見積から考える士業のお仕事
士業として独立した場合には、
職員時代とは異なる仕事があります。
最近は、士業への見積依頼から始まるやり方が
多いように見受けられます。
今回は、見積から考える士業のお仕事として、
記事にしたいと思います。
それでは、スタートです!!
士業の見積を考える
初めに、士業の見積を考えたいと思います。
私は税理士なので、税理士を例に考えてみます。
税理士の仕事の中身で考える
税理士が見積もりを考えるにあたっては、
ざっくり、記帳代行と税務顧問の2つとなります。
記帳代行を細かくしていくと、
・領収書整理
・帳簿の整理
・元帳の記入
・勘定科目の整理
税務顧問を細かくしていくと、
・各税目
・訪問のあり、なし
・税務の説明
このような感じかと思います。
相対的には、記帳代行の方がウエートを占め、
税務顧問の幅は低いことが分かります。
まあ、自計化している会社においては、
税務顧問のウエートが飛躍的に上がりますが。
ですから、料金は人によりますが、
見積もり段階では、記帳代行と税務顧問の
両建になると思います。
見積上の問題点は?
それで、問題だなあと思うことが、
見積を依頼する人が、ど素人なのだということです。
ですから、そのど素人の人にもわかるように
見積を出さないといけないわけです。
専門家としての説明責任はあると思いますが、
見積段階で、細かく一から十まで説明する
必要はないのではないか?
これが私のスタンスではあります。
ですから、何が入って、何が入っていないのかを
明確に資料に書いておけば良いのかなあと思います。
それと、属人性で見積金額が問題としてくる場合も
あり得ると言えば、あり得ます。
例えば、細かく分けると割安になるではないか?
そんな思いから、細かくしてくれないか?
といった依頼です。
通常では、ミニマムなればなるほど、
記帳代行業務のウエートが高まります。
従って、記帳代行を細かく分けていくと、
それぞれに値段を付けないといけなくなります。
当然、従前に料金表を作っていて、
細かく分けていないケースがほとんどなので、
改めて、料金を考えていくわけです。
そうすると、細かく分けた分だけ、
ご自身が思う料金を付けることになります。
最終的な見積金額が、当然当初の見積金額よりも
上がってしまうことも想定できるわけです。
このように、見積の観点から相手の問題点と
自社の問題点が浮き彫りになるケースがあります。
依頼内容、報酬はヒアリングがすべて!
さて、士業の先生方は、どのような見積もりを
心がけているでしょうか?
私の場合には、次のような順番で見積の
作成を行っています。
見積作成の順番
まずは、依頼者からのヒアリングを行う!
これが最も大切だと思っています。
つまり、相手が依頼していないことは
仕事になりませんから、仕事の範囲を
決定するために行います。
次に、依頼者が要求していることを
明確にすることですね。
これは、値段が第一ではあると思いますが、
それ以外に、依頼者が自社でできる範囲を
決めたいと思っています。
例えば、領収書の貼り付けは自分でできる、
エクセルでまとめてデータで送ってくれる
といったことですね。
こういったことで、ようやく仕事内容が
決定できますので、見積書の作成に移ります。
逆説的ですが、これくらいは協力してもらえる
依頼者でないと私は門前払いをします。
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テクニカルな依頼の見積は?
こちらの場合には、依頼者が最終的に目指す
ゴール(達成目標)への近道とリスク回避を
重点にしていきますね。
税理士の場合、テクニカルな依頼の多くは
関与先からが多いと思われます。
なぜなら、テクニカルな問題こそ、
顧問税理士でないと任せられないとの
認識を関与先も考えているからです。
昨年の出来事ですが、外資系の会社の増資が
決定して、手続き関係についての相談と、
税務上の相談がありました。
手続き上は、外為法の報告、登記手続き、
株価評価といったことになりました。
外為法や登記手続きは、提出資料の作成なので、
問題とはなりませんでしたが、
最も問題だったのは、株価評価です。
一番ご理解してもらうことに苦労したのは、
相続税法上の評価方法と時価純資産などの
MAで使われる評価のどちらが正しいのかを
理解して頂くことでした。
具体的なことは、記事とは関係がないので、
書きませんが、
こうしたテクニカルな部分の説明を
見積とひっくるめて説明するとなると
かなりの労力をいることがあります。
まずは、依頼者のご理解を最優先にして、
やっていくことが重要だと思います。
リスクを取る見積もある
自分が関与したい関与先
さて、見積もり段階で、
やりたい業種がある場合もあると思います。
ただ、内容がふわっとしていることも
あり得ると思います。
例えば、記帳代行を依頼したいけど、
自分でやるから税務顧問で良いかなあなど
要するに、コンサル的な関与で
お願いできませんか?
というやつですね。
そのコンサルもどこまでやったら良いのか
ちょっとよくわからない場合があります。
毎月なのか、2か月に一度なのか
ちょっとやってみてから決めましょう!
などといったこともあり得ます。
見積段階で、色々振り回されて、
ちょっと面倒だなあと思うやつですね。
ただ、ご自身が関与してみたい業種であれば、
そういったリスクも含めての対処も
よろしいのではないでしょうか?
なぜなら、やってみたいという意思が
あるわけですし、自分から動いています。
リスクを取る見積とは、
自分から関与したいと思うところだけに
とれる見積なのではないかと思います。
リスク許容度はどこかのか
では、逆にリスク許容度はどこなのか?
こちらも、基準を持つことは難しそうです。
この部分も、リスクを取った見積を
経験しないとできない判断です。
ですから、リスクを伴う見積もりに
あえて挑んでみる考えもあると思いますね。
独立1年目の時ですが、支部の委嘱税理士であった時に
相続税の申告の見積がありました。
物件は、京都にあり、1次相続の手続きをしていない
状態だったとのこと。
つまり、依頼時点は、2次相続時点で、
不動産登記は、死亡している人間が所有者となっている
そんな案件でした。
他の財産の状況もあまり聞けずじまいで、
見積だけ依頼されることになりました。
仕方ないので、わかっている不動産だけの
見積を行いました。
今であれば、見積もりさえせずに、
他の税理士先生をあたってみれば?
と断るわけではありますが、
当時は、相続の申告依頼が来た!!と
ちょっとワクワクしましたね。
実際には、他の税理士先生に頼むとのことで、
お断りの連絡をもらい受注はなりませんでした。
この時に、見積もりに使った時間は
一体何だったのか?
このように思ったわけです。
ですから、このような失敗から学習して、
自分なりの基準は定めているわけですね。
見積とは仕事の総括
見積を何軒かこなすと、
見積=仕事の総括
ではないかと思えてきます。
もちろん、見積もり時点での仕事の総括
になるわけです。
この会社に自分が一体どのような仕事で
関与することができるのかを考える
機会だと思っています。
逆に、関与先となるとそういったことを
考えていないなあと思う自分に気が付きます。
お客様の決算ごとに、自分がそのお客様に
行った仕事の総括として、関与先の見積を
1年に一度はやってみてもよいかもなあと
最近、思っています。
編集後記
今日は、午後から有料研修に行ってきます。
最近、外国関係の研修に言っていなかったので、
復習と知識の確認のためにです。
4月は実質4/26までしか稼働日数はないので、
後半の日程がきつくなるかもしれません。
ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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