【税理士業】税理士の名義貸しとはどんなものなのか?を税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
税理士の名義貸しについて
解説します。
それでは、スタートです!!
税理士の名義貸しと類型
日税連が公表している
令和6年12月の
税理士法違反行為の未然防止に向けて
という資料から解説します。
名義貸しとは
名義貸し行為とは、無資格者や会計法人が税務書類の作成を行うという明らかな違反行為に対し、それが表面上適法であるかのように装い、税理士が申告書等に署名するなどして自己の名義を利用させる行為である。
日税連 税理士法違反行為の未然防止に向けてから引用
名義貸しになるポイント
・税理士が納税者から直接税理士業務の委嘱を受けておらず、また、報酬を納税者から直接収受していない
・税理士業務の補助業務に従事している使用人が、税理士の適正な管理監督下にない
・税理士が自己の判断で税務書類を作成していない
など
日税連 税理士法違反行為の未然防止に向けてから引用
税理士法2条において
「他人の求めに応じ」とあり
他人とは納税者である依頼者
という解釈になります。
税理士会綱紀規則(準則)
によれば
第10条2項において
会員は、委嘱者から直接業務委嘱を受けなければならない
とされています。
以上のことから税理士が直接
依頼者とのやり取りをしない
のであれば
名義貸しになる可能性が
発生することになります。
適正な状況とは
適正な状況になるためには
以下のフローチャートにて
判断を行うことになります。
会計法人をかまさない
フローチャート
①税理士が依頼者から直接税理士業務の依頼を受けており、依頼者から税理士へ直接支払われている
↓YES②税理士業務の補助業務に従事している使用人等は税理士の適正な管理監督下にある
↓YES③税理士が自己の判断で税務書類を作成している
↓YES④名義貸し行為にはならない
現実的に最も問題になるのは
上記③になります。
税理士事務所の無資格者の
スタッフが作成した税務書類を
検算しただけでは
税理士が自己の判断に基づいて作成したことにはならない
とされています。
ご依頼はこちら!
1 個別相談スポット業務
2 税務調査立会支援
3 経営革新等支援業務
4 税務顧問などの顧問業務
5 6万円から始める確定申告
税理士事務所の運営として
よくあるケースを考えると
税理士が税理士資格を
持っていない補助者を雇い
その補助者が担当先の会計データ
を確認して依頼者とデータの修正など
を行って
最終的に税務書類の作成を行い
税理士が作成された税務書類の
検算のみ行っている
といった流れがあるかと
思います。
これだけだと会計データを
確認しておらず
原始証憑も確認していないので
事実認定としては
自己の判断で税務書類の作成を
行ってないと考えるのが妥当と
なってしまう可能性が高いです。
税理士が会計法人を持っている場合のポイント
会計法人で記帳代行を行って
いる場合についても以下の
フローチャートで判断します。
①会計法人では会計業務のみを受託している
↓YES②会計法人の従業員は、会計法人のみに従事している
↓YES③会計法人の代表者が税理士である
↓YES④税理士が運営している会計法人の運営について問題なし
会計法人では税理士業務は
できません。
会計法人が依頼者から税理士業務
と記帳代行を請け負った場合は
税理士法違反になる可能性が高いです。
会計法人を使う場合には
税理士が税理士業務と記帳代行を
依頼者から直接依頼を受けて
税理士が会計法人へ記帳代行のみ
依頼するようにします。
会計法人と税理士事務所の2つで同じ
スタッフを雇い入れて両方の業務
をさせることはできません。
スタッフが会計法人で記帳代行を
行って、同じ人が税務書類の作成
を行ってしまうと
税理士業務の制限に違反する
ことになり
この税務書類に署名を行って
税理士が申告書を提出した場合
名義貸し行為になります。
会計法人の代表者は税理士である
ことが推奨されています。
なぜなら税理士法第2条2項で
税理士は、税理士業務のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行(中略)を業として行うことができる
とされています。
一般的な取引として
税理士事務所が間口になり
税理士が依頼者と契約して
税理士業務と記帳代行業務を
一緒に請け負い
記帳代行業務が会計法人へ
委託される流れになるため
会計法人の代表者は税理士でない
と税理士法第2条第2項違反になる
可能性が発生します。
編集後記
上記以外には外部の記帳代行会社
から依頼を受けて
記帳代行会社が作成した帳簿書類
を確認して税務書類の作成をすると
名義貸し行為になる場合があります。
なぜなら、この場合、依頼者との
直接の契約がなく
税務書類の作成に関する報酬の
支払が依頼者から直接行われて
いないことがあるためです。
いろいろな取引類型が現代だと
発生する可能性がありますが
税理士業務を行う場合には
必ず、依頼者と直接契約で
報酬も依頼者からあなたへ
直接入金させる必要がある
というポイントは押さえておく
必要があると考えられます。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
youtube始めました!
税理士さいとうゆきおチャンネル
現在活動中止しています。
税務顧問や執筆などのご依頼はこちら↓
この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
ご依頼はこちら!
1 個別相談スポット業務
2 税務調査立会支援
3 経営革新等支援業務
4 税務顧問などの顧問業務