アルバイトは税金の勉強にもなります。
学生とアルバイトと税金
近年、学生がアルバイトをするケースが
多くなってきていると思います。
今年の確定申告無料相談のときにも
2か所でアルバイトしている学生さんから
相談を受けることがありました。
がんばってアルバイトをしていると
気が付かないかもしれませんが、
アルバイトしていると必ず直面すること
それが税金の話です。
税理士試験や税金の現場で働いている
ならいざしらず、普通の人にとっては
まったく意味不明なことをやっていると
思われる人が多いはずです。
しかし、対価には税金はつきものです。
それを知らずにいることが時には、
痛い目に合うことがあります。
例えば、突然住民税の課税通知書と
納付書が送られてきてなぜだ!
ということがあったりします。
突然のことに呆然としてもしょうがないです。
どうしたらよいのか?
誰に聞けばいいのかもわかりません。
税理士に相談しようとしても知り合いには
税理士がいないことが普通です。
また、調べ方さえわかりません。
従って、しぶしぶ住民課税課に電話して
内容を確認するということになるのが
普通ではないでしょうか?
税金は自分の対価が一体どうやって
計算されるのかを知っておけば、
そこまで意味不明なことにはならないです。
申告して、納税又は還付できていれば
それでも問題はないですし、
国ににらまれることはあり得ません。
それでは、学生アルバイトでの
税金の話を一緒に見ていきましょう!
どんなときに、どんな税金?
それでは、学生のアルバイトには
どんなときに、どんな税金がかかるのでしょうか?
アルバイトを掛け持ちせず、かつ、
継続的(1年はずっと働く)を
考えると次のようになります。
毎月の給料からは次のものが引かれて、
手取りとして銀行に振り込まれます。
雇用保険、源泉所得税です。
上記の2つが総支給額(何も控除する前の給料)
から控除されるのが一般的です。
雇用保険は決まった率があるので、それで計算されます。
対して源泉所得税は、何かというと所得税です。
所得税は一般的に給料などの個人への対価や
報酬を支払ったときに所得税を徴収する制度に
なっているので徴収されることになります。
この時の源泉所得税の計算は、
総支給額ー雇用保険=源泉所得税の対象金額
となり、源泉所得税の月額表のというものに
当てはめて計算されることとなります。
その後、年末調整という給料のみで
確定申告の計算を行う計算にて、
その年の所得税を計算して、
毎月徴収されていた源泉所得税を
控除することで再徴収又は還付となります。
つまり・・・
年末調整の所得税ー毎月の源泉所得税
この差額がプラスの時には、
12月分の給料でプラス分が再徴収、
差額がマイナスの時には、
マイナス分が還付されます。
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それでは、アルバイトを掛け持ちして
やっている場合にはどうでしょうか?
この場合も給料から控除されるのは、
掛け持ちしていないときと同じです。
しかし、2つの会社からもらっている
給料では、それぞれ毎月の源泉所得税が
異なることとなります。
アルバイトが2か所以上ですと、
主に働く所属先を決めなければなりません。
つまり、年末調整で書いて提出する書類の
扶養控除等申告書は1か所だけにしか提出できないのです。
その他は、提出せずにそのままにしておく。
これは、毎月の源泉所得税では、
甲欄と乙欄というものがあります。
甲欄は徴収される税金が低く、
乙欄では徴収される税金が多く設定
されています。
ですから、扶養控除等申告書を提出した
会社に関しては甲欄で源泉徴収され、
それ以外の会社は乙欄で徴収しなければなりません。
従って、必ず主に働いているところを
自分で決めておかないといけません。
これは注意が必要です。
また、掛け持ちでアルバイトしていると
年末調整をすることはできず、
所得税の確定申告をする必要があります。
確定申告に必要なのが、源泉徴収票です。
これは、その年のその会社から支給された
給料のうち、税金に必要なデータが
かかれてる資料となります。
必ずもらっておいて、確定申告を
行うようにしましょう!
ここからは、掛け持ちしているしていない
ということに限らず共通ですが、
住民税が働いた年の翌年6月以降から
納付書が届いたり、給料から徴収されたり
ということがあります。
重要なのは、住民税は1年遅れで課税され、
納付も1年遅れということです。
ですから、翌年の住民税を支払うお金を
貯めておかないと払えなくなる事態になります。
働くということはお金の管理も重要です。
住民税ですが、総支給額の10%くらいと
覚えておけば大丈夫です。
そのくらいの金額は貯金して、
納税用の資金として取っておく
ということが良いと思います。
税金がかからない方法は?
それでは、税金がかからない方法は
あるのかどうなのか?ということです。
これは一応あります。
まったく無税にするには、
年間の給料と月収に気を付けます。
月収は、88,000円未満にします。
なぜかというと、源泉所得税の甲欄では、
88,000円以上稼ぐと源泉徴収されるからです。
年収は、100万円以下にします。
なぜかというと住民税が非課税となるからです。
ですから、100万円÷12=83,000円
という月収にしておけば無税となります。
ただ、雇用保険はかかりますので、
その部分はしょうがないです。
ライフスタイルに合わせてアルバイトする
ここまでは、税金の話をしてきましたが、
税金だけを考えてアルバイトすることが
現実的かどうかも考え物です。
どちらにせよ、いつかは社会にでて
独立して生計を立てることになります。
例えば、本当に生活がカツカツで、
アルバイトで130万円を稼いだとします。
この場合には、税金計算上では学生に
有利な控除(勤労学生控除)というのがあります。
こういった優遇措置もありますので、
活用して税金を抑えることも一考です。
因みに、勤労学生控除は総支給額が年収130万円
までの学校に行っている人が対象です。
税金だけで生活する水準を決めるのではなく、
人生を楽しく過ごすにはどういった
働き方が良いのかも含めてアルバイトを
していただければと思います。
編集後記
今日は自分の月次決算と頼まれ資料の
作成業務を少々します。
夜は野球部の決起集会がありますので、
まあ、飲み会です。
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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