【確定申告】確定申告不要制度は住民税には適用できない




【確定申告】確定申告不要制度は住民税には適用できない

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

所得税の確定申告不要制度

と住民税の確定申告との

関連性を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

確定申告不要制度とは?

①給与や退職金以外の所得(税法上の利益)が20万円以下であるかた

②公的年金で年間でもらっている金額が400万円以下などであるかた

は確定申告をしないで済ませる制度です。

 

もう少し詳しく確認して

みましょう!

 

確定申告をしないといけない

ひとは次のいずれかに当てはまる

人になります。

 

1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人

2 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

3 2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人

(注) 給与の収入金額の合計額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、かつ、給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。

4 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人

5 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人

6 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人

7 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人から抜粋

逆に考えると上記のいずれ

にも該当しないのであれば

 

確定申告は不要になる

と考えることができます。

 

これが現役世代の方の

確定申告不要制度です。

 

もう一つは年金生活者です。

以下のいずれにも当てはまる

人が確定申告不要です。

①公的年金等(その全部(※1)が源泉徴収の対象となる場合(※2)に限ります。)の収入金額が400万円以下

※1 所得税法第203条の7(源泉徴収を要しない公的年金等)の規定の適用を受けるものを除きます。

※2 一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

②公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下

国税庁 確定申告が必要な方より抜粋

 

上記の現役世代向けと

年金生活者向けの確定申告

不要制度であっても

 

医療費控除などで所得控除

が増えて還付申告になる

 

といった場合には還付申告

をしても問題はありません。

 

住民税は確定申告をしないといけないって知ってました?

さて、所得税の確定申告不要

制度は所得税だけの考え方です。

 

住民税は所得税とは異なり

確定申告をしなければならない

ことになっています。

 

因みに、所得が20万円以下

云々で確定申告不要ですよ!

という制度はありません。

 

なぜ、所得税と住民税で異なる

制度になっているのかというと

 

国民健康保険や

後期高齢者医療保険の計算が

関係してきます。

 

不思議に思ったことは

ありませんか?

 

国民健康保険の加入手続き後

どうやって保険料を計算して

 

国民健康保険料(税)を

お支払いください!

と来るのか。

 

 

これはからくりがあって

住民税の確定申告の金額など

を使って国民健康保険の計算を

行っているためです。

 

事実、東京都江戸川区の

ホームページには次のように

掲載されています。

 

江戸川区 住民税

 

国民健康保険の計算はざっくり4つ

ありまして自治体によって組み合わせ

が異なることがあります。

 

①均等割:生体に属する被保険者数に応じて賦課する方法

②平等割:世帯ごとに賦課する方法

③所得割:世帯に属する被保険者の所得に応じて賦課する方法

④資産割:世帯に属する被保険者の固定資産税額に応じて賦課する方法

 

因みに、東京都新宿区では

①と③で計算しています。

 

国民健康保険は医療分

後期高齢者支援金分、介護保険分

の3つに区分されて

 

国民健康保険料(税)はこれら

3つを合計したものをお支払い

くださいとされます。

 

 

住民税の確定申告をしないとどうなるのか

基本的には確定申告書提出の

勧奨があなたのもとに届きます。

 

なぜ、届くのかというと

概ねあなたの収入を把握している

場合があるためです。

 

さらにこれを放置すると

最終的には税額が決定される

決定通知書が届きまして

 

住民税の納付を求められる

ということになります。

 

逆に所得が把握されてない

場合には提出勧奨後は

何も通知書などが届かない

ということもあります。

 

これは、個々人の状況によって

自治体の対応が異なると考えます。

 

基本的には収入が小さい場合は

国民健康保険の減額申請などを

行うことが可能な場合があります。

 

住民税の確定申告をしないと

減額申請もされないため

デメリットの方が多いような

感じがします。

 

 

 


編集後記

Xで確定申告ボイコットが

続いていますね。

 

yahooの記事では確定申告を

しないとどうなるのかといった

記事もありました。

 

私の考えはボイコットしたければ

すればよいのかなです。

 

その分降りかかってくるトラブル

や金銭的デメリットは大人なので

 

ボイコットした方が責任をとれば

済む問題だと思います。

 

過去の判例で、戦争反対を支持する

方々が確定申告書の戦費負担控除

という制度にない控除を勝手に書き

提出するという騒動がありました。

 

確か、当時の防衛費はGDP2%だったか

で戦費負担控除は2%の税額控除で

書いて提出したと記憶しています。

 

判例というからには裁判にもなって

納税者敗訴で終わっています。

 

要するに、制度にないことをしても

不利益があるのはあなたになる

というわけですね。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

youtube始めました!
税理士さいとうゆきおチャンネル
現在活動中止しています。

 

税務顧問や執筆などのご依頼はこちら↓

Liens税理士事務所 齋藤 幸生ホームページ

 

この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。