【令和4年分確定申告特集】医療費控除、住宅ローン控除、ふるさと納税を解説




【令和4年分確定申告特集】医療費控除、住宅ローン控除、ふるさと納税を解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

確定申告特集準備として

医療費控除、住宅ローン控除

ふるさと納税に絞って解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

医療費控除

医療費控除は大きく分けて

2つあります。

 

①医療費控除

②セルフメディケーション税制

①と②のどちらかを選択して

適用します。

 

両方一緒に適用することは

できない決まりになっています。

 

医療費控除の計算方法は

①令和4年に支払った医療費の総額-保険金などで補てんされる金額

②①-10万円(所得の合計額が200万円までのかたは所得の合計額の5%)=医療費控除

③ただし、②の金額が200万円を超える場合には200万円まで

 

医療費は令和4年に支払った

医療費が対象です。

 

支払ったという表現は

医療を受けた事実だけではだめで

 

お金で実際に支払った場合に

医療費に含めることを言います。

 

保険金などで補てんされる金額は

その医療費とだけ相殺する意味です。

 

例えば、A病院で手術を受けて

民間保険から保険金を受けたとします。

 

手術代は50万円、保険金は70万円

になったと仮定しますと

 

手術代以上のお金20万円は

他の医療費から控除する必要は

ないことを意味します。

 

例えば、さらにB病院の診察で

5万円かかったとしても上記の差額

20万円を5万円から控除しない

ということです。

 

保険金は医療との直接対応のみ

控除することになります。

 

②のマイナス10万円は現役世代は

10万円以上の医療費がないと

医療費控除にならない可能性が高いです。

 

所得の合計額の5%になる方は

年金でのみ生活をしている方が

対象となりやすいです。

 

所得の合計額とは

確定申告書 所得の合計額

確定申告書Bの⑫番になります。

 

こちらが200万円までの場合には

5%が発動します。

 

したがって、現役世代で会社員を

している方は当てはまることが

少ないと思います。

 

上限の200万円は不妊治療を

やっている方などが対象に

なることがありますね。

 

セルフメディケーションの計算は

セルフメディケーション対象費用の支払-12,000円=医療費控除

 

適用を受けることができる方は

健康の保持増進及び疾病の予防に関する一定の取組を行っている居住者

です。

 

一定の取組とは

①健康保険や市区町村の健康診断を受けている

②予防接種を受けている

③勤務先で健康診断を受けている

④メタボ健診や特定保健指導を受けている

⑤市区町村のがん検診を受けている

といった健康であるための

健診などを受けていることです。

 

上記の健診などは申告する

あなたが受けていることが

必要になります。

 

セルフメディケーション対象費用

としているものは

 

医師によって処方される医薬品から

薬局やドラックストアで購入可能な

スイッチOTC医薬品です。

 

具体的な対象医薬品は厚生労働省の

ホームページで確認可能です。

 

セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について

 

 

住宅ローン控除

住宅ローン控除の正式な名称は

「住宅借入金等特別控除」又は「特定増改築等住宅借入金等特別控除」

と言います。

 

一般的に住宅ローン控除というと

「住宅借入金等特別控除」です。

 

一般的な取得の

住宅ローン控除の計算は

住宅ローンの年末残高×0.7%

こちらが令和4年中に取得した

場合の住宅ローン控除の金額です。

 

住宅ローンの年末残高は

3,000万円の上限があります。

 

例えば、5,000万円を借入して

令和4年12月末の残高が4,800万円

だったとした場合には

 

4,800×0.7%→×

3,000×0.7%→〇

上記のように3,000万円に補正され

住宅ローン控除を計算します。

 

令和4年中に取得した

住宅ローン控除の控除期間は

13年間と決まっています。

 

 

 

住宅ローン控除の適用を受ける

場合には購入した住宅ごとに

適用要件が違います。

 

一般的な新築を購入した場合を

基に適用要件を解説します。

 

①住宅の新築等の日から6か月以内に住んでいること

②住宅ローン控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること

③住宅の面積が50㎡以上、かつ、床面積の半分以上を居住に使っていること

④住宅ローン控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること

⑤10年以上にわたり分割して返済する方法の借入金であること

⑥2以上の住宅を持っている場合には、主に住んでいる住宅でのみ適用がある

⑦令和2年とその前後2年の合計5年間の間に譲渡所得の特例を受けていないこと

⑧住宅の購入が親族などの特別の関係にある者からの取得ではないこと

⑨贈与による住宅の取得ではないこと

 

要するにハウスメーカーなど

から新築物件を購入して

 

一般的な銀行からお金を借り

物件購入前にご自宅を売却して

所得税の特例を受けていなければ

 

基本的には住宅ローン控除の

適用を受けることが可能です。

 

住宅ローン控除では所得要件が

存在します。

 

合計所得金額が3,000万円は

給与で申し上げると年収(額面)

ではなく

 

給与-給与所得金額=給与所得(給与だけの収入であれば、こちらが合計所得金額と一致します。)

になります。

 

給与所得控除は令和2年以降

令和4年まで変更はなく

 

最大で195万円になりますので

年収3,195万円以上の方が

 

住宅ローン控除を適用できない

ことになります。

 

普通は適用がありますので

問題ないと考えます。

 

問題は床面積になります。

床面積は登記簿に表示されている

床面積で判断します。

 

あなたが個人的に測った床面積

ではありません。

 

 

ふるさと納税

ふるさと納税の正式名称は

寄附金控除

と言います。

 

一般的にはふるさと納税の

ポータルサイトで寄附先の

都道府県や市区町村を選択

 

返礼品を選択して寄附額を

決めてポチるだけで寄附金控除

の適用を受けることができる

 

簡単な仕組みのように解説されている

場合が多いと思います。

 

寄附金控除の計算は

ふるさと納税額(寄附金の額)-2,000円=寄附金控除

になります。

 

ただし、寄附金の額は

総所得金額等の40%が上限です。

 

総所得金額は所得の合計額に

退職所得金額と山林所得金額を

加えたものになります。

 

退職金や山林所得がなければ

所得の合計がそのまま

総所得金額等になります。

確定申告書 所得の合計額

上記の⑫の金額です。

 

 

ふるさと納税の注意点は

ワンストップ特例です。

 

ワンストップ特例とは

年末調整で所得税の課税関係が

終了してしまう方限定の措置です。

 

ワンストップ特例を使うと

あなたの住民票がある市区町村の

住民税の計算で自動的に寄附金控除

が適用されて

 

住民税が減り、ハッピー!!

という手続きです。

 

確定申告をする方は自動的に

寄附金控除になることはありません。

 

言い換えるとワンストップ特例

の適用を受けることができなくなる

ということです。

 

所得税の確定申告でふるさと納税

の寄附金控除をすることで

住民税でも寄附金控除が受けられる

仕組みになります。

 

 


編集後記

令和4年分の確定申告から

確定申告書AがなくなりBへ

一本化されることになります。

 

国税庁はすでに令和4年分の

確定申告書の様式案を公表

しています。

 

こちらを確認すると基本的には

確定申告書Bを前提にした様式に

なっているようです。

 

話は変わって今回取り上げた

医療費控除、住宅ローン控除

ふるさと納税は

 

確定申告で適用可能な手続き

になります。

 

住宅ローン控除のみ1年目だけ

確定申告になり

 

2年目以降は年末調整で適用が

できるようになっています。

 

実務に携わると医療費の領収書を

年末調整に入れ込む方がいるので

書類のチェックではポイントに

なると思います。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。