【賃上げ税制と給与の考え方】オーナー会社は給与規定を設けないで対応する
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
賃上げ促進税制と給与規定の考え方
を解説します。
それでは、スタートです!!
給与規定を設けない理由
給与規定を設けると階層別
役職別に決まり事を設け
オーナーがえんぴつなめなめで
給与をいじることが難しくなる
可能性が高いからです。
給与規定での階層別とは年齢や
経験などで給与の水準を決める
ことが一般的です。
階層別と合わせて役職別にも
給与の水準を決めていきます。
給与規定の効果は会社が支給する
給与のルールを決めることに
なります。
オーナーや役員以外の従業員は
給与規定に沿って給与が決まり
オーナーが勝手に従業員ごとに
給与を変動させるわけには
行かないような状況になります。
もし、オーナー権限で特定の
従業員の給与を変動させると
それが漏れた場合に従業員の
軋轢を生み、最悪、従業員が
退職する可能性があります。
外部要因では今後は雇い入れた
ときの状況で
後に雇い入れた従業員のほうが
既存従業員よりも給与水準が
高くなる可能性があります。
こうなると給与規定は変更せざる
を得なくなりそもそも給与規定
というルールをうまく運用できない
可能性もあります。
以上のように、オーナー会社では
ある程度、幅を利かせた対応で
臨機応変にしておくほうが
従業員に軋轢を生まない
給与の運用ができるのでは
ないかと考えます。
賃上げ促進税制への実務対応
令和6年4月1日以降に開始する
事業年度から賃上げ促進税制が
改正されます。
中小企業が賃上げ促進税制を
適用できる割合は変更がなく
最低1.5%以上増加、前期よりも
給与を増加するだけで
賃上げ促進税制を適用できる
ことになっています。
このことから、物価水準に合わせた
定時昇給を2%として給与水準を
増やした場合であっても
賃上げ促進税制の活用が見込めて
比較的適用のハードルが低いです。
先ほどの給与規定を設けると
物価水準以下の定時昇給で
ルールにしてしまっていると
転職サイトと比較して自社の
給与が高いか、低いかという
ことはすぐにわかってしまいます。
こういったことも給与規定を
設けないほうがよい理由です。
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とは言え月給だけで従業員を
引き留めることは難しくなっている
現状があると思います。
給与に着目すると月給だけではなく
決算賞与を支給する考え方もあります。
決算賞与とは決算の業績によって
賞与を支給する仕組みです。
特に決算賞与の金額については
ブラックボックス化にしておく
必要があります。
一般的には業績によるといった
形での表現をとることが多いです。
賃上げ促進税制では前期よりも
1.5%増加で税額控除割合が15%
になっていますが
2.5%の増加で税額控除割合は
30%で倍になります。
定時昇給で1.5%以上増加を確保
した場合には決算賞与を使って
2.5%以上の増加を目指す考え方
があると思います。
賃上げ促進税制と給与の関係を
考えた給与の支給額を考えておくと
よいと思います。
繰越控除を活用する
改正の中では中小企業について
賃上げ促進税制で控除しきれない
金額が翌年以降5年間にわたり
繰越控除の適用ができるように
なっています。
実務上では、税額控除には上限が
設けられていて法人税の20%までです。
すると2.5%以上の増加では
税額控除割合が30%になるため
法人税の金額によっては
税額控除の上限になってしまい
税額控除を全額使えない場合が
発生していました。
令和6年4月1日以降に始まる
事業年度からでは繰越控除が
使えるようになるため
控除しきれない金額は繰越控除で
翌年に繰り越すことが可能です。
注意点は、繰越控除をする
事業年度でも最低1.5%以上の
前年対比の増加が必要であることです。
繰越控除を適用する場合にも
給与水準の増加が必要になるため
定時昇給で増加を見込めない場合は
決算賞与を支給することで
1.5%以上増加を達成できるように
計画しておくとよいです。
編集後記
最近の人手不足により新入社員の
給与水準が多くなり
対して既存社員の給与を上回って
しまうという明らかにおかしい
状況になってきています。
今後とも給与水準の伸びはあり
最低時給も上がり続ける可能性
があると考えます。
こうしたことに臨機応変に
対応するためには変更が前提に
なる給与規定を設けるよりも
実情に合わせて臨機応変に
対応できる状況にしておいても
同じだと思うのです。
言い換えると給与規定を
設けても変更が前提なら
給与規定を設けた意味は薄く
臨機応変に対応することと
そこまで変わりはないです。
規定というルールづくりに時間を
かけるよりも給与水準の変更を
臨機応変に対応する体制をつくる
ことのほうが大切だと考えます。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
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