【基礎控除改正】新たな壁の内容と対応を税理士が解説

基礎控除 壁




【基礎控除改正】新たな壁の内容と対応を税理士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

令和7年3月5日に衆議院を通過した

基礎控除の解説について解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

基礎控除の改正内容

基礎控除の改正では年度ごとに

別々の建付けになっています。

 

令和7年と令和8年の基礎控除については、48万円に以下の金額を加算したものになります。

・合計所得金額が132万円以下の場合:37万円
・合計所得金額が132万円超336万円以下の場合:30万円
・合計所得金額が336万円超489万円以下の場合:10万円
・合計所得金額が489万円を超える場合:5万円

令和9年以降の基礎控除

合計所得金額が132万円以下の場合:37万円

 

基礎控除改正でわかることは

すべての年度については収入の

壁が存在することになります。

 

そして、基礎控除については今後

2段階の適用になります。

 

原則は48万円になりこちらに

改正された基礎控除が上乗せされる

といういびつな法体系になります。

 

原則の基礎控除は所得税法86条に

規定があり改正の上乗せ基礎控除は

 

所得税法41条の16の2に規定される

という建付けです。

 

条文番号は衆議院

に内容が掲載されています。

 

名前もやってやった感がある

令和7年分以降の各年分の基礎控除等の特例

という名前になるようです。

 

 

基礎控除の注意点

今回の改正では所得税法における

改正であるようで個人住民税と

連動することになっていません。

 

したがって、所得税で壁をつくり

新たに住民税の壁が出来上がった

ということがポイントです。

 

所得税における基礎控除改正では

今後課税最低ラインを給与で考えると

以下のように試算ができます。

 

①給与所得控除が55万円から65万円になります

②基礎控除は48万円+37万円で85万円になります

∴給与は年収150万円(65万円+85万円)までであれば所得税は無税になります。

 

しかしながら住民税で考えると

次のようになります。

住民税の課税は均等割りと所得割から構成されており、均等割りが課税される金額は年収100万円未満にする必要があるのは変更なし

所得割が課税されない最低金額は

①給与所得控除は所得税と同様に65万円になります

②基礎控除は上乗せがないため43万円が維持になります。

∴給与は年収108万円(65+43)までであれば所得税は無税になります。

 

 

 

一方、社会保険の壁は残ったまま

になりますので130万円は維持される

ことになります。

 

したがって、所得税の基礎控除基準で

働き方を判断してしまうと

 

次のことが発生します。

①住民税
→所得割の課税最低年収を超えるため住民税が課税される

②社会保険
→社会保険の適用が行われてしまい、社会保険の負担を行う必要が出てくる

 

といことで、どこで年収を判断するのか

については個々人の判断になりますが

 

以下のように段階的に判断指針を

考えてみたいと思います。

①すべて無税でいたい人向け
給与であれば年収100万円未満に調整する必要があります。

②社会保険のみ負担をしたくない人向け
給与であれば、年収129万円以下にしておく必要があります。

③所得税のみ無税でいたい人向け
給与であれば150万円以下にしておく必要があります。

 

ただし、こちらの考え方は

現行法令が今後改正されなかった

という前提が付きます。

 

基礎控除が複雑すぎてわからない場合

令和7年と令和8年については

年収の壁による基礎控除の上乗せが

発生しまして

 

令和9年以降は所得が132万円以下

の人にしか基礎控除の上乗せは

ないことになります。

 

こういった改正内容になっている

ことでわけがわなからないという

人も一定数いると思います。

 

そこでざっくりとした実務対応

を考えると

 

すべて無税ということで

考えた対応をするとよいと思います。

 

すなわちパートやアルバイトの

人であれば年収99万円以上

稼がないということです。

 

配偶者や親族がパートや

アルバイトをしている場合にも

同じことが言えます。

 

年収99万円でストップしておくと

あなたの税金計算では

 

配偶者控除や扶養控除ができて

節税が可能になります。

 

 


編集後記

税金には中立、公平、簡素という

3つの要求事項があります。

 

今回の基礎控除の改正が本当に

この3つの事項に当てはまっているのか

と言われると当てはまっていません。

 

年収基準を設けているため

中立とは言えませんし

 

段階的な基礎控除の上乗せなので

簡素とも言えません。

 

そもそも原則の基礎控除にすら

年収基準が存在するため

 

二重で年収基準を発生されてしまい

大変問題がある改正であると思います。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。