今回は消費税の税抜方式と税込方式の相違点があるものについて紹介いたします。
★税込と税抜の会計処理の違い
1.税込の場合の会計処理
(借方)売掛金 10,800(貸方)売上 10,800
といったように消費税の金額が含まれた状態で会計処理することが税込方式になります。
2.税抜の場合の会計処理
(借方)売掛金 10,800円(貸方)売上10,000
(貸方)仮受消費税 800
このように消費税は別建てで処理することになります。
ちなみに、弥生会計やfreeeといった会計ソフトだと税込金額で処理をすることによって、ソフト自動的に税抜方式にしてくれます。
★消費税の精算処理
消費税の清算とは、納付額や還付額を決めた時の経理処理になります。
1.税込方式
(借方)租税公課 300(貸方)未払消費税等 300
といったように未払金として発生主義により計上する場合には、このような会計処理を行うこととなります。
2.税抜方式(消費税差額はないものとしてします。)
(借方)仮受消費税 800(貸方)仮払消費税 500
(貸方)未払消費税等 300
といったように仮受消費税と仮払消費税を相殺して納付額を未払消費税に計上することになります。また実務上は、消費税差額が発生します。
★税込方式のメリットとデメリット
税込方式ですと、消費税を含んだ金額を売上や仕入に計上するということになりますので、損益計算書には消費税部分規模を大きく金額を表示させることができます。これが税込方式を採用するメリットになります。
デメリットは主に法人税の規定に波及することになります。
税込ですと先ほども申し上げたように消費税を含んだ金額になります。これは、売上や仕入だけにとどまりません。例えば、資産の購入金額や交際費も消費税が含まれた金額になります。したがって、法人税の少額減価償却資産、一括償却資産、10万円未満の判断も税込で判断することになります。ですから、税抜ですと30万円未満となって少額減価償却資産になるのに税込だと30万円未満にならないということがあります。
加えて交際費の金額も税込で損金不算入の計算をしなければならないことになります。
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