【遺族年金とは】現行制度と改正後のポイントを社労士が解説

遺族年金 改正




【遺族年金とは】現行制度と改正後のポイントを社労士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

遺族年金のポイント解説を

します。

 

それでは、スタートです!!

 

遺族年金とは

遺族年金は、国民年金・厚生年金保険の被保険者または被保険者であった人が亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族の所得を保障するための年金である。

厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方]第13 遺族年金から抜粋

 

遺族年金と一口に言っても

国民年金や厚生年金に加入した

被保険者が亡くなった場合に

 

亡くなった人によって生活を

保障されていた遺族がもらうことが

できる年金になります。

 

国民年金では

遺族基礎年金

という名称になります。

 

厚生年金では

遺族厚生年金

という名称になります。

 

遺族基礎年金の年金額

2022年度時点での年金額は、以下のとおりである。
・ 子のある配偶者が受け取るとき
老齢基礎年金満額(777,800円)+子の加算額
・ 子が受け取るとき(次の金額を子の数で割った額が、1人あたりの額となる。)
老齢基礎年金満額(777,800円)+2人目以降の子の加算額
―1人目及び2人目の子の加算額 各223,800円 (年額)
―3人目以降の子の加算額 各74,600円 (年額)

厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方]第13 遺族年金から抜粋

 

遺族厚生年金の年金額

遺族厚生年金の年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となる。

厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方]第13 遺族年金から抜粋

 

上記のように年金額の計算が

異なるのは

 

国民年金保険料は毎月定額であり

厚生年金は標準報酬月額による

保険料を支払っているためと

考えることができます。

 

上記以外には死亡一時金という

制度があります。

 

こちらは保険料の掛け捨て防止

という観点から設けられた制度です。

 

改正されたあとの遺族年金とは

遺族年金のうち遺族厚生年金

については改正されました。

 

成立は令和7年6月13日で

改正後の制度の効力発生は

令和10年4月からになります。

 

遺族厚生年金の見直しでは

以下のように男女間の差を

無くす制度になっています。

 

現在の仕組みでは

①女性の場合
・30歳未満で夫と死別:5年間の有期年金としてもらうことになる
・30歳以上で夫と死別:無期給付(ずっと遺族年金がもらえるイメージ)

②男性の場合
・55歳未満で妻と死別:給付なし
・55歳以上で妻と死別:60歳から無期給付

このように男女間の差があります。

 

そもそも年金制度が夫が働き

妻が専業主婦という前提にある

制度です。

 

妻が30歳未満であれば今後

誰かと再婚することができ

人生をやり直すことができる

 

可能性が高いため有期年金になり

30歳以上では人生をやり直すことが

できない年齢で夫と死別する可能性が

あるため分かれています。

 

男性の場合は、ずっと働けるので

55歳未満では遺族年金は不要

 

55歳以上では退職年齢に近いので

生活が大変かもしれません。

 

したがって退職年齢に近い

60歳からもらうことができる

仕組みになっています。

 

 

 

さて、現行制度は以下のように

変更になります。

 

男女共通を前提にして

・60歳未満で死別:原則5年間の有期年金(配慮が必要な場合は5年以降も給付継続)

・60歳以上で死別:無期給付(現行制度のとおり)

 

以上のことから制度上で

割を食うのは

30歳以上で子供がいない女性

になります。

 

このように割を食う人がでてくる

理由は遺族年金の支給対象者に

配偶者と子供の両方が入るためです。

 

 

年金受給中の遺族年金の支給停止

改正後で60歳以上で死別した

夫又は妻については遺族年金が

無期給付されますが

 

65歳以降には国民年金又は

厚生年金の支給が始まります。

 

するとあなたの年金をもらいながら

遺族年金ももらうことになります。

 

こういった場合には

遺族年金の一部が受け取れない

可能性が出てきます。

 

基本的な考え方は

通常の年金をもらって

 

通常の年金を超える部分だけ

遺族年金がもらえるという

イメージになります。

 

言い換えると通常の年金は

全額支給されて

 

通常の年金<遺族年金という

状態にならないと

 

遺族年金は全額支給停止になる

という制度になっています。

 

厚生労働省の説明としては

あなたが納めた保険料を年金額に反映させるため

としていますが

 

税金の面からでは遺族年金と

通常の年金とでは取り扱いが

異なるためだと考えられます。

 

すなわち

・遺族年金の税金の取扱い:所得税と相続税が非課税

・通常の年金の税金の取扱い:所得税と相続税の課税対象

となっています。

 

厚生労働省マターである

年金制度から見た説明は

確かに正しいのだと思いますが

 

財務省マターである税金制度では

通常の年金と遺族年金の両方を

もらうことで

 

財政に影響があるため

遺族年金の支給停止制度が

あるのかなと考えられます。

 

 

 


編集後記

年金額の反映という見地から

考えると通常の年金と遺族年金

 

の両方とも全額支給をする

必要があると考えられます。

 

なぜなら遺族年金は年金の

保険料を支払っていないと

支給されないからです。

 

言い換えると支給停止にする

ための論法が弱いような感じがします。

 

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。