【顧問契約を破棄】契約を止めるときを想定しておく




顧問契約を破棄

顧問業務ができる士業先生は

自分から契約を止めたとき、

お客様から契約を止められたとき

 

といった2つのことを経験している方が

いると思います。

 

私は、いまだどちらも経験していません。

ただ、契約を破棄するような決断をすることを

想定はしています。

 

要するに、顧問契約を止めるという理由は自分で

決めておくということです。

 

顧問契約を止めるということは大きいことで、

売上は減ることになります。

 

しかし、その会社へ時間、人を投入する必要はなくなる

ということも考えられますね。

 

顧問契約というネガティブなことはいつでも

誰にでも起こる可能性があります。

 

競争社会の中にいるので、当然ではあります。

 

それでは、顧問契約の問題点を踏まえながら

顧問契約を止めるということについて考えてみたいと思います。

 

顧問契約の問題点

今までの問題点

顧問契約の問題点は、士業先生、顧客共に、

契約を止めるまで、半永久的に継続するという

システムが最大の問題点だと思っています。

 

士業先生にとっては、売上が入ってくるので、

助かります。

 

顧客にとっては、士業に依頼しているということで

心強いと思います。

 

ただ、毎月、毎月、トラブルや困ったことが

起こるという訳ではありません。

 

士業先生側から見れば、何もしなくても入ってくる

顧問料という打ち出の小槌があり、

 

顧客側からすれば、何もしなくても支払うという

不思議な支払ということになります。

 

ですから、ある種、士業先生と顧客との信頼関係がないと

できない契約が顧問契約ということだと思います。

 

したがって、信頼関係が継続できないとなった場合には、

顧問契約が解除ということになろうかと思います。

現代的な問題点

近年では、顧問契約を使ったビジネスが台頭してきて、

この信頼関係が揺るぎかねないビジネスモデルがあります。

 

特に、税理士界隈(私の周りですが)でけしからんと

言われている契約形態があります。

 

月2万円で、社労士に顧問を依頼するというものです。

何をしてくれるのかというと、何もしません。

 

給料計算は別料金、社会保険事務代行も別料金、

何かあったら駆け付けますというビジネスです。

 

こうした手法に、少なくとも私と付き合いがある税理士は

怒り心頭であるということです。

 

申しげたいことは何かというと、

 

以前であれば、顧客と士業先生だけの問題だったものが、

顧問ビジネスのスキマをつくようなモデルが出てきて、

 

関与している他の士業先生にまで影響する場合がある

ということです。

 

本来であれば、他士業同士、連携したりするのが

経済合理性があるわけではありますが、

 

一部に、自分の利益だけを追求する人たちが

出始めました。

 

こういった人たちに対しては、今後、風当たりが

強くなることが予想されます。

 

会社周りの人たちにも配慮が必要になってきている

そういった問題点も出てきます。

 

 

顧問契約を止めるときを考えておく

信頼関係がなくなったら契約破棄

さて、顧問契約の問題点を踏まえて考えてみようと

宣言しておりますので、考えてみましょう!

 

先ほど、申しげましたが、顧問契約の根本は信頼関係

ということになろうかと思います。

 

ですから、信頼関係が揺らいだ時に顧問契約を止める

判断になるものと思います。

 

私の顧問契約を止めると決めているときとは、

不当な値下げをされたとき、不要な仕事を過度に依頼されたとき

以上の2つを考えています。

 

つまり、オールインワンというような扱いで、

まるで、顧問先の社員になったような扱いを受けたら

その時点で止めようと考えているわけです。

 

私の考えでは、信頼関係を判断する場合において

お互いにリスペクトできる関係ではないかと思います。

 

 

 

 

 

ですから、私から顧問契約を止めるということは

ほぼありません。

 

相手からの不当な扱いを受けた時点で顧問契約を

止めるという判断をするからです。

 

ですから、顧問先がやりたいことは尊重しますし、

法律的に回避できる事象であれば、回避します。

 

まあ、士業として当たり前のことをやろうと思っていますし、

それを継続していくつもりです。

 

皆さんにとっては、どのようなときに顧問契約を止めたいと

思うのでしょうか?

ぜひブレない判断基準をもって頂ければと思います。

顧問税理士は味方につけた方が良い

ちょっと話を変えて、先ほどの顧問ビジネスについてです。

 

風当たりが強くなると私が申し上げましたが、

少なくとも顧問税理士は味方につけておいた方が

良いという事例を紹介します。

 

私の先輩税理士が自分の顧問先へある社労士を紹介した

ところ、先ほどのような顧問契約を提案されました。

 

それに、先輩税理士がおかしいと思い、契約内容を

聞いたところ、頭にきたようで、

 

その社労士への依頼を顧問先に破棄させて、

自分で給料計算業務を請け負ってしまいました。

 

もちろん、紹介しようとした社労士よりも

安く顧問先は済んだので、助かったようです。

 

因みに、私の顧問先にも上記と同様のビジネスモデルの

社労士がいて、関与している税理士からすると

 

なんだかなあと思うことは、しばしばありますね。

 

なぜ、このようなギャップが生まれるのかというと、

税理士業務の場合には、月に1回は訪問して、

 

帳簿、月次決算の説明、経営相談、雑談など

万屋さん的な仕事とになっています。

 

ほぼ、会社のバックヤード+社長の人生相談

ということになっているのです。

 

ですから、何もせずに顧問料だけを支払っている人を

見ると、それ違くね?と思うわけですね。

 

しかも、税理士は会社の帳簿を見ることができますので、

関与している士業先生の金額を見ることができます。

 

また、雑談の中から他の士業先生の関与状況も

的確にヒアリングできたりしますね。

 

社長自身もあまりよくは思っていないことは

言葉の端々から伝わってきますね。

 

そうすると、何もやっていないのに、

顧問料は違うよね?ということになるわけです。

 

これは、弁護士に関しても同様に税理士は思っていると

思います。

 

こうなると、その社労士や弁護士が税理士から紹介を受ける

ということができなくなってしまいます。

 

関与税理士からの風当たりが強くなるということは、

今後、予想されると思います。

 

 

売上は減るけれど・・・

さて、顧問契約を破棄するとどうなるのか?

売上が減るということになりますね。

 

当然ではあります。

 

ただ、顧問契約を破棄するということは、

経済的な損失だけではないかと思います。

 

実際にかけた手間は顧問契約解除後には

かからなくなるので、他に時間を使うことができます。

 

私が先ほどの信頼関係がないと判断する事象に

挙げていたことなのですが、

 

勤務時代に、上記をやられた経緯があるから、

私の中では契約解除事項としているのです。

 

どういった状況だったのかというと、

要するに、会社内部のことまで担当者へさせる

ということでした。

 

IT会社だったのですが、

・消費税のクロスチェックを要求される
・売上の振替のためのexcelシートのチェックを依頼してくる
・報酬は年末調整、償却資産税が内包されている
・決算報酬は値引き状態

といったことが常態化された形で、私に担当が回ってきました。

 

たった、これだけと思うと思いますが、

消費税のクロスチェックは、全部の取引をもう一度

総当たりにやっていくということです。

 

excelシートのチェックは、税抜なのか税込なのか

よくわからない金額を3年分くらいをチェックします。

 

保守サービスの振替なので、何百の取引を全部チェック

という、無駄仕様のexcelでした。

 

やったのかというと、やりませんでした。

 

所長に契約内容以上のことを要求されていて

困っていると話したこともありましたが、

取り合ってもらえませんでした。

 

このような自分の経験から、契約からして

おかしな業務を依頼されることは、

 

信頼関係を構築しようとする考えは顧問先になく、

ただ、外注先という目線で見られていると、

当時は判断したものです。

 

勤務時代におかしいと思ったことは、

自分が独立してからは我慢する必要はありません。

 

契約破棄にもタイミングがある

私は契約破棄をするにはタイミングがあると

考えています。

 

例えば、契約が数件しかなくて、契約解除をすると

経済的に無理が出てくるということであれば、

即座に契約解除をしなくても良いわけです。

 

将来的に、契約解除の会社というくくりにしておいて、

ある程度、経済的に余裕が出てきたところで、

 

契約をなくしていくというスタイルで

問題ないと思います。

 

先ほども申し上げた通り、契約解除のネガティブなところは

経済的なところだけです。

 

契約解除をすることで、手間がかかるところがなくなり、

精神的に楽になると思います。

 

自分の時間が増えて、仕事以外に時間を使えて、

良いことしか考えられなくなります。

 

契約解除を切り出すときには、かなり勇気がいると思いますが、

だからこそ、ブレない判断基準が必要だと思っています。

 

 


編集後記

今日は、夜から定期の飲み会へ行ってきます。

1件、企業内監査があるところで、ようやく監査の承認を

受けることができました。

 

12月決算なのですが、すでに申告書ができている不思議な

ところでもあります。

 

月次決算をやっているとスムーズに進む顧問先との

仕事は精神的に楽なので、ポジティブな感じとなります。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。