【令和6年分年末調整】中途就職者の年末調整と定額減税の適用を解説

年末調整 中途就職者




【令和6年分年末調整】中途就職者の年末調整と定額減税の適用を解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

中途就職者のための年末調整と

定額減税の適用を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

中途就職者の年末調整はどうなるのか?

①令和6年中に前職がある場合
前職と転職先の給与を合計して年末調整をします。

②令和6年中に前職がない場合
転職先の給与のみで年末調整をします。

 

前職とは?

前職が正社員、アルバイト、パートなど関係がなく雇用契約で給与をもらっている場合の前職になります。

 

以上のことから

①すでに社会人で別の会社から転職した

②新卒で入社したが入社前までアルバイトをしていた

③中途入社したが入社前までパートをしていた

といったような場合には

 

すべて前職に当たりますので

転職先の給与と合計して年末調整を

行うことになります。

 

しかし、次のような場合には

給与になりません。

 

・転職前が保険の外交員をしていて外交員報酬のみであった

・転職前が個人事業をしていた収入のみであった

 

こういったケースでは転職先で

転職先の給与のみで年末調整し

 

年末調整後にあなたが確定申告で

給与と事業所得(又は雑所得)

として申告を行うことになります。

 

転職したが転職前までしていた

事業があり副業として継続して

行っている場合では以下のように

取り扱いが分かれます。

 

①副業が給与である場合
2か所給与になりますので、年末調整はできず、すべて確定申告になります。

②副業が事業所得又は雑所得になる場合
転職先の給与だけで年末調整を行い、確定申告で副業を追加して申告します。

 

 

中途就職者の定額減税はどうなるのか?

中途就職者は在職していた日に

応じて定額減税の扱いが次のように

異なります。

 

①令和6年6月1日以前に転職していた場合
月給や賞与で定額減税が適用されており、さらに年末調整でも定額減税は適用される

②令和6年6月2日以降に転職した場合
月給や賞与で定額減税は適用されず、年末調整で定額減税が適用される

 

定額減税は基準日在籍要件があり

基準在籍要件の日にちが

令和6年6月1日です。

 

したがって、中途就職者であっても

令和6年6月1日に転職先に在籍

しているのであれば

 

すでに定額減税が月給や賞与にて

適用されていると思います。

 

対して、令和6年6月1日に在籍して

いない中途就職者は定額減税を

適用しないことになっています。

 

月給や賞与では通常の源泉所得税が

天引きされることになります。

 

 

 

とどのつまり、いずれにしても

年末調整で定額減税が適用される

ことになります。

 

すると令和6年6月1日に在籍して

いた中途就職者は有利ではないか!

と考えられます。

 

結論から申し上げますと

月給や賞与では手取りが増える分

有利なように思えますが

 

年末調整の結果は同じになる

ことから最終的に手取りで

有利不利になることはありません。

 

すでに定額減税が適用されている

中途就職者は月給などで手引きされた

源泉所得税が定額減税分少ないです。

 

このまま年末調整を行うと

年間の所得税-天引きされた所得税で所得税を精算するのですが、月給などから天引きされた所得税が少なくなる分、年間の所得税が多くなってしまいます。

これだと定額減税の意味がなくなるため
年間の所得税-天引きされた所得税ー定額減税
として改めて定額減税分を控除して、所得税の精算を行います。

 

定額減税が適用されない中途就職者

においては

年間の所得税-天引きされた所得税ー定額減税
という計算になります。

年末調整だけで定額減税が適用されることで減税効果を生むことになり所得税の精算をします。

 

実務上では、定額減税で確定した

金額は本人の3万円だけで

 

配偶者や扶養親族分は年末調整で

改めて適用対象者になるかどうか

を判断します。

 

言い換えると月給などでは

一度定額減税の対象者を書いた

申告書を提出したと思いますが

 

年末調整では最終的な定額減税の

対象者になるかどうかを判断するため

 

定額減税の金額が増えたり減ったり

する可能性があります。

 

中途就職者が用意する年末調整の書類

中途就職者が年末調整をするときに

提出する書類では中途就職者ではない

人とは異なる書類の提出が必要です。

前職の源泉徴収票

を年末調整の書類と一緒に提出

することになります。

 

最初でも申し上げたように

中途就職者は前職があり

 

雇用契約による給与であれば

前職と転職先の給与を合計して

年末調整をします。

 

なぜこうした処理ができるのか

というと前職の源泉徴収票を

転職先に渡すからです。

 

事業者は源泉徴収票を交付

しなければならいことになっており

 

交付しないと最悪罰則が適用

される可能性があります。

 

実務上では12月に転職者から

源泉徴収票の交付依頼が多くなる

ことがありますが

 

12月中は源泉徴収票を交付する

部署も忙しくなる可能性があるので

早めに源泉徴収票の交付を依頼する

ことをお勧めします。

 

 

 


編集後記

前職の源泉徴収票を提出しなければ

転職先や税務署にばれずに済むのでは?

と考える人がいる可能性があるため

申し上げておきます。

 

前職の収入があることは

税務署にばれます。

 

なぜなら、前職の事業者は住民税の

申告をする義務があります。

 

これは給与支払報告書の提出

と呼ばれる手続きです。

 

提出先は、あなたが住んでいる

市区町村になります。

 

転職先でも同様に給与支払報告書

の提出は行われます。

 

前職の源泉徴収票をわざと

提出しないとすると・・・

 

市区町村では、あれ?

この方は前職の給与の申告を

していない方だ!ということで

 

市区町村から税務署に申告漏れの

情報が行きます。

 

申告漏れを知った税務署は

転職先へ○○様は前職の給与を

申告していないようなので

 

前職の給与収入を入れて年末調整の

再計算をしてくださいといった

連絡が入ることになります。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。