終身雇用なんてすでにまやかし
先日、経団連の中西会長が、
終身雇用なんてもう守れないと
発言がありました。
私の印象としては、ようやく認めたの?
すでまやかしだったじゃん!と思っています。
振り返ると、私が大学を卒業した年が
ITバブル崩壊後の就職氷河期の最後の年でした。
その翌年から、就職率は回復していきました。
その後、リーマンショックが起こり、世界同時不況。
この中で私は税理士事務所に就職、転職
ということになりました。
すでに、その頃には、第二新卒というよくわからない
就職の区分で、就職をする20代の人もいましたね。
また、業績が思わしくない会社のリストラ、
肩たたき、追い出し部屋などでも社会問題化しました。
それと、年越し派遣村のような、その年を越せない
契約を切られた非正規雇用の人たちの問題もありました。
現在は、非正規と正規の年収格差問題が
存在しています。
やっている仕事や責任は同じなのに、
なぜ、給料に格差があるのか?
このようなことです。
以上から、終身雇用の問題点と、
税理士業界はどうなるのか?
こちらを今回の記事としたいと思います。
それでは、スタートです!!
終身雇用の問題点
終身雇用の問題点
終身雇用の問題点は、2つあります。
人を雇用したら、定年まで継続して雇うリスクを
会社側が負うことです。
終身雇用の問題で、年功序列賃金でないと
終身雇用を維持できないことです。
上記の問題が波及して、労働市場の流動性がなく、
若い世代の給料が仕事に見合った待遇ではない
というような問題へ波及していきます。
また、終身雇用があることで、正規や雇用する
リスク回避のために、非正規社員の雇用を会社が
行うことになります。
期間を定めて、1年ごとに更新、不況になれば
雇止めを行って、会社を延命させる経営が継続されます。
会社は、自社の存続のために、人を使い捨てする
行動をとらざるを得ません。
とどのつまり、みんなに良い制度ではなくなってきた
ただそれだけのことなのです。
今後求められる急務なこと
これを変えるには、通年採用、新人一括採用を止める、
転職市場の拡大と流動性を高くすることです。
つまり、会社が人を使い捨てるのと同じように、
人も会社を次々に捨てていくことです。
ヤドカリのような行動を個人ができる市場を
作ることが重要となると思います。
また、正規、非正規の契約自体は残っても、
賃金体系は同様にする必要も出てきます。
加えて、雇用契約で働きながら、専門分野で
独立して働ける制度設計も重要でしょう。
残業をする時間を確保することができないので、
新たに働くことができる市場の創設が必要となります。
とかく、個人が柔軟に働くことができる
制度設計が、時代の潮流にあっていると感じます。
では、このようなことを考えると
税理士業界はどうなるのかなあと
私は税理士として感じます。
次は、税理士業界はどうなるのか?
これを考えてみたいと思います。
税理士業界は終身雇用なのか?
まず、大前提なのですが、
税理士業界は終身雇用なのか?
税理士業界は、終身雇用だと思います。
というか、主催する税理士によって異なりますが、
死ぬまで雇用という考えもありますね。
実際に、私の知り合いの税理士先生は、
80歳を超える人を雇用しています。
ちょっと稀有な事務所だと思います。
しかしながら、基本的には、終身雇用をするために
事務所経営を維持しているのが現状です。
なぜなら、税理士業界は労働集約型産業です。
IT、AIで仕事が奪われるとか言われますが、
現役の税理士である私の考えは異なります。
AIが仕事を奪うのは、簡単な仕事だけです。
税理士であれば、入力、申告書等の作成だけです。
現在は、入力して、試算表の説明と経営相談、
申告書作成に至るところが重要な仕事になっています。
とても、AIにとってかわれる分野ではありません。
(現時点のAIではありますが)
このように、人を介在させないと仕事が回らないので、
人を雇い、育てて、顧客獲得を行い、事務所を大きくしていく
それが現在までに至る税理士業界の経営です。
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ですが、同時に、転職が多い業界でもあります。
なぜかというと、ある程度の経験と知識があれば、
税理士資格の有無は関係なく、仕事ができるからです。
先ほども申し上げたように、税理士の実務は、
人を介した仕事になっています。
これは、今後も変化することはありませんし、
変化すると税理士以外の雇用は必要ない世界に
シフトすると思います。
では、先ほどの終身雇用が守れない
という経団連会長の言葉の影響はあるのか?
結論としては、影響は全くない(現時点では)です。
事務所を大きくするという野心がある税理士がいる限り、
終身雇用の状態は継続することになります。
ただ、私のように、ぼっちで事業をすると決めて
独立する税理士先生もいると思います。
ですから、約10年くらい前から言われている、
超大型の事務所と、ぼっちでやっていく超零細事務所に
分かれていくことが加速化すると思います。
逆に中途半端な規模の税理士事務所、税理士法人は
淘汰されていく、吸収されていくことになると思います。
なぜなら、人の確保が難しくなるので、
事業継続はできるものの、拡大ができないからです。
労働者の流動性は低いのか?
では、労働市場の流動性は低いのか?
この問題が残っています。
2017年のデータブック国際労働比較では、
10年以上勤務している労働者の割合が40%超
ということになっています。
アメリカは30%台のようです。
割合だけで考えると、日本の流動性は高くないと
言われているようです。
ただ、日本の労働市場は、業種にもよることろが
多いかなあと感じます。
私がいる税理士業界は、毎年、転職の機会が2回あります。
税理士試験が終わる8月と年末の12月です。
税理士業界は、基本的には経験者を優先的に
雇用する業界です。
なぜなら、顧問先が経営者を中心としているので、
ある程度の社会人経験が必要となります。
大きな事務所では、新人一括採用もやっていますが、
基本的には通年採用はすでに実施されています。
私が独立までに勤めていた税理士事務所では、
私がいた6年半で、病気等の理由も含めて、
11人辞めていますね(11人目は私自身ですが)
ざっくりで申し上げると、1年に2人が入って
辞めてを繰り返している状況でした。
大手の事務所となると、うつ病で働けなくなる、
1ヵ月求職するといった事例には事欠きません。
かなり、流動性が高い業界なのではないかと
思っています。
それに、税理士資格を持っていると、
登録という難関があったりします。
この登録には、実務経験2年の決まりが存在しますね。
時には、勤務先の所長税理士が証明してくれない
場合も存在するようなので、転職することもありますね。
このように、業界によっては高い流動性となっていますが、
全体の市場としては、まだ低いと思われます。
勤務という前提に無理があるかも
私の個人的な考えを申し上げると、
すでに勤務という前提に無理が出てきていると
思っています。
つまり、個人の働き方を重視しないと、
人を雇うことができない世界となる以上、
勤務ではなく、仕事を依頼するパートナーのような
世界が後腐れないと思うのです。
会社としては、仕事が完了すれば問題ないわけですし、
個人事業主であれば、社会保険、税金の問題が出ません。
(税金は報酬の形態により源泉徴収が必要ですが)
管理すること、給料計算することも必要なく、
バックヤード業務は必要がなくなります。
要するに、個人的に自分だけで食べていけるような
そういった世界を考えると、自由にできるわけです。
その代わりに、常にプロフェッショナルなことを
要求される世界にはなりますね。
今後、どのように変化していくのかは分かりません。
そんなに変化しないかもしれません。
しかし、終身雇用が保証されない世界ですから、
自分のことは自分で食べさせていくことが
今後重要になってくるのは、言うまでもないと思います。
編集後記
今日は、家の整理です。
引っ越しして2か月過ぎたのですが、
色々家具等がそろってきたのと、
季節が変わってきたので、
整理の機会を設けないと物があふれてしまいそうです。
ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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