建設業では資金繰りの対策に順番を付けて実行する!
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
建設業では資金繰りの対策の順番についての記事です。
資金繰り対策の順番とはどんなものなのか
なぜ順番を付けてやるのかを解説してきます。
中小企業に関与していると金融機関の言いなりで
借りている会社さんが多いように思います。
借換スパイラルについても解説していき
普通に事業ができる環境が如何に重要なのかを
確認していきます。
それでは、スタートです!!
資金繰りに必要な対策の順番とは?
資金繰りには資金繰り対策に順番があります。
①自己資金で何とかする
②手形の割引で何とかする
③元請や1次などから借りる
④日本政策金融公庫から融資を受ける
⑤民間の金融機関から融資を受ける
建設業だと概ね上記の様な順番となります。
自己資金で何とかする
資金繰りとは運転資金を何とか回すことです。
ですから、基本的には自己資金で何とかする方法が
最も原則的な考え方です。
どの中小企業にも言えることですが
自己資金で全部賄えているといった
会社さんはほとんどありません。
結論としては自己資金で何とかする!
ということを目標に事業をして行くことが
重要となります。
手形割引で何とかする
手形とは受取手形です。
現代でも建設業と製造業では使われていて
今でもありますね。
実務的にはファクタリングやでんさいが
手形よりも多くなっていると思います。
しかし、実際の手形での決済もいまだに
行われることがありますね。
手形の落ち日は結構長いもので
3か月から半年かかることになります。
つまりただ持っていてもなかなかお金に
換金できるものではありません。
ただ金融機関に持って行くと割引料がかかりますが
お金に換金することができます。
元請や1次から借りる
建設業特有の多段階構造ならではの
資金調達の方法となります。
子がダメなになると現場が進みません。
親元を頼ろう!
ということですね。
相当な額でなければ前借OKとなると思います。
聞いてみなければ分かりません。
まずは聞いてみることです。
日本政策金融公庫から融資を受ける
まずは金融機関から借りるときには
日本政策金融公庫から取り掛かりましょう。
日本政策金融公庫は国が出資している金融機関で
保証料もかかりません。
電話応対の担当者には親切な人がいて
融資について会社の意向を聞いて融資制度を
紹介してくれます。
民間の金融機関から融資を受ける
こちらが最後の選択肢になるのは
借換スパイラルに陥らされるからです。
うまく立ち回って、借入の知識、交渉など
様々な知見がないと金融機関の言いなり融資に
かどわかされてしまいます。
それに民間の金融機関は自分たちがリスクとなる
方法は絶対に取ってきません。
特に都市銀行はリスクを負わない貸付をすることに
長けているとしか思えない営業をしてきます。
なぜ順番の通りにやらないといけないのか?
建設業の資金繰りは上記の順番の通りにやる必要が
あると考えています。
理由は金額が大きいからです。
設立間もない事業者さんでもあっという間に
年商5,000万円くらいは軽く行きますね。
事業者として立ち回りがうまい人だと
年商5,000万円も余裕で超えてくる人がいます。
ですが事業で売上という規模が増えたとしても
喜んでばかりはいられません。
その分支出も多くなっていきます。
建設業だけに特有のことではありませんが
商売は基本的に支払が先に起こり
その後売上金が入金されてきます。
つまり、いくら売上の規模が大きく黒字になっても
先に支払う金額が多く、売上金があとで入って来るので
黒字倒産となる可能性があるのです。
黒字倒産とは要するに
売上という規模が短期間に大きくなって
対外的な支払が追い付かない状態で
運転資金がなくなることで起こります。
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結論として
資金繰りとは運転資金をどうやって確保するのか
という戦略になるわけです。
ですから資金繰りには順番を付けてその順番で
お金を確保して事業を回していくことが
必要となるわけですね。
社長さんは運転資金や資金繰りは分かっています。
しかし、資金繰り対策をする順番が分かりません。
多くの場合には運転資金という短期資金のために
なぜか金融機関から長期の資金調達としてお金を借り
長期的に返済をしていくというような状態になっている
会社が多いのが現実であると思います。
これだと金融機関からの言いなり融資となり
借換スパイラルに陥ってしまうことになります。
上記の順番で対応していけば
短期の資金確保から行うことができるので
上記の様な順番となります。
金融機関の言いなりになったら最後ですよ!
金融機関の言いなりになったら最後になる理由は
借換スパイラルになってしまうからです。
基本的に会社は運転資金のために長期で
金融機関からお金を借りて返済していきます。
そうなると返済金額が問題となります。
年間で法人税を納付した後の利益が
500万円だとして年間の返済金額のうち
元本はいくらになりますか?
もし元本の返済が500万円以上だとしたら
いくら事業で稼いでも会社にはお金はたまらず
結局運転資金確保のために借換を余儀なくされます。
なぜなら事業の業績計算である損益計算では
金融機関に返済してる金額のうち利息のみが
コストになり、元本の返済はコストにならないからです。
しかし、収支ベースだとお金の入金と出金を計算するので
お金が減って行くことがイメージできると思います。
損益計算が苦手な場合には、お金の勘定として
収支計算ベースで銀行の返済を含めた資金繰りを
考えると良いかと思います。
話を戻すと、要するに、黒字になっても
黒字の金額以上に銀行に返済していて
お金はたまりません。
むしろお金が毎年減って行くことになり
黒字なのにお金が溜まらない状況が起こり
金融機関に借換を申し込むことになります。
こうなったら金融機関の思うつぼで
上記がエンドレスになり
借換スパイラルの完成となります。
こうなること抜け出すことは容易ではないです。
外部の専門家のアドバイスを聞きながらうまく
返済計画を立てたり、他の資金調達を考える
といったことをしないと事業を再建できません。
まずは、借換スパイラルにならないように
資金繰り対策の順番を一つずつ試していく
ということが大切になるのです。
編集後記
日曜日から体調不良で寝込んでしまって
ブログの更新が1日遅れてしまいました。
ですから、本日は2本の更新となりました。
昨日、病院に行きクスリをもらってきて
何とか持ち直すことができましたね。
まだ本調子ではないのですが
仕事くらいはできるような状況です。
ちょっとずつ回復させないといけないと
思っています。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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