか多い金額を選択することになります。
棚卸資産を安く売った場合(売価の70%未満)→販売金額×70%
-消費税での金額計算方法
棚織資産→課税仕入れの金額(ほぼ取得価額と思って頂いて大丈夫です)と販売金額×50%のいずれか大きい金額以上の金額になります。したがって、棚卸資産の取得価額が下限となります。
棚卸資産以外→時価 時価って!?ということになりますが、基本的には第三者に販売する金額で大丈夫です。例えば、事業で使っているパソコンを個人用にするといった場合には、同程度の性能のパソコンの中古金額をネットなどで調べていただき、そのサイトを印刷して金額の根拠とすれば税務調査で文句を言われることはありません。
★自家消費の経理方法はどうすればよいのでしょうか?
具体的な金額をもって確認してみましょう!
商品・・・販売金額5万円、取得価額1万円を自家消費した場合
所得税:1万円<5万円×70%=3.5万円→35,000円
消費税:1万円<5万円×50%=2.5万円→25,000円
仕訳例
(借方)事業主貸 35,000 (貸方)自家消費 35,000 (課税売上)
(借方)事業主貸 25,000 (貸方)自家消費 25,000 (対象外)
★確定申告書のどこに記載すればいいのでしょうか?
青色申告の場合:青色申告決算書(一般用)のP2の月ごとの売上を記載する部分の12月の下に自家消費等とあるので、こちらに金額をご記載して頂ければと思います。
白色申告の場合:収支内訳書(一般用)の収入金額の②自家消費に金額をご記載頂ければと思います。
余談ですが、自家消費の計上が漏れた時の税務調査がどうなるのかを体験できる映画があります。それはマルサの女です。世の中の見方が変わるだけでなく、皆様のお客様に対しても疑心暗鬼になることうけあいです。(笑)お時間のある時にお楽しみください。
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