【資金繰りと融資の返済】融資の返済で自社の資金繰りを悪化させないための方法を解説

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【資金繰りと融資の返済】融資の返済で自社の資金繰りを悪化させないための方法を解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

融資の返済による資金繰りの

悪化を防ぐための方法です。

 

それでは、スタートです!!

 

融資の返済で資金繰りが悪化する?

よくあるご質問で融資が下りたが

なぜか資金繰りが良くならない

なぜだろうか?

 

答え

①年間で行っている融資の返済が自社の利益を超えている

②融資を受けた後の利益が増えていない

 

恐らく上記2点のいずれか

又はどちらにも当てはまる

ことが多いのではないかと

思われます。

 

融資は最大でも7年返済で

行われることが多いです。

 

元本の返済は7年均等返済で

利息も7年にわたりかかります。

 

事業者の返済で資金繰りが

悪化する事業構造として

 

決算書の損益計算書で

法人税を差し引いた後の

当期純利益が

 

元本と利息の金額の合計である

年間の返済金額を超えていないと

 

収入<支出ということになり

借りたお金で返済している

状況になります。

 

融資前と融資後で利益が

増えていない場合には

 

融資前の企業規模や利益率で

事業を行っているため

 

自社の利益が年間の返済金額を

超えることはありません。

こちらも収入<支出になります。

 

とどのつまり、返済で資金繰りが

悪化する最大の理由は利益にある

というわけです。

 

 

返済原資は利益を増やして対応するほかない

返済原資になるお金とは

法人税を差し引いた後の

当期純利益になります。

 

もし当期純利益=年間の返済額

であればお金は増えもしませんし

減りもしません。

 

どちらかというと支払が先に起こる

ような通常の事業であれば

 

お金が減っているような

感覚になる可能性があります。

 

返済で資金繰りを悪化させない

企業努力として利益を増やす

ことに専念します。

 

利益を増やす方法として

①売上を増やすという規模を拡大する方法

②原価や経費を見直して利益率を高める方法

があります。

 

できればどちらもやっておくと

よいと思います。

 

 

利益を増やす方法には

現実的な注意点があります。

 

規模を大きくする方法では

さらに人を雇い入れるなどの

追加のコストがかかります。

 

規模を大きくしたからと言って

必ず利益も増えるという関係に

なるかは事業計画を作り

 

数字を把握してから

行うのが一般的だと思います。

 

次に経費関係の見直しです。

 

中小企業の多くは値下げ要求を

することが少ないとの話を

以前聞いたことがあります。

 

現在物価高騰が続いていますが

0.1%でも値引きできると

 

利益率が改善することは

わかるはずです。

 

毎月0.1%の値引き交渉が

うまく行けば年間で1.2%

利益率が改善します。

 

ちりも積もれば山となる

わけですから交渉を行っては

いかがでしょうか?

 

資金繰りに見合った返済期間の設定を行う

ここまでの話だと資金繰りでは

利益が増えないことが「悪だ!!」

と思われるかもしれません。

 

しかし、利益の増加がないこと

だけが悪ではありません。

 

中小企業の資金繰りに影を

落とすのは融資の元本の返済

も同様になります。

 

融資をした場合には据置期間

という海水を飲むような提案が

行われることがあります。

 

据置期間とは元本を返済

しない期間になるため

 

例えば、1年間据置の場合で

7年返済とすると

 

残りの6年間で元本の返済を

行っていくことになります。

 

そうするとどうなるかというと

7年で返済するより6年で返済

するほうが毎月の返済金額は

大きくなります。

 

確認してみましょう!

融資4千万円で元本の毎月の返済額を試算

①据置なしで7年で返済した場合

4千万円÷7÷12=47万6190円

②据置1年して6年で返済した場合

4千万円÷6÷12=55万5555円

③②-①=7万9365円

 

毎月約8万円多く返済する

ことになります。

 

年間にすると

8×12=96万円になります。

 

イメージとして扶養の範囲内で

働くパートさん1名分の給料に相当

すると思います。

 

利益と年間返済金額との

関係で申し上げると

 

6年返済の場合には7年返済

よりも年間で96万円以上の

利益の上乗せが必要になる

計算になります。

 

しかも法人税を差し引いた後

の利益です。

 

かなり資金繰りに影響を

及ぼすのではないかと思います。

 

このように毎月の返済と

年間の返済との差を確認して

 

あなたの事業に見合った

返済期間を設定することで

 

資金繰りに有利になるように

考えるとよいと思います。

 

 


編集後記

私は融資で据置期間は

好き好んで使いません。

 

今年、私は事業者として初めて

融資を行いました。

 

据置期間についても案内

されましたが断りました。

 

毎月の返済金額が増える

ことがわかっていたからです。

 

ただ、事業資金をもっておきたい

といった場合や

 

規模が拡大することが間違い

ないのであれば据置期間を

 

最大限長くする考え方も有効

となります。

 

 

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。