【マンションの評価方法】2024年1月から変更される評価方法が確定しました
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
マンションの評価方法が確定した
ので解説します。
それでは、スタートです!!
計算方法が確定したマンションの評価方法とは?
①マンションの土地部分の評価方法
自用地としての価額×区分所有補正率
②マンションの部屋部分の評価方法
自用家屋としての価額×区分所有補正率
「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)の趣旨について(情報)から抜粋
要するに相続税や贈与税使われる
通常の土地・家屋の評価方法を
区分所有補正率という率を乗じて
金額を増やす評価方法になります。
さて、問題は区分所有補正率の
計算方法になります。
段階を追って計算方法を確認
してみます。
①評価水準が1を超える場合
区分所有補正率=評価乖離率
②評価水準が0.6未満の場合
区分所有補正率=評価乖離率×0.6
「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)の趣旨について(情報)から抜粋
マンションの一室を持っている
ような場合には上記②になります。
評価水準とは1を評価乖離率で
除した水準になります。
では、評価乖離率の計算方法とは
A+B+C+D+3.220
A=その一棟の区分所有建物の築年数×△0.033
B=その一棟の区分蘇雄建物の総階数指数×0.239(小数点以下第4位を切り上げる)
C=その一室の区分所有権等に係る専有部分の所在階×0.018
D=その一室の区分所有権等に係る敷地持分狭小度×△1.195(小数点以下第4位を切り上げる)
「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)の趣旨について(情報)から抜粋
上記の築年数などの計算方法は
①築年数
マンションの建築の時から課税時期までの期間で1年未満の端数は1年とする②総階数指数
マンションの総階数を33で除した値(小数点以下第4位以下を切捨て、1を超える場合は1とする)
この場合に、総階数に地階を含まない③所有しているマンションの一室が複数階にまたがる場合には、階数が低い方の階を「その一室の区分所有権等に係る専有部分の所在階」とする
④そのマンションの一室が地階である場合には、所在階は零階としてCの値は零とする
⑤その一室の区分所有権等に係る敷地持分狭小度
その一室の区分所有権等に係る敷地利用権の面積÷その一室の区分所有権等に係る専有部分の面積(小数点以下第4位を切り上げる)「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)の趣旨について(情報)から抜粋
上記を基に具体例を用いて計算を
行ってみたいと思います。
前提
築年数:5年、マンションの総階数:10階、所在階:4階
敷地利用権の面積:20㎡、マンションの部屋の面積:60㎡
自用地としての評価額:1,500万円、自用家屋としての評価額:4,500万円
評価乖離率を計算
A=5×△0.033=△0.165
B=(10÷33)×0.239=0.072
C=4×0.018=0.072
D=(20÷60)×△1.195=0.400
評価乖離率=2.799
評価水準の計算
1÷2.799=0.35<0.6 ∴区分所有補正率=2.799×0.6=1.6794
マンションの相続税評価
①土地の評価額
15,000,000×1.6794=25,191,000円
②マンションの部屋の評価額
45,000,000円×1.6794=75,573,000円
前提は架空のものですが
一般的なマンションであっても
評価乖離率が0.6未満だと
基本的には評価額が増え
相続税を気にかけておく
必要が出てくると思います。
パブリックコメントへの返信から見る国税庁の考え方とは?
国税庁は2023年10月6日に
マンションの評価方法見直し
についてのパブリックコメント
の結果を公表しています。
この中ではパブリックコメントで
意見が出された内容に回答しています。
回答は現在の国税庁の考え方を
確認する有用な手段になります。
一部をかいつまんで解説を
行います。
今回のマンションの評価方法は
「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)の趣旨について(情報)
となっています。
国税庁の考え方としては
広く居住用の区分所有財産を
対象としているとしています。
結論としてタワマン節税だけ
というわけではなくて
一般的なマンションに住んでいる
かたも広く評価対象になる点を
理解しておくことになります。
意見ではマンションだけ評価方法を
見直すのは公平性に欠けるという
意見もあった様で
こちらについては評価が難しく
不適当と認められる場合には
評価通達6により評価することに
なると考えているようです。
要するに国税庁が考える
時価に評価額を引き直して
相続税や贈与税の申告書が
見直されることになります。
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今後定義される文言の問題として
次の言葉の定義を国税庁は行う旨
回答しています。
用語の定義が明確ではない言葉
①地階
②居住の用に供する専有部分の考え方
③一室の区分所有権等が存在する一棟の区分所有建物の敷地の面積
④地下があった場合の所在階の低い方の階層の適用可否
国税庁が今回公表した評価乖離率に
乗じる0.6については適宜見直しする
という文言があります。
国税庁が考える見直しの考え方は
固定資産税の見直しに合わせて
行うことが合理的としています。
この回答については0.6のみに
限定して見直しすることに
ふれらていないことに注意が
必要になると思います。
今後回答をする予定として
不動産鑑定評価書などに照らして
時価が大幅に下落した場合には
今回の評価方法では不適切になる
ことがあるという意見があります。
このときの不動産鑑定評価の
取扱を公表するとされています。
問題になっている通達6とは?
今更の問題ではありませんが
相続税評価について評価通達
6項というものが存在します。
(この通達の定めにより難い場合の評価)
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁洋館の指示を受けて評価する。
この通達は国税庁が公表
している評価通達の6にあり
一般的に
通達6項
などど呼ばれています。
これによりタワマン節税などの
評価方法が引き直されて
度々裁判沙汰になっている
という現実があります。
今回の評価方法の見直しの公表は
通達6項にならないための
実務ベースから要望と言っても
過言ではないです。
相続税や贈与税では国税庁が
公表している財産基本通達を
一般的に使います。
そうでないと不動産鑑定などで
財産の評価に多額のお金がかかる
といった問題があるためです。
この財産基本通達は評価通達
と呼ばれています。
また、国税庁は評価通達では
著しく不適当な場合として
評価通達6を今後も使って
財産の価額を引き直すことを
表明しています。
結果、何をもって著しく不適当
なのかという問題はこれからも
残り続けることになります。
編集後記
年末が近づいてようやく
マンションの評価方法が
公表されました。
今後の実務上の問題点として
評価水準が0.6未満になる可能性
があるため
評価する時には最低でも1.6倍を
乗じて概算した保守的な評価方法
になると思います。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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