【年次有給休暇】有給休暇の賃金はどうやって計算するのか?

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【年次有給休暇】有給休暇の賃金はどうやって計算するのか?

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

有給休暇の給与の計算を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

有給休暇の給与計算は就業規則を確認する

有給休暇を取得するとどうなるのか

というと

①労働日に休むことができる

②その休みの日は給与が発生する

になります。

 

これは労働者側に関係する

だけではなく事業者側にも

関係することを意味します。

 

従業員は休んだけれども

給与は支払う必要があるという

関係です。

 

では、実務上で有給休暇の給与は

どうやって計算されるのかが

疑問になるところです。

 

法令上の計算方法は後述する

として実際には就業規則に書いて

ある計算方法で計算します。

 

ですから、法令上認められている

計算が合ったとしても

 

就業規則に書かれた計算で

法令に沿っている場合には

 

就業規則に書いてある計算に

依存することになります。

 

有給休暇が取得された場合の

給与計算では就業規則を確認する

ことが最初にやるべきことです。

 

 

有給休暇の給与計算は原則2つから選択できる

有給休暇を取得した場合の

給与計算は原則以下の2つから

選択することになります。

 

①平均賃金で計算する方法

②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金

になります。

 

実務上、就業規則を持っている

会社では上記の2つのどちらかが

書かれていると考えられます。

 

では、1つずつ計算方法を確認

してみましょう!!

 

平均賃金の計算方法

原則として、事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(就労日数ではなく、暦日数)で除した金額です。

 

事由の発生した日とは

年次有給休暇に支払われる賃金の場合は、年次有給休暇を与えた最初の日

を言います。

 

事由の発生した日以前3か月間とは

算定事由の発生した日は含まず、その前日からさかのぼって3か月となります。 締切がある場合締切日ごとに、通勤手当、皆勤手当、時間外手当など諸手当を含み税金や社会保険料などを控除する前の賃金の総額により計算します。

 

以上のことから給与の締め日が

あることを前提にすると

 

有給休暇の取得日前の直近の

給与の締切日を3か月分集計して

 

暦の日にちで割って計算する

のが平均賃金になります。

 

暦で割る給与は総支給額(額面)

になる点がポイントです。

 

 

 

所定労働時間労働した場合に

支払われる通常の賃金とは

8時間労働と定めている場合には、8時間労働したとした場合に支払われる給与

になります。

 

月給制を採用している場合で

残業が全くないと仮定すると

 

月給がそのまま維持されて

給与が支払われるイメージです。

 

日給月給制をとっている場合は

労働時間が8時間としているなら

 

休んだとしてもその日は出勤

扱いになりますので

 

出勤したものとして日給が

発生することになります。

 

最後に例外的な有給休暇の

給与計算では

健康保険法に定める標準報酬日額に相当する金額にすることも可能です。

ただし、就業規則ではなくて

労使協定により定める必要が

あります。

 

標準報酬日額にする事業者の

メリットは給与計算が簡単になります。

 

健康保険の等級に当てはめて

計算するイメージだからです。

 

 

有給休暇の時期指定義務を理解する

有給休暇は近年重要なポイント

になってきています。

 

というのは時期指定義務が

会社にあるためです。

 

2019(平成31)年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要となりました。

こちらが時期指定義務と

呼ばれる制度です。

 

年10日以上の有給休暇がある

従業員が対象になるため

 

入社から6か月以上勤務して

この間の出勤率が80%以上だと

年10日の有給休暇が発生します。

 

通常は会社を休むことは

ないと想定されますので

 

ほぼ全員が年10日の有給休暇を

取得することになると思います。

 

会社の視点から考えてみると

雇っている従業員全員に対して

 

年間5日については従業員に

有休を使ってもらう義務が発生する

ことになります。

 

時期指定義務の有給休暇では

通常の有給取得の流れとは逆に

なります。

 

通常は従業員から会社へ

有給申請があって休みますが

 

時期指定義務では会社から

従業員に〇月〇日に休んでください

というイメージになります。

 

当然、会社がいきなり従業員を

休ませるわけではなく

 

会社が事前に従業員から有給休暇

の日程の希望を受け取って

 

その中からほかの従業員との

都合もつけてなるべく希望に

沿った日程で有給休暇を取って

もらうようにします。

 

こういった制度があるため

会社では有給休暇の給与計算は

 

毎月発生する業務になっている

ことになります。

 

 


編集後記

有給休暇は給与になりますので

当然ながら税金と社会保険

雇用保険の課税対象になります。

 

今まで聞かれたことはないので

一般的な知識だとは思いますが

 

休んで給与が発生する以上

給与になるためです。

 

有給休暇で悩む事業者は多いと

考えています。

 

特に建設業では現場に行く

ことが当たり前になっているため

有休を使うことは非常に難しい

と考えられます。

 

この点、現場の柔軟性と法令の

柔軟性の両方が必要になって

来ていると思います。

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。