【貸室の不動産投資】投資と回収、税金面も考慮して判断する

不動産投資




【貸室の不動産投資】投資と回収、税金面も考慮して判断する

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

貸室の不動産投資について

解説した記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

不動産投資の回収を考える

ここ10年くらいにわたって

貸室の不動産投資は一般的な

投資になってきています。

 

不動産投資を行った場合の

回収だけに着目してまずは

確認してみます。

 

不動産投資の回収では

・不動産を持っている間は家賃収入

・不動産を売却したときには売却価格

になります。

 

年間の家賃収入が売上になり

投下資本として不動産の購入金額

で割った割合が利回りです。

 

利益率は最高で7%くらいで

売りに出されていることが

多いと思います。

 

実際に金額を用いて計算すると

都内で5000万円の貸室を購入

 

年間の利益率が7%と仮定すると

年間の家賃収入は350万円です。

 

フルローンで貸室を購入した

と考えて5000万円の返済が

10年と想定すると

 

元本の返済だけで年間500万円

必要になり家賃収入だけでは

賄いきれないことになります。

 

返済期間が20年とすると

元本は250万円になり

 

元金均等返済と仮定し

年利3%で利息を返したとすると

 

年間146万円の利息が

必要になります。

 

元本と利息を足すと

396万円になるため

 

これでも年間の家賃収入だけ

ではキャッシュフローがうまく

いかないことがわかります。

 

 

不動産投資の税金

不動産投資の税金について

確認してみます。

 

以上の税金がかかります。

・不動産取得税(取得したときだけに発生)

・固定資産税(毎年かかる)

・所得税と住民税(毎年かかる)

 

不動産取得税とは土地や建物

を取得したときに発生する

地方税です。

 

計算方法は

固定資産評価基準に評価、決定された金額に以下の税率を乗じて計算されます。

①土地:3%

②建物
・住宅用:3%
・非住宅用:4%

 

5000万円購入した貸室の

固定資産税評価額が

 

3500万円で住宅用だった

としたら

3500×3%×2=210万円(土地と建物の合計)

が発生します。

 

固定資産税はその年1月1日

現在の不動産の所有者に

発生する地方税です。

 

取得1年目は購入金額に

未経過固定資産税として

反映されているので

 

取得した2年目以降に発生する

税金になります。

 

計算方法は

①土地
課税標準額×1.4%

②建物
課税台帳に登録されている価格×1.4%

になります。

 

 

 

 

所得税と住民税の計算では

①不動産収入
年間の家賃収入-必要経費ー青色申告特別控除(原則10万円)=不動産所得

②不動産以外の総合課税の所得

③(①+②-所得控除)×所得税率又は住民税率

になります。

 

勤務の人が不動産投資をして

給与以外の収入がない前提と

仮定すると

 

不動産所得と給与所得の合計額

から所得控除を差し引いた金額が

 

所得税と住民税の課税対象金額

になります。

 

物件を購入したあとに売却を

行った場合には以下のように

なります。

 

売却したときに発生する所得税と住民税では譲渡所得として売却取引だけで税金計算します。

①土地
売却価格-土地の購入金額ー売却に必要な経費ー特別控除=課税譲渡所得金額

②建物
売却金額-建物の帳簿価額-売却に必要な経費ー特別控除=課税譲渡所得金額

 

土地と建物で分けられるのは

土地は非償却資産なので

 

購入した金額を売却金額から

控除できますが

 

建物は不動産所得の計算上で

減価償却費として経費計上した

金額を控除した金額が帳簿価額に

なるからです。

 

特別控除は一定の要件を

満たした場合のみ適用可能です。

 

税率は

①長期譲渡の場合:20.315%(所得税15.315%、住民税5%)

②短期譲渡の場合:39.63%(所得税30.63%、住民税9%)

長期譲渡になるためには不動産を売った年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合です。

になります。

 

譲渡所得金額にどちらかの

税率を乗じた税金が発生します。

 

 

不動産投資で利益ができる回収利回りの考え方

以上のことから回収利回り

の考え方を検討します。

 

本当に利益が出るかどうかの

判断としては

①購入後での利益が出る考え方

購入後に発生した税金+借入の利息<家賃収入

②売却時に利益が出る考え方

購入金額+税金<売却金額

という状態になって初めて

利益が出ると判断できます。

 

購入後に利益が出る考え方

を検討すると

 

取得1年目の不動産取得税が

重いので多くは赤字になる

可能性が高いと考えられます。

 

また、フルローンで購入すると

借入金の利率によっては

 

想定利回りの考えでは

利息を賄うことができない

可能性があります。

 

売却時には長期と短期で

税率が異なりますが

 

長期になるまで所有すると

した場合には約20%の税金が

必要になります。

 

加えて建物は減価償却後の

売却時の帳簿価額が

 

売却金額から控除される

金額になるので

 

基本的には土地と建物の

両方で税金が発生すると

考えられます。

 

 


編集後記

不動産投資をフルローンで

行う場合では

 

私が考える想定利回りは

10%を超えないと

 

キャッシュフローが追い付かず

不動産投資貧乏になる可能性が

あるかもしれません。

 

不動産投資よりも株式投資で

あれば所得税や住民税の負担

だけになります。

 

お金を増やしたいのであれば

株式投資から始めるのが

無難かもしれません。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。