資金繰りはなぜ苦しくなるのか?資金繰りを上手くやりくりする方法とは?




資金繰りはなぜ苦しくなるのか?資金繰りを上手くやりくりする方法とは?

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

資金繰りに関する記事となります。

 

資金繰りはなぜ苦しくなるのでしょうか?

原因はお金が減ることですが

 

お金が減る原因を突き詰めることなく

社長さんは事業をやっている場合がほとんどです。

 

資金繰りを上手くやりくりするために必要な

知識があれば苦しくても資金繰りが心配になりません。

 

資金繰りが安定するロジックも必要となります。

今回は、そういった社長さんに対する資金繰り指南の記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

資金繰りが苦しくなるのはなぜか?

資金繰りが苦しくなる理由は何でしょうか?

この問いの答えは次のようなことが言われます。

 

通常のビジネスだとお金の支払後に売上金の入金があり

お金の支払後の売上金の入金までの間にタイムラグがあるので

そのお金が入金されない期間が長いほど資金繰りが

苦しくなるというものです。

 

基本的には間違っていませんが

会社を俯瞰して見ると運転資金だけが原因なのか?と

疑問があります。

 

資金繰りが苦しくなるということは

お金を外部へ支払うことができなくなるかも

ということですね。

 

ですから運転資金は原因の一つに過ぎないわけです。

 

なぜなら会社は外部からお金を得て、外部へお金を支払います。

要するに収入<支出という状態になるかもしれない

ということが資金繰りが苦しい状態です。

 

結論として、資金繰りが苦しいということは

会社全体の収支を分析しないと分からないことになります。

 

 

資金繰りをやりくりするロジックと知識

資金繰りをやりやすくするということは

資金を上手く回すことができることです。

 

資金繰りを回すにはロジックと知識が必要です。

 

資金繰りのロジック

資金繰りにはどんな会社、業種にかかわらず

お金が回っているロジックが存在します。

 

つまりお金をどのように得て使っているのか

というロジックを理解する必要がありますね。

 

このロジックは最も簡単に表現すると

収入ー支出

ということになります。

 

この計算でプラスの数字であれば資金は増えます。

逆にマイナスだと資金は減ります。

 

私が税理士として関与していて社長さんへ

月次決算のご説明をして差し上げると

こういったことを知らない社長さんが多いです。

 

この収入と支出を分解すると次のようになります。

 

収入とは売上金の入金と銀行借入です。

中小企業だと社長さん個人から会社へ資金を注入する

ということも収入になります。

 

支出とは仕入などの原価と給料、家賃などの

販売費と管理費です。

 

付け加えて銀行への返済もお金が出ていきますので

支出になることになります。

 

会社は基本的に売上金の回収は経費などを支払った後に

起こることが多いと思います。

 

つまり短期的な資金が不足することになります。

売上金の回収期間が請求後1ヵ月だとすると

次のようになります。

 

4月で売上の請求を行った後5月末で入金されます。

では、5月の支出は何でお支払いすることになるでしょうか?

 

4月末に入金されてきた3月の売上金です。

このときに4月末で入金されてきた収入が

5月の支出を上回れば資金繰りが苦しくなりません

 

この様に売上金の回収する期間を始点として

その後の資金の金額を賄えるかどうかで

資金繰りのロジックが理解できることになります。

 

 

 

 

資金繰りの知識

資金繰りを上手く回そうとするなら知識も必要です。

それが損益計算と収支計算をそれぞれ理解することです。

 

収支計算はお金でもらったものは収入

お金を使ったものは支出としてお金の増減を計算する

計算方法です。

 

収支計算は分かりやすいと思います。

 

損益計算はちょっと複雑です。

理由は未来の収入と未来の支出をそれぞれ

売上高という収入で表示しながら

原価という経費でも表示することになります。

 

粗利は売上ー原価で計算しますが

売上と原価は将来の収支で計上しますので

粗利も将来の利益となるのです。

 

それと給料や家賃などの販売費及び一般管理費は

現金を使った経費と将来支払うことになる経費の両方が

混在することになります。

 

例えば給料は末締め翌月10日とすると

その月で計上される給料は翌月10日に支払う総支給額が

計上されることになります。

 

家賃は基本的に前払となっている訳なので

前月に支払ったものを当月に計上することになります。

 

その他、従業員が立替えた経費をその都度精算していれば

精算として使ったお金の経費が計上されることになりますね。

 

この様にして販売費及び一般管理費は計上されて

粗利ー販売費及び一般管理費=営業利益

という計算となります。

 

とどのつまり、営業利益とはほぼ将来に発生するであろう

会社の本業での利益となります。

 

ここからさらに資金繰りに話をつなげるための

知識が必要となります。

 

営業利益となっているのに資金繰りが苦しい

なぜだ!、黒字なのにお金が足りないなんておかしい!

ということがあります。

 

理由は、損益計算では経費とならないお金の支出を

計上できないからです。

 

すなわち、借入金の返済をするときの元本部分は

お金だけのやり取りになりますから

損益計算には反映されません。

 

資金繰りのロジックで申し上げた通り

売上金の回収時期を始点として資金繰りが始まります。

 

前月の売上金の回収が今月の資金繰りに影響するのです。

従って、損益計算で黒字になったとしても

それは将来の利益を表しているだけです。

 

しかもお金のやり取りだけの取引は損益計算に反映されないので

黒字になったとしてもお金が増えることではないのです。

 

 

決算対策している場合ではないかもしれない

顧問税理士として関与をしていると

納税者の皆様からは節税の提案を聞かれたり

税理士さんが提案することが普通であるという

現状があるかと思います。

 

基本的には無駄な税金を支払う必要性はないので

税理士さんも提案を行うことにしている場合が

ほとんどだと思います。

 

しかし資金繰りまで考えた節税対策を検討して

提案することはまれであると思います。

 

何が言いたいのかというと

節税対策は最終的にお金を使う対策ばかりです。

 

例えば、少額減価償却資産、特別償却など

固定資産に関わることはモノの購入でお金を使います。

 

役員賞与、決算賞与などこちらもお金を使って

対策する措置ですね。

 

お金を使わないでできる優遇措置の方が

少ないわけです。

 

ここで資金繰りの話と連動させます。

 

節税をする前に税金を支払いたくないと思う理由は

社長さんにとって何なのでしょうか?

 

毎月黒字ではあるのだけれど資金が一向に好転せず

納税資金の準備ができないので税金だけでも安く抑えたい

という考え方だとしたら節税対策をする前にすることが

あると考えます。

 

要するに資金繰り対策ですね。

 

なぜお金が会社に残らないのかを分析して

収支の構造を明確にしてどこでお金が苦しくなるのかを

知らないといつまでたっても会社にお金は残りません。

 

黒字は出していれば純資産は厚くなりますが

それに見合った資金が会社にないと意味はありません。

 

節税対策はお金を使う対策ばかりです。

それであれば税金を納税した方が節税対策で

無駄なお金を使わずに済みます。

 

つまり、納税することでお金を増やすことが

できることになるわけです。

 

 


編集後記

今日はテレワークの日となります。

テレワークでは事務所同様のことができないことがあります。

基本的にはPCで完結することをやります。

 

某資格試験の学習があまり出来ていなかったので

そちらにも時間を割かないとかなり厳しいことになりますね。

これから取り戻していきたいと思います。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。