【令和6年分年末調整】令和7年扶養控除等申告書を解説

扶養控除申告書 年末調整




【令和6年分年末調整】令和7年扶養控除等申告書を解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

扶養控除等申告書に限定して

解説をします。

 

それでは、スタートです!!

 

扶養控除等申告書とは?

主たる給与の支給を受ける事業主へ提出するもので、給与から天引きされる所得税の金額を計算したり年末調整の扶養控除の適用関係を判断する申告書

 

扶養控除等申告書は一般的に

勤務先へ提出する申告書です。

 

基本的には年末調整のときに

提出することが多いです。

 

税理士事務所が年末調整をする

場合では、翌年分の扶養控除等申告書

の提出をしてもらい

 

翌年分の扶養控除等申告書で

その年の年末調整をすることが

多いと考えられます。

 

令和6年分の年末調整であれば

令和7年分の扶養控除等申告書

を提出してもらうイメージです。

 

このような実務上の提出方法が

用いられる理由は

 

翌年分の扶養控除等申告書の

提出は翌年の最初の給与の支給前

までにしなければならないからです。

 

令和7年分の扶養控除等申告書は

令和7年1月中に給与が支給される

前までに提出することになるため

 

便宜的に令和6年の年末調整で

提出してもらうといった感じです。

 

さて、扶養控除等申告書の役割は

給与から天引きされる所得税を

計算するために提出されますが

 

配偶者や扶養親族が全くいない

場合であれば提出しなくてもよい

わけではありません。

 

給与から天引きされる所得税には

甲欄と乙欄があり

 

甲欄は乙欄よりも金額が低く

設定されています。

 

扶養控除等申告書を提出することで

甲欄を適用することが可能になります。

 

ダブルワークをしている人では

主たる給与を支給している事業者に

提出します。

 

言い換えると、別々の事業所でそれぞれ

扶養控除等申告書を提出することは

できないことになっています。

 

 

扶養控除等申告書の人の区分を解説

近年の改正や税務コンプライアンス

の高まりにより扶養控除等申告書の

構成は難解になっています。

 

ここでは、扶養控除等申告書に

書く人の区分について解説をします。

 

源泉控除対象配偶者

一般的には法律婚をした配偶者を書きますが、あなたと生計を一にする配偶者で令和7年中の見積もり所得が95万円以下の人を書きます。

見積もり所得が95万円未満とは

給与だけの収入だと年収150万円

以下の配偶者になります。

 

源泉控除対象配偶者になると

扶養親族1名にカウントされて

 

給与から天引きされる所得税が

0人の人よりも減ります。

 

控除対象扶養親族

16歳以上(平成22年1月1日以前生まれ)の配偶者以外の親族で、あなたと生計を一にする六親等以内の血族と三親等以内の姻族になります。所得要件があり48万円以下の人が対象です。

給与のみの収入だと年収103万円

以下の人が48万円以下になります。

 

控除対象扶養親族になると

扶養控除が適用可能です。

 

年齢や同居の有無によって

金額が増えるのですが

 

通常の扶養控除では1人当たり

38万円の控除になります。

 

給与から天引きされる所得税でも

扶養親族にカウントされて金額が減る

というのは源泉控除対象配偶者と

同じ仕組みです。

 

 

障害者、寡婦、ひとり親

又は勤労学生の区分ではこれらに

該当した場合に書くことになります。

 

障害者はあなた(本人)

同一生計配偶者、扶養親族が

該当する可能性がありますので

 

該当者のところにチェックを

つけますが、扶養親族では人数も

書くことになっています。

 

寡婦、ひとり親、勤労学生は

あなたがこういった状況にあるか

どうかになります。

 

障害者控除は3つの区分があり

通常の障害者では27万円の控除を

受けることができます。

 

寡婦控除は27万円になり

ひとり親控除は35万円で

勤労学生控除は27万円です。

 

障害者の要件

障害者手帳を持っているとか、半年以上寝たきりといった状態であっても障害者になります。

障害者は、一般と特別に分かれていて、障害の程度により一般と特別の判断をします。

16歳未満は扶養控除の対象者

になりませんが、障害者控除の

対象になることはポイントです。

 

寡婦の範囲

12月31日にひとり親に該当せず、夫と離婚又は死別した人で合計所得金額が500万円以下の人です。

夫は法律上で婚姻した人を言います。

つまり、夫と子供がいない

奥様が働いている

と寡婦になる可能性があります。

 

ひとり親の範囲

①事実婚などの婚姻関係と同様になる人がいないこと

②生計を一にする子がいること

③合計所得金額が500万円以下であること

パートーナーがいない子供がいる人

と考えることができます。

 

勤労学生の範囲

①給与所得などの勤労による所得があること

②合計所得金額が75万円以下で、かつ、①の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること

③特定の学校の学生、生徒であること

 

特殊な扶養親族の判断

扶養控除をメインとして解説

をします。

 

扶養控除は次のように分類されます。

・一般(控除は38万円)

・特定(控除は63万円)

・老人→老人は同居(控除は58万円)と同居以外(控除は48万円)

・非居住者

 

特定扶養親族

12月31日現在で19歳以上23歳未満の人になります。

大学生をイメージすると

よいと思います。

 

老人扶養親族と同居の判断

12月31日現在の年齢が70歳以上の人になります。

同居はあなたや配偶者と同居をしている状況であれば該当しますが、老人ホームに入っている場合には同居になりません。

 

非居住者とは日本以外の国に

扶養親族になる人がいる場合です。

以下の3つの区分になります。

①12月31日現在の年齢が16歳以上30歳未満:一般又は特定扶養親族になる

②12月31日現在の年齢が70歳以上:老人扶養親族で同居以外になる

③12月31日現在の年齢が30歳以上70歳未満の人であって一定の人:一般扶養親族になる
→一定の人は以下の通りです。
・留学により国内に住まなくなった人
・障害がある人
・あなたから38万円以上の生活費の支払いを受けている人

 

非居住者の扶養親族は令和5年

に改正されました。

 

①~③では年末調整で提出する

書類に違いがあるため実務上の

ポイントになります。

 

非居住者である扶養親族が障害者

である場合に障害者控除の対象者に

なるかどうかですが

 

日本に住んでいる障害者に限定

されていませんので障害者控除の

対象になります。

 

他の所得者が控除を受ける

扶養親族等では

あなたに働いている配偶者や兄弟姉妹がいるときなどで扶養控除を二重に適用させないために書くことが求められています。

例えば、あなたの親をあなたとほかの兄弟姉妹が両方で扶養控除を受けることはできないといったイメージになります。

 

住民税に関する事項では

16歳未満の子供を書きます。

 

令和6年は定額減税があり

16歳未満の子供も対象者ですから

漏らさずに書く必要があります。

 

子供が3人以上いる場合には

書くスペースがないため2枚以上

にわたって提出しても問題ないです。

 

 


編集後記

退職手当等を有する配偶者や

扶養親族のところはほとんど

書く機会はないと思います。

 

なぜ住民税のところに退職所得を

書く欄があるのかというと

 

住民税は前年分の収入により計算

されるのですが

 

退職所得だけは支給された年で

住民税の課税関係が終了します。

 

すると住民税の合計所得金額に

退職所得が反映されないまま

配偶者や扶養親族の所得が計算され

 

本来配偶者控除や扶養控除が

適用できないにも関わらず

 

住民税で適用できてしまう

ケースが発生しているようです。

 

言い換えると住民税では

退職所得を捕まえることができずに

 

退職所得以外の金額のみで

適用の判断をしてしまっていた

と考えることができそうです。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。