消費税の簡易課税の計算方法とは?




今回は消費税の簡易課税の計算方法を紹介します。

★簡易課税とは?

簡易課税とは、基準期間(今年の2年前の期間)における課税売上高(消費税の対象となる収入)が5,000万円以下の場合に適用できる制度です。簡易課税を選択するには、適用しようとする事業年度の前年までに消費税簡易課税制度選択届出書を提出しなければなりません。

簡易課税を選択した方がよい会社は、必ず消費税が納付になり、かつ、消費税の対象となる経費が対売上比率で90%未満の会社になります。というのは、簡易課税は必ず納付になる計算であり、売上から控除できる経費割合が最高で90%という仕組みになっているからです。

 

★簡易課税の具体的計算方法

簡易課税の計算は、収入を第一種事業から第六種事業に分けなければなりません。それで、各種事業につき、控除できる消費税の割合が決められています。

第一種事業(卸売業):収入に対して90%

第二種事業(小売業):収入に対して80%

第三種事業(製造業):収入に対して70%

第四種事業(その他の事業):収入に対して60%

第五種事業(サービス業等):収入に対して50%

第六種事業(不動産業):収入に対して40%といった割合になります。

以下で具体的な計算例を確認してみます。(前提:第一種事業のみを行っている)

①消費税の対象となる収入

-消費税の対象となる収入(税込)×100/108=消費税の対象となる収入(税抜)

-消費税の対象となる収入(税抜)×6.3%=収入に対する消費税

②経費に対する消費税

-収入に対する消費税×0.9=経費に対する消費税

③消費税の計算

①-②=国税の金額

④地方消費税の計算

③×1.7/6.3=地方消費税の金額

⑤③+④=納付額

 

★簡易課税の実務上の対応方法

簡易課税の具体的な対応方法は、次の通りになります。

①業種ごとに帳簿で分けられているかどうか

これは、会計帳簿に第一種事業、第二種事業と分けなければなりませんので、帳簿に記載する必要があります。一般的な会計ソフトであれば、区分できる仕様になっています。

②業種ごとに分けた根拠を明確に!!

これは、帳簿で業種を分けていても根拠になる請求書や売上明細に業種が載ってこないと帳簿上での処理を補完する材料がなくなってしまいます。要するに会社としては売上を区分していませんよね?という判断を税務署にさせてしまいます。こうなると業種が不明確となってしまうので、自社が行っている業種のうち最も控除割合が低い区分で処理される可能性が出てきてしまします。そうならないように業種が分かれている資料を作成する必要があります。




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齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。