個人事業主の借入や返済の仕訳と返済資金の考え方

個人事業主 借入仕訳 返済仕訳




個人事業主の借入や返済の仕訳と返済資金の考え方

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

個人事業主向けの仕訳と

返済資金の考え方を解説します。

2本立てです。

 

それでは、スタートです!!

 

個人事業主の借入や返済の仕訳

仕訳を考えるときには

取引ごとに整理するとわかり

やすいと思います。

 

借入のとき

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
普通預金 5,000,000 長期借入金 5,000,000

という処理になります。

 

会計ソフトを使っている場合

補助科目を設定するとどこから

借りてきたのかわかりやすいです。

 

例えば、日本政策金融公庫から

借入をしたのであれば

 

政策公庫@60,000としておくと

政策公庫から借りて元本の返済は

毎月6万円ということがわかります。

 

返済のとき

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
長期借入金 60,000 普通預金 66,000
支払利息割引料 6,000

となります。

 

返済のときには返済明細書に

元本〇〇円、利息〇〇円と

表示されています。

 

このときに先ほど設定した

補助科目が役にたちます。

 

政策公庫@60,000円なので

普通預金から返済で66,000円が

引落されていても

 

元本は6万円で差額が利息だな

とわかるからです。

 

補助科目を設定しないと

返済明細を月一で確認する作業が

出てきてしまいます。

 

因みに支払利息割引料については

会計ソフトごとに科目表示が異なり

支払利息になっている場合があります。

 

このときには支払利息にて処理を

行って差し支えありません。

 

支払利息にも補助科目を設定して

おくと複数の銀行から借入を

している場合に便利です。

 

補助科目の設定は政策公庫や

〇〇信金といった銀行名を書くと

わかりやすいです。

 

 

返済資金の考え方

返済資金に使うお金はどうしたら

どうしたらよいのかについて

考えてみます。

 

まずは個人事業主のお金の流れを

明確にします。

 

個人事業主の収入は毎月の売上金

の回収になります。

 

売上金を事業経費や生活費に

使うことになります。

 

次に借入を行うと借入金が

銀行口座へ入金されお金が増えます。

 

こちらを事業経費に使っていくのが

通常の流れになります。

 

ただ、お金を色で区別することは

現実無理なことなので生活費に

使っているお金もあるといえばあります。

 

まとめると

売上金→事業経費へ支出

売上金→生活費へ支出

借入金→お金の増加

借入金→事業経費や生活費へ支出

 

ということになるわけです。

 

 

 

借入金の返済が始まった場合には

預金口座から自動引き落としになります。

 

言い換えると預金口座に毎月

返済するお金があれば返済可能です。

 

しかし、実際には預金が増えた部分は

借入金になります。

収入は売上金になります。

 

売上金が増えないと借りたお金を

利息を付けて返済しているだけ

ということになります。

 

これが売上が増えない場合の

返済原資の考え方です。

 

次に売上が増えて事業支出や

生活費に使う部分に変更がないと

仮定します。

 

そうすると、借入金と売上金の増えた

金額の両方で返済することになります。

 

次に売上金が減り、事業経費や生活費

には変わりがないと仮定します。

 

そうすると、売上金では事業経費や

生活費を賄いきれないため

 

借入金で足りない部分を補てんしつつ

返済の支出も行うことになります。

 

私が常々、売上がないのに

借入をしてはダメ!!という

理由がここになります。

 

基本的には借入をした場合には

売上を増やさないと借入をした

意味がないという理屈になります。

 

 

返済がきつくなってきたなと思ったら

返済の後半になって来ると

返済がきつくなる資金状況に

なってきます。

 

なぜかというと通常

売上が増えると事業経費は増え

生活費も増える傾向があるためです。

 

そして返済を継続しているため

返済がきつくなってくる場合が

ありますね。

 

ここで運転資金は他人のお金で

回すというコツを伝授します。

 

返済が進んできた場合には

借り換えや他の銀行に行って

追加の借入を申込ましょう!!

 

例えば、あなたが日本政策金融

公庫から借入を受けた場合には

 

日本政策金融公庫に借り換えを

申し込むことになります。

 

追加で資金が必要なときには

商工中金や一般の銀行などへ

借入を申込ましょう。

 

あまり知られていないようですが

日本政策金融公庫と一般の銀行は

並行してお金を借りることが可能です。

 

例えば、あなたがお金を3,000万円

必要なのであれば

 

日本政策金融公庫から1,500万円

一般の銀行から1,500万円で

合計3,000万円といったように

借入をすることが可能です。

 

順番は借り換えの申込が1番

次に追加借入の順番です。

 

 


編集後記

事業でお金が必要になるときは

基本的には売上を増やす成長段階

に入った時が多いです。

 

ただ近年だとリースでなんでも

そろえることができるため与信が

悪化した状態で借入を申し込む

といった事例もあるように思います。

 

一応申し上げておくと

リースでなんでもかんでも契約して

いると住宅ローンの審査にも響き

 

最悪、返済不可能と判断されて

住宅ローンが通らない可能性があります。

 

リース取引の実態は金融取引です。

いったんお金を事業主へ貸し付けて

資産を購入してもらいます。

 

リース料は元本と利息相当が

合計された金額になっています。

 

要するに借入と何ら変わりは

ないことになります。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

youtube始めました!
税理士さいとうゆきおチャンネル
現在活動中止しています。

 

税務顧問や執筆などのご依頼はこちら↓

Liens税理士事務所 齋藤 幸生ホームページ

 

この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。