自宅兼事務所の経費あん分はどうしたらよい?




今回は、個人事業主の自宅兼事務所の経費あん分について紹介したいと思います。

★経費あん分って何?
 個人事業主の方がご自宅を自宅兼事務所としている場合には、そのご自宅での公共料金等 (例えば、電気、ガス、水道代)を個人事業の経費にすることができます。
 しかし、ご自宅なのでどの部分がご自宅の公共料金で、どの部分が事務所分なのかがわかりません。ですから、公共料金全額を経費として計上してしまうと、後日の税務調査でご自宅部分を経費として認めてくれません。そうならないために、事業部分を取り出して経費とする経費あん分(所得税法では、家事按分といいます)をする必要があります。
★家事按分の経費判断は?
 まず大前提として、いわゆる生活費が個人事業に寄与している割合が50%を超えるかかどうかが判断の分かれ道になります。つまり、その経費が個人事業に寄与している割合が50%以下だと合理的な按分計算により経費にすることになります。
 したがって、自宅兼事務所の場合の公共料金等は、基本的に事業に寄与している割合が一般的に考えて50%以下なので家事按分を行う必要があるという判断になります。
★家事按分の方法
 家事按分は、必要な部分を拾い出して経費にする方法です。ここで、必要な部分をどうやって 計算するのか?という問題が出ます。答えとしては、合理的な算定基準をもって経費計上することになります。
というのは、家事按分自体の明文規定はないので、個人事業主の方がご自身で決めていくことになります。
例えば、一般的には、面積按分が分かりやすいと思います。公共料金×事務所部分の面積÷全体の家屋の面積といった具合です。
この方法により、事務所として使っている部分が明確に区分できます。
 また、労働時間での按分でもよろしいかと思います。例えば、8時間(労働時間)÷24時間
で事務所としての割合を算出方法もあるでしょう。
科目ごとに異なった割合を使用しても問題ありませんので、ご自身の事業にあった事業割合を考えてみてください。
★そもそも事業割合が50%超であれば、家事按分は必要ないか?
 事業割合が50%超の経費ということであれば、そもそもその事業にだけかかっている経費である可能性があります。したがって、家事按分は必要ないと私は考えます。
家事按分が必要な経費は事業の費用かどうかが不明な費用(いわゆる個人的な費用)について事業部分を区分すれば、経費として問題ないということなので、生活費が家事按分の対象となってくると思います。




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齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。