【中小企業のための統計活用】労働者不足は本当か?労働経済動向調査のポイント
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
最近の人手不足について
労働経済動向調査から確認をして
解説します。
それでは、スタートです!!
労働経済動向調査とは?
調査の目的
景気の変動、労働力需給の変化等が、雇用、労働時間等に及ぼしている影響や、それらに関する今後の見通し、対応策等について調査し、労働経済の変化の方向、当面の問題等を迅速に把握するため、2月、5月、8月及び11月の四半期ごとに実施している。
労働経済動向調査(令和6年5月)の概況より抜粋
つまり以下のことを確認できる
調査になります。
前提として
景気の変動、労働力需給の変化等が雇用などにどう影響しているのかを確認できる影響対象として
雇用、労働時間等への変化どのように使うのか?
今後の見通し、対応策等
令和6年6月26日現在で最新の
調査結果は
令和6年5月1日現在の状況
調査対象の規模など
30人以上の常用労働者を雇用する全国に民営事業所で、5,786事業所が対象
回答などについて
調査票回収数2,687事業所、有効回答数2,597事業所、有効回答率44.9%
4割超の事業所が回答している
ので正確性という観点からすれば
少し物足りないと感じます。
しかし、ある程度の規模の事業所が
提出してくるものですから
現状を把握するための基礎資料
として活用可能だと判断しています。
人手不足は本当か?
近年マスコミなどで言われている
人手不足が本当かどうかを確認
してみたいと思います。
内容に入る前に人手不足を判断する
ための用語などを補足しておきます。
D.I.という単語がでてきますので
以下の概念になります。
ディフュージョン・インデックスの略で変化の方向性を表す指標です。
今回、人手不足の判断で確認するのは
労働者過不足判断D.I.です。
正社員等労働者過不足D.Iを確認します。
全業種平均で45ポイントの不足です。
最も高い不足がある業種は建設業で
60ポイントになっています。
50ポイントを超える業種は
情報通信業、運輸業・郵便業
学術研究、専門・技術サービス業
医療、福祉が続いています。
宿泊、飲食サービス業も49ポイント
になっておりおおむね人手不足が
報じられている業種が上がっています。
最も過不足が低い業種は
卸売・小売業で26ポイントでした。
こういったことから全業種で
正社員は不足していると判断
可能だと考えます。
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続いてパートタイム労働者を
確認します。
全業種平均で不足が29ポイント
になっており正社員よりも不足が
低くなっています。
しかし、正社員の不足以上に
不足している業種が存在します。
最も不足している業種は
宿泊、飲食サービス業で67ポイント
になっています。
全業種でかなり突出している
数字になっています。
以下は50ポイント以下で続いた
業種になります。
生活関連サービス業、娯楽業
サービス業、卸売・小売業でした。
特に宿泊、飲食サービス業は
正社員よりもパートタイム労働者
のほうで不足が大きくなっている
傾向がみられます。
この意味は宿泊、飲食サービス業が
パートタイム労働者によって
支えられていることがわかります。
中小企業の人手不足対応
では、中小企業の人手不足対応を
考えてみたいと思います。
その前に・・・
未充足求人の割合という便利な
指標も公表されています。
未充足求人の割合とは
(未充足求人数÷常用労働者数)×100%で欠員率が計算されています。
未充足求人とは、仕事があるが、従事する人がいない(欠員)状態を補充するために行っている求人をいい、求人方法は問うていません。
これでわかることは他の事業所が
欠員に対して求人を行っているか
どうかを知る判断材料になります。
活用方法としては欠員率が低い
ときに求人募集をすることで
求人への応募期待が高まると
考えられます。
欠員率は全業種平均で3.6%でした。
突出して欠員率が高い業種では
運輸業・郵便業で6.0%と
宿泊・飲食サービス業で6.1%です。
サービス業では5.5%になっており
これらの業種で求人募集をする
場合には人の取り合いになる
可能性が高いと考えます。
なぜなら、100人の従業員がいる
事業所と仮定すると5,6人が常に
不足しており
求人のめどが立っていないことが
現れているからです。
因みに最も低い欠員率の業種は
金融・保険業で1.3%です。
さて、中小企業が求人募集をするため
に行うことができる考え方は次のよう
になると思います。
①事業所でどんな仕事に人手不足が生じているのか?
②不足している人数は何人なのか?
③不足している労働者は正社員ORパートタイム労働者のどちらか
まずは、上記を改めて確認する
ことになります。
意外に人手不足だ!!と考えて
求人を行ってしまうことがあるので
一度冷静になって考えます。
既存の労働者で対応可能であれば
無理に求人を行う必要はないです。
分担するとか、人の世話で時間を
浪費しているとかといった労働者が
いる可能性があります。
じっくり事業所を観察して
本当に人手不足なのかを判断します。
別の切り口としてはITサービスを
利用することで解決できないか
を検討します。
誤解を恐れずに申し上げると
人は管理が必要なことが多いです。
要するに面倒を見ないといけない
というわけです。
対して業務を楽にしてくれる
システムでは人間が入力するなど
でその業務をやってくれます。
人を雇い入れる場合の給料と
ITサービスの金額との比較も
ポイントになります。
以上のように、事業所内でできるか
ITサービスを使えないかの判断後に
始めて求人募集を行うほうが
ある程度業務や雇い入れる人の属性
などを検討することができます。
編集後記
求人募集では求人募集サイトを
確認してみることもお勧めです。
転職者のためのサイトはいろいろと
存在します。
こちらにあなたが登録して
世の中の求人募集を確認すると
似通った求人がある可能性が
あると思います。
給与や福利厚生などあなたが
求人募集をするときの基礎資料に
役に立つ可能性があるのでは?
と考えます。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
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