建設キャリアアップシステムについて行政書士が解説!
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
建設キャリアアップシステムについて
行政書士が解説する記事です。
・建設キャリアアップシステムとは
・建設キャリアアップシステムの基礎知識
・建設キャリアアップシステムの今後
が分かる記事となります。
それでは、スタートです!!
建設キャリアアップシステムとは?
建設キャリアアップシステムとは
技術者の情報、会社の情報をそれぞれ
登録するシステムとなります。
技術者はご自身のカードを取得して
建設キャリアアップシステムに情報を入力します。
携わった現場や資格の有無が情報となりますので
イメージととしては履歴書が出来上がるようになります。
会社は下請けと元請けに分けることができます。
下請けは事業者登録を行って契約合意を確認
施工体制を登録します。
そのうえで、作業員名簿を作成して
現場では技術者にカードをタッチしてもらい
勤怠を確認することができます。
元請けでは事業者登録をして
現場・契約情報を登録します。
下請けとの契約合意を構築して
施工体制を登録します。
現場にはカードリーダーを設置して
入退場で技術者がカードをタッチしやすい
環境を整えます。
建設キャリアアップシステムの基礎知識
技術者のための基礎知識
建設キャリアアップシステムに登録すると
ICカードを入手することになります。
ICカードは現場でカードリーダーにかざして
入場と退場で勤怠を管理することができます。
こちらで勤務時間の客観性が担保されるので
事業者と勤怠時間でもめることを防ぐことができます。
建設キャリアアップシステムでは
携わった現場と資格が一元化できて
建設キャリアアップシステム上で
いつでも確認ができます。
この様になることでご自身の知識と技能を
証明する資格を簡単に証明できます。
経験はどの現場に携わったことが
建設キャリアアップシステム上で
分かりますので客観的な経験を
説明することが可能です。
結論としては
技術者の方は今まであいまいだったことが
客観的に評価されることになります。
因みに、履歴にはどういった経験が
貯まっていくのかというと・・・
毎日貯まっていくのが
・どんな現場で
・何日間
・どんな立場で
という仕事の状態です。
こういった経験、資格を基に
カードが4段階になっています。
レベル1:白
レベル2:青
レベル3:銀
レベル4:金
(国交省HPより引用)
基準は各建設業の種類別に分けられており
型枠工業は次のようになっています。
(国交省HPより引用)
能力基準は
から確認することが可能です。
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事業者の基礎知識
中小企業では主に下請けになる機会が
多いと思いますので下請けを中心に解説します。
建設キャリアアップシステムでは
どういった技術者がいるのかが分かります。
つまり、施工能力の判断が客観的に
分かる仕組みとなっています。
建設業では基本的に専門工事となりますが
その専門性を業界に分かりやすく伝えることが
できるシステムになります。
事業者の情報としては
建設業許可の有無、営業年数、財務状況
取引先、社員数、団体加入といった
があります。
施工能力としては
建設技能者の人数や施工実績があります。
最後に法令順守です。
処分歴、法令順守の取り組み
社会保険加入状況、安全団体加入状況
があります。
今後は経営事項審査(経審)での
加点評価となります。
事業者で最も作業時間がかかるのが
作業員名簿や施工体制台帳の作成です。
こちらを建設キャリアアップシステムで
行うことができれば作業時間の短縮が
見込まれることになります。
加えて建退共の事務関連の削減を
期待することができます。
今までは技術者の働いた日数に応じ
事業者が技術者へ証紙を渡して
共済手帳に貼り付けていました。
このため下請け事業者は就労日数を集計して
就労状況報告書を提出していると思います。
この作業は建設キャリアアップシステム上で
入退場が分かるので、この情報を基に
建退共が提供する就労実績報告書作成ツールを
使って自動的に作成することが可能となります。
建設キャリアアップシステムの今後
建設キャリアアップシステムの今後では
令和2年10月1日より料金が改訂されます。
①事業者登録料(5年ごと)
②管理者ID(1年ごと)
1ID当たり11,400円(現行は2,400円)
③現場管理料金(利用ごと)
1人日・現場当たり10円(現行3円)
料金については事業者登録でかなりもめたようです。
現行料金の2倍になる計算になるからです。
国交省の見積に甘さがあったと
言われても仕方ないと思います。
中小企業での課題としては労務管理が
あるかと思います。
2024年から時間外適用除外猶予措置が
廃止されることになっています。
つまり、勤怠管理をがちがちに行わないと
のちの未払い残業代請求といったトラブルに
発展するケースが増えるのではないかと
懸念しています。
このときに、ふわっとしていた勤怠管理を
建設キャリアアップシステム上で客観的に
行うことができるのは運用にあたっての
事業者のメリットではないかと思います。
それと建設業でも土日休みといった
週休2日制が導入された現場もあるようです。
試験運用段階とのことですが
今後労務に関して、事業者は負担を強いられる
可能性が高いと思います。
税理士の立場で申し上げると
現場の経費で大きいのは材料費、外注費、人件費です。
材料費と外注費はコントロールできても
労務管理をする人材が少ない中小企業では
人件費のコントロールが難しい印象です。
このときに建設キャリアアップシステムを
有効活用することが良いと思います。
編集後記
建設キャリアアップシステムは現状では
様子見感があります。
ただ、技能実習生を雇用している場合には
建設キャリアアップシステムは必須となっている
現場があるようです。
批判が絶えない建設キャリアアップシステム
ですが、元請けが下請けに対して
建設キャリアアップシステムの導入を
促す役割があるので
今後大手の現場に入場するときには
絶対要件になる可能性があります。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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