【インボイス制度】記載漏れのインボイス対応・振込手数料・従業員の精算

インボイス お問合せの多いご質問4




【インボイス制度】記載漏れのインボイス対応・振込手数料・従業員の精算

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

お問合せの多いご質問が更新された

のでその内容の3弾として解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

インボイスの記載要件が整っていない場合の経過措置の適用可否

インボイス制度では

免税事業者取引で

 

インボイス発行事業者が

仕入税額控除をする場合には

 

控除税額が80%または50%に

制限される経過措置になります。

 

経過措置についてインボイス

発行事業者が交付したインボイスが

 

登録番号などが抜けていた

場合にも適用してよいのか?

という疑問があります。

 

適用関係については

当該経過措置の適用は、取引の相手方が適格請求書発行事業者以外の者である場合に限りませんので、例えば適格請求書発行事業者から交付を受けた登録番号のない請求書等を含め、区分記載請求書等の記載事項を満たしたものの保存がある場合には、一律に、当該経過措置の適用を受けることとなります。

国税庁 お問合せの多いご質問 問⑥より抜粋

 

結論はインボイスの記載要件

部分が抜けていたインボイス

についても経過措置を適用して

差し支えないことになります。

 

理由は

経過措置の対象者はインボイス発行事業者ではないものに限定されていないから

という考えです。

 

 

売手が負担する振込手数料の返還インボイスの交付免除

商慣行などを前提にして

買手が売手の代金を銀行振り込み

するときに振込手数料を差し引き

 

差額を振り込むことになっている

ということがあります。

 

このときには売手は値引き

として処理することを前提に

 

適格返還請求書(返還インボイス)

を交付する義務が生じます。

 

 

しかし、返還インボイスは

1万円以下の金額は交付免除

になります。

 

このため、実務上は消費税区分を

売上にかかる対価の返還等として

処理を行うことで

 

売手は返還インボイスの交付を

免除されることになります。

 

実務上の注意点は

売上値引きという処理を行うため、売上の消費税率に対応する消費税率で売上にかかる対価の返還等として経理処理を行う必要があることです。

 

現行の消費税法では

消費税率は10%と8%の

2つの税率があります。

 

10%の売上であれば

10%の税率で上記の処理をし

 

8%の売上であれば

8%の税率で上記の処理を

行うことになります。

 

 

複数の契約でインボイスの交付をする場合

現実では複数の商品や

サービスを1つの事業者へ

請求する場面があります。

 

そして毎月の締め日に1か月分の

合計額を請求するといったこと

が行われる取引になっている

ということがあります。

 

具体的には

A商品は累計で10万円

B商品は累計で5万円

といった感じです。

 

さて、インボイスの消費税

の計算は1つのインボイスで

1回限りという決まりがあります。

 

そうするとA商品だけB商品だけ

といった感じで商品ごとに

 

インボイスを発行しなければ

ならなくなってしまいます。

 

このときに1つのインボイスで

すべての商品のインボイスを

作成する方法はどうするのか

という疑問が生じます。

 

結論としては以下のような

インボイスになります。

インボイス 複数取引

国税庁 お問合せの多いご質問
問⑨より抜粋

 

商品ごとに計算された

参考となる消費税額の

合計額を基にして

 

インボイスとして請求する

消費税額にしてしまう

という考え方です。

 

インボイスでは1回限り

消費税額の計算が可能です。

 

商品ごとに税率や消費税額が

異なる場合に計算された

消費税額はインボイスにおける

消費税額にはならないので

 

消費税額の参考ということに

なるわけですね。

 

 

 

従業員の経費精算での簡易インボイスの取り扱い

事業者において従業員が

経費精算することがあります。

 

インボイス制度で問題になるのは

簡易インボイスで書かれた宛名が

従業員名であった場合です。

 

つまり、本来なら事業者の名称

又は氏名で書いてもらうこと

になるわけですが

 

経費を使った従業員の名前で

領収書をもらったイメージです。

 

原則は

本来宛名の記載を求められない適格簡易請求書であったとしても、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称として仕入税額控除を行う事業者以外の者の氏名又は名称が記載されている場合には、当該適格簡易請求書をそのまま受領し保存したとしても、これをもって、仕入税額控除を行うことはできません。

国税庁 お問合せの多いご質問 問⑩より抜粋

 

ではどうやって仕入税額控除

の適用を受けるのかというと

 

方法その1

従業員名簿等を保存することで事業者と経費精算した従業員との関係性を証明して仕入税額控除の適用を受ける方法

 

方法その2

従業員名簿等がない場合やそもそも経費精算したものを特定できない場合には、立替金の精算書を従業員に作成してもらう一緒に保存をする方法

 

以上の2つの方法があります。

 

現実では事業者名で宛名を

もらっておくことが最も

理想とする対応だと思います。

 

 


編集後記

解説した内容は来週の月曜日で

最後になります。

 

質問内容を確認していると

私が適用しようと思っていた

内容と同じ内容でした。

 

税法は取引の場合分けが

取引ごとに異なるため

 

新しい制度が出てくると

対応に苦慮することがあります。

 

インボイス制度は新しい制度

になるため実務上の問題点は

これからも取引ごとに出てくる

ことになると思います。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。