【ボーナスの手取りが少ない】ボーナスの社会保険と税金の仕組みを税理士・社労士が解説

ボーナス 賞与




【ボーナスの手取りが少ない】ボーナスの社会保険と税金の仕組みを税理士・社労士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

ボーナスに対する社会保険と

税金の仕組みを解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

ボーナスに対する社会保険と税金の仕組み

ボーナスから社会保険や税金が

天引きされることになります。

 

ボーナスが社会保険や税金の

課税対象になる仕組みは

ボーナス(賞与)が報酬になるから

です。

 

社会保険では平成15年3月まで

特別保険料という制度がありました。

 

特別保険料が導入された理由は

特別保険料がなかったときには

 

月給からのみ社会保険料を天引き

する仕組みであったので

 

月給を低くして賞与を多く支払う

ことによって社会保険の負担を

回避することができたからだそうです。

 

そこから平成15年4月以降は

ボーナスでも社会保険を天引きする

という仕組みになり現在に至ります。

 

さて、社会保険と税金では少し

ボーナスの定義がずれます。

 

社会保険のボーナスとは

標準賞与額を決める場合にそのもととなる賞与は、賃金、給料、俸給、手当、賞与、その他いかなる名称であるかを問わず、被保険者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の支給のものをいいます。なお、年4回以上支給されるものは、標準報酬月額の対象となります。また、労働の対償とみなされない結婚祝金等は対象外です。

協会けんぽ 賞与の範囲から引用

 

つまり、年間3回以下で

支給される臨時的な報酬で

 

労働の対価になっているものが

社会保険の対象です。

 

年4回以上支払ってしまうと

通常の社会保険の対象になります。

 

税金(源泉所得税)では

賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するものをいいます。なお、給与等が賞与の性質を有するかどうか明らかでない場合、次のようなものは賞与に該当するものとされます。

(1) 純益を基準として支給されるもの

(2) あらかじめ支給額または支給基準の定めのないもの

(3) あらかじめ支給期の定めのないもの。ただし、雇用契約そのものが臨時である場合のものを除きます。

(4) 法人税法第34条第1項第2号≪事前確定届出給与≫に規定する給与(他に定期の給与を受けていない者に対して継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づき支給されるものを除きます。)

(5) 法人税法第34条第1項第3号に規定する業績連動給与

国税庁 賞与に対する源泉徴収より引用

 

税金では定期的に支払われる

給与以外の給与になります。

 

言い換えると臨時的なものは

漏れなく賞与になると考える

ことも可能です。

 

 

ボーナスに対する社会保険と税金の計算方法

では、ボーナスに対する社会保険

や税金の計算方法を確認します。

 

社会保険の計算方法

健康保険

①賞与の金額から1,000円未満の端数を切り捨てて標準賞与額を出す

②①×健康保険料率=賞与に対する健康保険料

 

厚生年金保険

①賞与の金額から1,000円未満の端数を切り捨てて標準賞与額を出す

②①×厚生年金保険料率=賞与に対する厚生年金保険料

となります。

 

40歳以上では健康保険料率に

介護保険料率が加算された

金額になります。

 

さて、健康保険や厚生年金では

標準賞与額に上限があります。

 

健康保険は年間573万円とされて

年間の意味は毎年4月~翌年3月まで

の累計になります。

 

厚生年金は月間150万円になり

健康保険と異なります。

 

因みに、会社は賞与を支給した

日から5日以内に年金機構などへ

賞与支払届

という報告資料を提出しなければ

ならないことになります。

 

ボーナスでは社会保険以外に

雇用保険を控除されます。

 

計算方法

賞与の金額×雇用保険料率

このときには1,000円未満

切り捨てとか上限はないです。

 

賞与の満額分がそのまま

雇用保険の対象になります。

 

 

 

税金(源泉所得税)では計算は

少し複雑になります。

 

STEP1 賞与に乗じる所得税率を算出する(扶養控除申告書を提出していることを前提)

①賞与を支払った月の前月の給与から社会保険料を差し引きます。

②賞与の算出表の甲欄で扶養の人数と①の金額が交わるところで所得税率を確定します。

 

STEP2 賞与に対する源泉所得税を計算する

①賞与ー賞与に対する社会保険と雇用保険=所得税の課税対象金額

②①×上記で求めた所得税率

 

これで税金の計算は完了します。

 

ここまでをまとめると

 

ボーナスでは

・健康保険料

・厚生年金保険料

・雇用保険料

・源泉所得税

以上の4つが天引きされます。

 

賞与の金額から上記4つが

天引きされて手取り額になります。

 

ですから、賞与が100万円などと

言われても手取りがかなり減った

というのは

 

4つも天引きされれば当然と

言えば当然なのだと考えます。

 

 

ボーナスに対する住民税はないの?

ここまでふと考えてみると

住民税が賞与から天引きされて

いないので住民税は非課税?

と思うかもしれません。

 

答えは、賞与も住民税の課税対象

になります。

 

ただし、住民税の課税対象になる

年度が1年ずれます。

 

というのは、住民税は前年分を基に

当年で課税するものだからです。

 

令和6年に支給された賞与は

令和7年に課税される仕組みです。

 

このときには令和6年の給与と

賞与で年末調整が行われて

 

その金額をもとに住民税が

市区町村で計算されまして

 

令和7年6月~令和8年5月まで

順次月給から天引きされます。

 

 


編集後記

先日、扶養控除等の誤りを指摘

する行政文書が関与先に届きました。

 

内容を確認すると配偶者控除の

対象者に所得超過があるとのこと

 

対象年度を確認してみると

配偶者控除、配偶者特別控除も

適用を受けていません。

 

税務署に確認すると読み取り時に

間違った可能性があるとのことで

源泉徴収票を送ってほしいとのこと

 

税理士業界に入って16年に

なりますがこうしたミスに

始めて遭遇しましたね。

 

大丈夫かな?税務署は。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。