社長の給料っていくらにすればいいの?




こういうのってインスタ映えするんすかね?

社長の給料はどのように決めるか?

税理士として創業・起業の場面では、

頻繁に社長から聞かれるのが、

「私の給料はいくらが良いですか?」

ということです。

 

私は社長の給料がいくらがいいのか?

という質問が来ると必ず、

いくらほしいんですか?と

聞き返すことにしています。

 

その答えは様々ですが、

創業・起業したばかりなので、

そんなに多くを支給できない

ということも社長はわかっています。

 

そんなときに、私がお示しすることは

社長が男性の場合は奥様に月の生活費を

聞いてみては?ということです。

 

かなり財政状況がひっ迫していても

生活費はかかるものです。

生活費を基準にして給料を決めることが

最も分かりやすくシンプルです。

 

ただ、売上もないのに生活費が月50万円

といった高額な場合だとそれはれで

問題のある生活構造だとは思います。

 

 

 

社長の給料はいくらが適正なのか?

ざて、創業・起業時の給料はわかったと

思います。

 

しかし、税法上、社長の給料はいくらが

適正なのか?という問題が残ります。

これについては、適正額はわかりません。

 

ただ、法人税法34条2項に不相当に高額な

場合は損金不算入になりますと

規定があるだけです。

 

損金不算入とは、法律用語で、

法人税の計算上で、費用にしないで

法人税を計算するという意味です。

 

したがって、黒字の場合には法人税の

課税対象の金額が大きくなります。

 

赤字の場合には、次のようになります。

①赤字の金額>損金不算入の金額

赤字の金額が減るだけになります。

②赤字の金額<損金不算入の金額

赤字から黒字になり、法人税が課税されます。

 

では、いくらが適正なのかが不明なので

適正額を出せないのか?というと

そういうわけではありません。

 

国税庁の民家給与実態調査、

労働局の給料調査などで、

自社と比較できる企業を

ピックアップして給料を決める

ということは合理的です。

 

要するに、合理的な金額の設定で

あれば、税務署は文句を言えません。

 

というか、本音の部分では、

全く同質の会社は存在しません。

したがって、何が適正なのかさえ

税務署も含めて不明というのが

実務なのです。

 

 

 

給料を上げ下げしない選択もあり

経営していると業績には浮き沈みが

存在します。

まるでマグロの一本釣りをやっている様だ!

と表現する社長もいるくらいです。

 

さて、そんなときに給料を上げる、下げる

ということを考えなければなりません。

加えて社会保険の負担と住民税の負担もです。

 

とかく、社長ともなれば法人税や消費税の

痛税感はかなりのものだと思います。

本音はできれば赤字ということでしょう。

 

しかし、業績を考えながら社長の給料は

いじることはできないものです。

というのは、来期の業績が分からない

のですから。

 

私がお勧めするのは、実質上の

業績連動報酬としての役員賞与です。

 

決算月に役員賞与を支給することに

すればいいのです。

業績が良ければ支給し、良くなければ

支給しないということです。

 

ただし、これにはいくつか法律上の

壁が存在します。

次の要件を満たさないといけません。

①株主総会開催の日から1か月以内に
事前確定届出書を税務署へ提出

②役員賞与の金額、支給日を決めておく

③支給する場合には、事前に決めていた
賞与の金額と同じ金額を決めていた
支給日に支給する。

こういった条件を満たす必要が

あるのです。

 

支給しなかったらどうなるの?

ということですが、

支給しない=賞与という費用がない

∴なにもおこらない。

ということです。

 

特に税務署ににらまれることは

ないですし、法人税の計算で、

何か調整されて、さらに課税される

ということはありません。

 

また、賞与という性質上、

社会保険の負担は賞与時のみ

なのでかなり楽ではあります。

 

 

 

まとめ

社長の給料について、

色々書いてみました。

まずは、スタートアップ時の

給料は生活費を目安にする

ということです。

 

ただ、社会保険と所得税、住民税も

徴収を考えて手取り額でいくらか?

ということを考えて見ることを

お勧めします。

 

総支給額と手取り額の違いが

分かっていらっしゃらない方が

いると思いますので。

 

会社が続いていければ、

後は給料をいくら出すのか?

ということでしたら

民間企業実態調査はお勧めです。

 

自分の給料が同業他社よりも

低いなということであれば

上げていいと思います。

 

ただ、役員の場合には期首から

3か月以内に変更しないと

一定額が損金不算入となります。

 

業績が心配なのでということで

あれば、役員賞与がお勧めです。

手続は煩雑ですが、賞与なので

一括でお金が手許に入るのが

良いと思います。

 

 

 


編集後記

昨日は、インタビューの雑誌投稿ということで

ある会社に訪問しました。

営業も行われるということは

事前にあったのでそれも承知で。

 

ところが実際には、インタビューと

称したただけの営業で、金額は出し惜しみ、

サービスも出し惜しみ

その場で決めてほしいとのこと

 

非常に面白い感じの営業でした。

まあ、断りましたが(笑)

 

申し込みフォームには一切の営業は

不要とのコメント、営業スタイルの

いかんを問わずと書いておくしか

ないことがさらに実感できました。

 

 

 

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ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。