【就業規則】作成義務、常時10人の判定など基本事項を社労士がおさらい

就業規則 常時10人以上




【就業規則】作成義務、常時10人の判定など基本事項を社労士がおさらい

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

就業規則について基本事項を

おさらいする記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

就業規則の作成義務と常時10人以上の判断

就業規則は常時10人以上の

労働者を使用する使用者は

作成しなければなりません。

 

ざっくりイメージとしては

従業員が10名以上いるのであれば

就業規則を作成して

 

管轄の労働基準監督署へ提出する

義務があります。

 

常時10人以上の判断です。

10人以上の判断は、出勤人数ではなく、ひとつの事業場に10人以上の労働者が雇用されているかどうかで判断します。

 

出勤人数では判断しないのは

実際は15人雇っているが

 

パートのシフト制で店舗に

出勤しているのが9人であれば

作成しないといったルールには

なっていません。

 

実務上のポイントになるのが

「ひとつの事業場」という

キーワードです。

 

事業によっては本店と支店があり

それぞれで5名ずつ従業員を雇って

いるといったことが考えられます。

 

この場合だと会社では10人以上

になるわけですが

 

事業場の判断は経営上一体に

なっている工場とか支店とかを

総合したものを指しません。

 

あくまでも本店は本店で判断

支店は支店で判断するのが

原則になります。

 

もうひとつ判断を誤らせる

ポイントではパートなどで

構成されている事業場の場合

 

2,3時間勤務の従業員が大半

といったケースが考えられます。

 

こうした従業員が10人以上

いる場合では就業規則の作成は

必要ないのではないか?

 

と考えてしまうことがあり得ます。

 

常時10人以上の判断では労働時間

によって除外するルールにはなって

いないため

 

従業員の労働時間にかかわらず

常時10人以上の従業員がいれば

就業規則を作成する義務が生じます。

 

 

就業規則の絶対的記載事項

就業規則には必ず書かねば

ならないことがあります。

 

こちらは

絶対的記載事項

と呼ばれます。

 

絶対的記載事項の内容は

①始業及び就業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交代制の場合には終業時転換に関する事項

②賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締め切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

③退職関する事項(解雇の事由を含む。)

になります。

 

では、絶対的記載事項を書いて

おけば記載事項の内容はなんでも

大丈夫なのでしょうか?

 

例えば、東京都の2024年の最低

賃金は1,163円になりますが

 

1,100円としても問題はないか

ということです。

 

こちらは、ダメ!です。

 

就業規則は法令や労働協約に

反してはいけないことになっています。

 

法令とは労働基準法などの

法律になっているルールになり

 

労働協約とは労働組合と会社が

締結する会社のルールです。

 

 

要するに、法律や労働協約ですでに

決まっているルールを

 

就業規則に書いただけで回避するのは

おかしいという考え方です。

 

就業規則を作成している場合の

実務上のポイントは

就業規則のルールの水準に達していない労働条件を定めた労働契約は無効になる

ことです。

 

これも就業規則が法令や

労働協約に反してはいけない

というのと同じで

 

就業規則に書いてあるルール

から逸脱した労働契約を

 

会社が従業員と締結した場合には

その労働契約は無効になるイメージです。

 

無効になる部分は就業規則よりも

不利な条件になっている部分だけです。

 

例えば、就業規則には残業代を

支払うと書いてあるにもかかわらず

 

労働契約では年俸にして

年俸の中に残業代が入っている

とかした場合になります。

 

このようにすると残業代が

発生しているのかどうかの

判断ができないことになり

 

労働者の不利益になるので

残業代を支給することになります。

 

逆に、就業規則よりも有利な

労働条件として8時間勤務のところ

7時間で!とかした場合には

 

就業規則よりも有利なので

無効にならないといった

イメージになります。

 

就業規則でルールにしていないと困ること

常時10人未満が多い中小企業では

就業規則を作成していないといった

ケースが多いと考えられます。

 

確かに、法令上では就業規則の

作成義務に当たらなければ必要ない

ことになります。

 

しかし、本当に大丈夫なのか

というとルール化していない

ことがブラックボックスになり

困ることがあります。

 

例えば、給与計算です。

月の中途から就業を開始などの

場合には

 

月給が日割りになるため

日給や時給を計算する必要があります。

 

ルールがない以上どうやって

計算したらよいのでしょうか?

 

ネットで調べれば計算方法は

複数あるので計算は可能です。

 

どれを使うのかは使用者次第

になります。

 

ルールがないので毎回異なる

計算方法を使ってしまうこと

があり得ます。

 

退職に関して考えられることは

ルールがありませんので

 

従業員が退職したい場合には

民法のルールに沿って行われる

危険性があります。

 

民法上では期間の定めのない

契約はいつでも解約の申し入れを

することができるとされています。

 

雇用は、解約申入れの日から2週間

を経過することによって終了する

とされています。

 

例えば、いきなり退職したいです!

つきましては今日以降出勤しません!

 

とされて2週間経過したら

雇用契約は終了になってしまいます。

 

こういったトラブルを防止する

観点から就業規則は作成しておいて

損はないものになります。

 

 


編集後記

就業規則は厚生労働省にひな形

がおいてあります。

 

ダウンロード可能で誰でも

編集ができるようになっています。

 

これは非常によいのですが

就業規則だけでは効果がでない

規定も盛り込んであったりして

 

専門家が利用することを前提に

している仕様になっています。

 

こちらをそのまま流用すると

1か月単位の変形労働時間制を

規定しておきながら

 

1年単位の変形労働時間制も

規定してるとか

 

フレックスタイム制を規定して

清算期間が書かれていないとか

 

いろいろと片手落ちになっている

就業規則が出来上がります。

 

結果、素人が作成できるもの

とはなっていないわけです。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。