【食品のみ消費税をゼロ】飲食店での消費税、損益、キャッシュフローはどうなるのかを税理士が解説

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【食品のみ消費税をゼロ】飲食店での消費税、損益、キャッシュフローはどうなるのかを税理士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

食品のみ消費税をゼロにした

場合の飲食店について検討した

記事になります。

 

それでは、スタートです!!

 

食品のみ消費税をゼロにした場合の消費税への影響

一部報道で出てきましたが

食品のみ消費税をゼロにする

検討があるようです。

 

このときに飲食店の消費税

にはどのように影響があるのか

を検討してみましたと思います。

 

話を簡単にするために

以下の前提条件で考えます。

 

・消費税の計算方法:原則課税(実額計算)で行う

・売上:6,600万円(税込み)

・経費:食品の仕入のみで5,400万円(税込み)

 

まずは現状で考えると

売上の消費税は600万円

経費の消費税は400万円

 

よって飲食店は200万円の

消費税を納付することになります。

 

次に食品のみ消費税がゼロに

なった場合を考えます。

 

前提

・消費税の計算方法:原則課税(実額計算)で行う

・売上:6,600万円(税込み)

・経費:食品の仕入のみで5,000万円(税込み)→消費税分を請求されなかったとします。

 

こうなると売上に対する消費税

から控除する消費税はゼロなので

600万円を納付することになります。

 

さて、現実的な消費税への影響を

考えてみると次のようになると

見ています。

 

消費税法上の売上になる

課税売上高が5,000万円以下

の事業者については

 

簡易課税を選択しているため

食品の消費税が変更された

としても影響はないです。

 

影響があるのは簡易課税が

使えない課税売上5,000万円を

超える事業者になります。

 

この層では、消費税の計算が

実額計算になるため

 

食品の消費税がゼロになると

売上に対応する消費税から

控除できる消費税は

 

食品の仕入に対応する分だけ

少なくなります。

 

すなわち、人件費などと一緒の

取り扱になり食品仕入に対応する

消費税分の納付が増えると考えられます。

 

 

食品のみゼロにした場合の損益への影響

先ほどの前提を基に損益への

影響を考えてみます。

 

・消費税の計算方法:原則課税(実額計算)で行う

・売上:6,600万円(税込み)

・経費:食品の仕入のみで5,400万円(税込み)

・税抜経理方式

まずは現状での損益を

考えてみます。

 

6,000(売上)ー5,000(食品仕入)=1,000万円の利益

消費税の納付額が経費に

ならないのかというと

 

税抜経理方式のため

損益には影響しません。

 

・消費税の計算方法:原則課税(実額計算)で行う

・売上:6,600万円(税込み)

・経費:食品の仕入のみで5,000万円(税込み)→消費税分を請求されなかったとします。

・消費税の経理方法:税抜経理方式

 

次に食品がゼロになった場合の

損益を考えてみます。

 

6,000(売上)ー5,000万円=1,000万円の利益

ということになり

こちらも損益には影響ないです。

 

 

これまでのシュミレーションでは

食品がゼロ税率になった場合に

 

食品卸の事業者が消費税相当の

金額を飲食店へ請求しない

という優しいシュミレーションでした。

 

では、実際にはどうなるのか

というと価格は据え置かれる

可能性があると考えます。

 

というのは、消費税は請求する

しないというのはどちらでも

よいからです。

 

すなわち、108円の値段を付けた場合

食品は8%の税率だから8円が消費税

と考えられています。

 

しかし、本体金額だけで108円という

商品もあるため価格表示だけで

消費税が入っているどうかはわかりません。

 

もし、食品がゼロになったとしても

前提にあった食品仕入の金額が

 

5,400万円としてかわらなかった

としたら損益は次のようになります。

6,000(売上)ー5,400(食品仕入)=600万円の利益

 

言いたいことは食品が

ゼロ税率になった場合で

 

卸値がゼロ税率前と同じだった

としたら損益に影響がでてしまう

ことになります。

 

 

食品のみ消費税をゼロにした場合のキャッシュフローへの影響

まずは、現行でのキャッシュフロー

を考えてみます。

・消費税の計算方法:原則課税(実額計算)で行う

・売上:6,600万円(税込み)

・経費:食品の仕入のみで5,400万円(税込み)

・消費税の納付額:200万円

 

6,600万円(収入)ー5,400(食品仕入の支出)ー200万円(消費税の支出)=1,000万円

こちらが事業者に残るお金です。

 

次にゼロ税率になった場合の

キャッシュフローを確認します。

・消費税の計算方法:原則課税(実額計算)で行う

・売上:6,600万円(税込み)

・経費:食品の仕入のみで5,000万円(税込み)→消費税分を請求されなかったとします。

・消費税の納付額:600万円

 

6,600(収入)ー5,000(食品仕入の支出)ー600(消費税の支出)=1,000万円

ということで損益と同様に

食品仕入の金額について

 

消費税がゼロ税率になったことを

きっかけにして400万円分の請求が

なくなればゼロ税率であったとしても

キャッシュフローには影響しません。

 

もし、ゼロ税率になったとしても

400万円分の消費税の減額がない

と仮定すると

 

6,600ー5400ー600=600万円

損益と同様に400万円減ったお金

が残ることになります。

 

 


編集後記

おそらく食品仕入の消費税が

ゼロ税率になった場合の

 

飲食店への影響としては

食品仕入代金について

 

消費税を減額してくれれば

ゼロ税率前後で影響はそこまで

大きくはならないのではないか

と考えられます。

 

しかし、食品卸の事業者においては

減額した消費税分だけ

 

自社に入金されるお金が減る

ことになりますので

 

食品卸の事業者のキャッシュフロー

への影響の方が大きくなるのは

ないかと考えられます。

 

こうした理由から価格は

消費税がゼロ税率になった

としても

 

消費税としての請求をしないで

価格は据え置かれる可能性が

高いと考えられます。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。