【売上単価と賃率】最低の売上単価をコストから計算する
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
売上単価を賃率から計算する
仕組みについて解説します。
この方法で計算すれば基本的に
赤字になることはないです。
それでは、スタートです!!
売上単価と賃率の関係
売上単価とは
商品・サービスを提供する金額であり、販売単価のこと
になります。
賃率とは
給与を含めた販売費・一般管理費(以下、販管費という)で計算された金額
になります。
事業の業績は損益計算によって
行われます。
損益計算を最も簡単にすると
収益ー費用
という計算です。
業績が黒字になるためには
収益>費用の状態にする必要があります。
実際の損益計算上では次のように
分類されて計算されます。
①収益=売上高
②費用=売上原価、販管費
③①-②=営業利益
ただし、売上高ー売上原価=粗利、粗利ー販管費=営業利益という計算になります。
実務上では粗利を重視することが
多くなっております。
しかし、粗利<販管費になると
営業利益ではなく営業損失になり
いわゆる赤字になります。
このように考えると売上高は
次のような状態にしておく必要があります。
売上高>売上原価+販管費
こちらを簡単にすると
先ほどの
収益>費用
になるわけです。
とどのつまり
売上原価に○○%上乗せして
売上単価にするというのでは
売上原価分の収益は確保できても
販管費分の収益は確保できない
可能性があります。
実際に数字で売上原価に○○%を
付加して売上単価を考えると
売上原価の単価が100円として
10%利益を付加した金額を
売上単価にすると110円です。
販管費に係るコストが10円以上
になると営業損失になります。
賃率を売上単価に落とし込む方法
ここからは賃率を出して売上単価に
落とし込む方法を確認してみます。
最初に確認するのは単価をだして
売上単価にする方法です。
始めに次の方法でコストを見積もる
必要があります。
①売上原価がある場合の単価
②販売するための給与単価
③給与以外にかかってくる事業の固定費による単価
④①~③を合計=利益ゼロになる単価
になります。
事業によって単価計算をすることが
難しい場合には1時間当たりの金額
とかなどわかりやすい単価を計算します。
売上原価になるものは商品を
購入している場合には単価が
存在するためすぐに計算可能だと思います。
給与単価は細かくするとわかり
にくくなりますので日給までに
とどめておくとよいです。
従業員ひとりずつの日給を計算して
単価を計算します。
固定費も同様に1日当たりの金額を
計算することで単価を計算します。
最後に売上原価の単価、給与単価
固定費単価を合計して
絶対に死守しなければならない
利益がゼロになる売上単価を計算します。
売上単価に○○%(任意の利益)を
付加して実際に販売する単価にします。
ご依頼はこちら!
1 個別相談スポット業務
2 税務調査立会支援
3 経営革新等支援業務
4 税務顧問などの顧問業務
5 6万円から始める確定申告
先ほどのまでの単価計算だと
知識、業務フロー、想定される事柄
などすべてを網羅的に知っていないと
できないので
月に必ず必要な売上高から売上単価
を逆算する方法を考えます。
こちらは、単価計算よりもざっくりで
月平均を用いることで平準化した
売上単価を計算します。
次のように行います。
①売上原価がある場合は年間の数字÷12
②給与総額÷12
③年間の固定費÷12
④①~③の合計=月平均で必要になる売上高
ここから売上単価をだす場合は
販売数量も平均する必要があります。
年間の販売数量÷12=月平均の販売数量
そして次のようにして月平均の
売上単価を計算します。
月平均で必要になる売上高÷月平均の販売数量=月平均で絶対必要な売上単価
月平均でぜった必要な売上単価
に○○%の利益を付加して
売上単価にします。
こちらの方法では月平均の売上単価
を超える単価にする方法です。
賃率は最低の売上単価に過ぎない
さて、これまでの話して賃率は??
となりますが賃率とは
給与単価+固定費単価
になります。
一般論ですが売上原価がある事業
であれば必ず売上原価を回収しようと
するため売上単価は売上原価の単価
以上になっています。
しかし、赤字を回避するためには
それだけでは足りず給与+固定費分
も売上単価に上乗せしないと黒字に
ならないのです。
このことから賃率を追加した売上単価は
最低の売上単価になります。
世の中には業界平均ということがあります。
この中には営業利益率という概念もあり
黒字にするためには営業利益にする
必要があります。
賃率までだして最低の売上単価を
だしたのはよいのですが
あまり利益を付加すると売れない
といった不安がでてきます。
こんなときに使ってほしいのは
業界平均です。
平均ですから高くも安くもない
といったイメージがあります。
仮に売上原価の単価100円
賃率が20円だとしたら
売上単価は120円以上にする
必要があります。
業界平均の営業利益率が5%だとしたら
120円にさらに5%上乗せして126円
という業界平均の営業利益率を目指す
売上単価が完成します。
こちらが安いと思うのであれば
限界まで利益を付加してもよい
でしょうし
ビジネスのパワーバランスとして
値引きが横行している状態であれば
20%くらいを上乗せして値引きを
実行し10%の付加で取引を成立させる
といった行動が考えられます。
編集後記
士業の賃率をだす場合を想定すると
時間単価にするとよいと考えています。
税理士業ではすでに担当者になった
スタッフの時給がわかっているのですが
今後は上昇していくことが
当たり前になってきます。
するとどうしても顧問料を上げざるを
えないといった状況になりますね。
こうしたときに関与先にかかった
時間などで賃率計算していると
適正な報酬金額を計算することが
可能になると考えます。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
youtube始めました!
税理士さいとうゆきおチャンネル
現在活動中止しています。
税務顧問や執筆などのご依頼はこちら↓
この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
ご依頼はこちら!
1 個別相談スポット業務
2 税務調査立会支援
3 経営革新等支援業務
4 税務顧問などの顧問業務