【建設業の確定申告準備編】電子申告の準備、資料収集について税理士が解説!
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
【建設業の確定申告準備編】電子申告の準備、資料収集
について税理士が解説する記事です。
・電子申告の準備
・資料収集を解説
・事業以外の資料や金額の準備
についてわかる記事です。
それでは、スタートです!!
電子申告の準備
令和2年分の確定申告から法律が変わり
電子申告をしないと
「青色申告特別控除」が減額されます。
青色申告特別控除が減額されるイメージとしては
経費が10万円少なくなるといったことです。
新旧比較表
令和1年分まで | 令和2年から |
65万円(青色申告特別控除) | 原則55万円(青色申告特別控除) 例外65万円(電子申告等をする場合) |
以上のように電子申告等をすることで
今までの65万円控除になります。
電子申告を行うためには
手続と必要なものがあります。
①電子申告の利用開始届出
②マイナンバーカード(電子証明書入り)
③ICカードリーダライタ
電子申告の利用開始届出は国税庁の
次のサイトにて行うことができます。
上記のサイトで
「開始届出書(個人の方用)新規」を選択して
ご本人の
・氏名
・住所
・電話番号
・屋号
・e-tax(電子申告)のパスワード
を設定します。
この開始届出書を送信すると
そのあとに
「利用者識別番号」
「暗証番号」
が表示されるので印刷またはパソコンに
保存しておきます。
上記の2つは電子申告のときに
使うことになります。
これで電子申告準備は完了となります。
資料収集を解説
確定申告の準備前に帳簿の作成があります。
青色申告の要件に帳簿の作成義務があるからです。
ただ帳簿を作成する前に資料が必要です。
何もないのに会計処理を行うことはできません。
ここからは建設業の個人事業主に特化した
資料について解説を行っていきます。
売上高
売上高は帳簿作成で最も注意するところです。
請求書をまずは作成しておきましょう。
別の名称では支払明細になっていることもあります。
どちらでも問題はありませんが
会計処理を行う時には
請求した売上金額が正確な売上金額です。
建設業特有のものとして
安全協力会費や現場での経費が差し引かれて
ご本人に入金されることが多いです。
差し引かれた金額ではなく
控除前の金額が売上になります。
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事業経費
事業経費は基本的に外部から来た請求書が
必要となります。
ここでも経費となるのは現場経費などを
控除した金額を外部へ支払いますが
控除する前の金額が経費計上額です。
それでは、売上から控除されたものや
経費を支払う時に控除した金額は
どうなるのかという疑問が生じます。
売上から控除された金額は
項目別に経費になります。
逆に経費の支払いのときに控除したものは
雑収入として収入になる点が注意です。
そのほか光熱費関係は利用明細
家賃は領収書、請求書又は通帳で証明
可能であると思います。
事業で使った経費(飲食代など)については
レシート又は領収書が原則必要です。
ただ自販機で飲み物を購入した
といった場合には領収書がないです。
この場合には、出金伝票を書いて
支出の事実を取っておく方法となります。
給料は給料明細を作成しているはずです。
給料として経費計上する金額は総支給額です。
源泉所得税などを控除した後の金額ではない
ことが注意です。
事業以外の資料や金額の準備
事業以外の資料や金額の準備とは
事業所得の計算上ではなく確定申告書で適用する
所得控除で使用するものです。
社会保険料控除
社会保険料控除は健康保険、年金などが
対象となります。
健康保険料以外は控除証明書が必要です。
健康保険を支払った金額が不明の場合には
住民票を置いている市役所に聞くか
加入している土建国保に聞くことで
支払った金額が記載されている資料を
発行できたり金額を教えてくれます。
配偶者(特別)控除
配偶者の所得の確認が必要となります。
基本的には源泉徴収票が良いです。
配偶者の所得によって
配偶者控除の適用になるか
配偶者特別控除の適用になるのか
判断を行うことになります。
念のためですが、事業所得上で
配偶者を青色事業専従者にしている場合
配偶者(特別)控除の適用はできません。
扶養控除
扶養控除も配偶者控除と同様に
扶養控除の対象となるご親族の所得を
確認することが必要です。
お子様がアルバイトしている場合には
源泉徴収票で確認することが必要です。
医療費控除
医療費控除の場合には足きりがあって
10万円と所得の合計額が200万円までは
所得の合計額の5%のいずれか低い方となります。
建設業の業種やご本人の単価によって
足きりが異なる可能性があります。
医療費は基本的に病院などで発行された
領収書を収集しておくことになります。
注意点は確定申告をする年に支払った
医療費が対象になる点です。
令和2年分であれば令和2年中に支払った
医療費が医療費控除の対象です。
基礎控除
こちらも令和2年からの改正があります。
次のようになりました。
ご本人の合計所得金額 | 控除額 |
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
建設業の事業主については
事業所得の金額をイメージしてください。
事業所得が2,400万円を超えると
基礎控除が減るイメージです。
実際には合計所得金額で判断します。
事業所得以外の所得も合計した金額が
トリガーとなります。
実務上の注意点は基礎控除の書き忘れです。
非常に多いからです。
金額判定以外に要件がなく
基本的に適用可能な控除なので
漏れることが多いようです。
編集後記
大まかではありますが確定申告準備編として
まとめてみました。
建設業の個人事業主は確定申告をする人が
少ないことでも有名です。
因みに税務署は2020年10月から税務調査を
再開していて無申告の人へも調査が来ます。
情報は色々なところから収集をしますので
無申告は絶対にやめた方良いです。
また税金の支払いから逃げる人もいますが
これをやると最終的に財産差し押さえになります。
納税できないなら税務署や役所へ相談に行って
納税の意思があること、分割で支払うことなどで
対応すれば強制的な処分はできません。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
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