【大学生と親の所得税】大学生は123万円であれば所得税はゼロ、しかし住民税は課税される

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【大学生と親の所得税】大学生は123万円であれば所得税はゼロ、しかし住民税は課税される

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

所得税と住民税の控除の違い

と大学生とその親に関する

税金について解説します。

 

前提として給与収入だけしかない

と仮定して話を進めます。

 

それでは、スタートで。

 

令和7年税制改正で影響を受ける改正

令和7年税制改正により

影響を受けるものは次の通りです。

 

①基礎控除(原則)の引上げ→所得税のみの改正

②給与所得控除の最低額の引上げ→所得税と住民税の両方で改正

③特定親族特別控除の新設→所得税と住民税の両方で改正

 

どのような影響があるのか

というと

 

所得税はゼロになったとしても

住民税は課税されることがある

となります。

 

基礎控除の引上げについて

合計所得金額の基準 基礎控除金額
132万円以下 58+37=95万円
132万円超336万円以下 58+30=88万円
336万円超489万円以下 58+10=68万円
489万円超655万円以下 58+5=63万円
655万円超2,350万円以下 58万円
2,350万円超2,400万円以下 48万円
2,350万円以下超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円

 

基礎控除は原則と特例があり

655万円以下の人は特例が

使える所得層になります。

 

655万円を超えると特例の適用が

なくなり原則の基礎控除だけが

適用される仕組みです。

 

給与所得控除は給与収入から

経費のようなものを控除する仕組みです。

 

昨年までは55万円でしたが

令和7年から65万円になりました。

 

特定親族特別控除とは

大学生の子がいる親について

一定の控除が適用される仕組みです。

 

所得税と住民税で控除額が

次のようになります。

 

所得税

大学生の子の合計所得金額 控除額
58万円超85万円以下 63万円
85万円超90万円以下 61万円
90万円超95万円以下 51万円
95万円超100万円以下 41万円
100万円超105万円以下 31万円
105万円超110万円以下 21万円
110万円超115万円以下 11万円
115万円超120万円以下 6万円
120万円超123万円以下 3万円

 

住民税

大学生の子の合計所得金額 控除額
58万円超95万円以下 45万円
95万円超100万円以下 41万円
100万円超105万円以下 31万円
105万円超110万円以下 21万円
110万円超115万円以下 11万円
115万円超120万円以下 6万円
120万円超123万円以下 3万円

 

 

大学生の所得税と住民税

では大学生が影響を受ける部分を

特定しつつどのような税金の影響が

あるのかを考えてみます。

 

大学生が影響を受ける部分は

①基礎控除

②給与所得控除

の2つになります。

 

アルバイトで月収10万円を

稼いで年間の給与収入は120万円

だったと仮定してみます。

 

所得税の計算を確認します。

 

まずは、給与所得の計算です。

120万円になるため給与所得控除は

65万円になります。

 

したがって、給与所得は

120万円ー65万円=55万円

になります。

 

基礎控除以外に控除がない

前提で計算すると

 

基礎控除は

95万円

の合計所得金額のラインになり

 

所得税の課税対象は

55万円ー95万円=ー40万円>0 ∴ゼロ円

になりますので所得税は

無税になります。

 

 

では、住民税の計算になります。

住民税は均等割りと所得割から

構成されています。

 

均等割りでは給与収入が100万円以下

で非課税になります。

 

給与収入が120万円ありますので

均等割りがかかり4,000円が課税されます。

 

森林環境税1,000も加わって

5,000円が均等割りの金額になります。

 

所得割は所得税と同様に

給与収入-給与所得控除ー基礎控除=所得割の課税対象

として計算を行います。

 

こちらに当てはめると

120ー65ー43=12万円

が所得割の課税対象です。

 

住民税の税率は10%になりますので

1.2万円の住民税がかかります。

 

均等割りと合わせると

1.7万円の住民税がかかります。

 

大学生の子を持つ親の所得税と住民税

大学生の子を持つ親に影響がある

改正は次の通りです。

①基礎控除

②給与所得控除

③特定親族特別控除

になります。

 

親の年収などを以下のように

仮定して考えてみます。

①年収500万円

②社会保険100万円

③大学生の子の給与収入120万円

配偶者はいるが、計算に含めないことにします。

 

所得税の計算

①給与所得:500万円-144万円(給与所得控除)=356万円

②所得税の課税対象金額:356ー100(社会保険)ー63(特定親族特別控除)ー63(基礎控除)
=130万円

③所得税:130×5%=65,000円

 

住民税の計算

①給与所得:500万円-144万円(給与所得控除)=356万円

②住民税の課税対象金額:356ー100(社会保険)ー45(特定親族特別控除)ー43=168万円

③住民税の所得割:168×10%=16.8万円

④均等割りと所得割:16.8+0.5=17.3万円

といったような計算ができます。

 

所得税と住民税では年間で

約24万円が税金で消えて

 

社会保険と合わせると124万円

くらいが消えますので

 

手取り収入としては年収500万円

の人手約370万円になります。

 

実際には、配偶者がパートをしており

配偶者控除が適用できる水準で

 

就業調整をしているなどが

考えられますので

 

もう少し税金は抑えることが

できるとは考えられます。

 

 


編集後記

記事を書いていて思ったことは

税金は中立、簡素、公平という

前提にならなければならないのに

 

もはや簡素な税体系を維持していない

と感じたことです。

 

年々、改正に次ぐ改正でパッチワーク

のような感じになり

 

私も記事を書くために論点を

整理しないとよくわからなく

なっています。

 

今回の記事では給与収入のみ

として構成しましたが

 

副業があったりとか不動産収入が

あるなどでは当然計算は異なり

 

基礎控除の特例を受けることが

できないとかが出てくる恐れが

あると考えています。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。