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会社が銀行から有利な方法で融資を受けるための戦略とは?

会社が銀行から有利な方法で融資を受けるための戦略とは?

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

会社が銀行から有利な方法で融資を受けるための戦略

について解説していきます。

 

中小企業の資金繰りは基本的には自転車操業です。

手持ちの預金残高では2か月~3か月くらいで

枯渇することが普通です。

 

このような状況を打破するためには

金融機関からの制度融資による借換一辺倒では

できないことになります。

 

理由は事業年度中に得た黒字以上を

金融機関へ返済しているからです。

 

会社のゴールとしては

専用当座貸越を金融機関から勝ち取って

いつでも借り入れ可能、いつでも返済可能な

都合の良い借入にすることが必要です。

 

こちらのゴールを達成するためには

会社の財務を一定の水準へ持って行かないと

達成することができません。

 

今回の記事はそのゴールを達成するための

知識として解説してきます。

 

それでは、スタートです!!

 

銀行の債務者格付けを知る

格付けを知る

銀行は債務者を格付けしています。

すなわち、銀行は会社を格付けしているのです。

 

この格付けで自社がどのランクにいるのかを

知っている社長さんはほとんどいません。

 

まずは、格付けを知ることで自社のランクを知る

必要があります。

 

銀行には次のような格付けが存在します。

①超優良先

②優良先

③良好先

④正常先

⑤要注意先

⑥要管理先

⑦破綻懸念先

⑧実質破綻先

というような状況です。

 

上記は形式的な基準でまずは行います。

それぞれ解説していきます。

 

形式的な基準とは

形式的な基準は

自己資本比率と債務償還年数です。

 

計算方法は

①自己資本江比率の計算方法

自己資本÷総資産=自己資本比率

 

自己資本とは会社の決算書の貸借対照表における

純資産の部の合計額です。

 

総資産とは決算書の貸借対照表における

資産の部の合計額です。

 

つまり、総資産における自己資本の割合が

自己資本比率となります。

 

②債務償還年数の計算方法

(有利子負債ー現金預金)÷(当期純利益+減価償却費)=債務償還年数

という計算方法となります。

 

有利子負債とは、要するに金融機関からの借金です。

現金預金とは会社の決算書の貸借対照表における

資産の部の現金預金です。

 

当期純利益とは会社の決算書の損益計算書における

一番最後の部分の税引後当期純利益です。

 

減価償却費とは会社の固定資産を償却年数で

各事業年度で費用として計上される経費です。

 

銀行の格付けは次のように決まります。

①超優良先
⇒自己資本比率が30%超、債務償還年数5年未満

②優良先
⇒自己資本比率が15%超、債務償還年数7年未満

③良好先
⇒自己資本比率がプラス、債務償還年数7年未満
又は自己資本比率が15%超、債務償還年数10年未満

④正常先
自己資本比率がプラス、債務償還年数10年未満

ということになっています。

 

上記以外の場合には、要注意先以降の

貸付先としては問題がある会社に区分されます。

 

結論として、正常先でなければ

まずは正常先を目指すことになります。

 

 

会社の現状を確認しましょう!

財務指標を目指す前に自社の状況を確認します。

確認方法は次のようになります。

 

①自己資本はプラスになっているのか

②債務償還年数は10年未満か

③毎年黒字になっているか

④黒字で会社にお金はたまっているか?

ということになります。

 

自己資本がプラスかどうかは簡単に確認できます。

決算書の貸借対照表をご覧ください。

 

貸借対照表の純資産における純資産の部合計の金額を

確認して、金額の前に-(マイナス)がついてなければ

プラスであることが分かります。

 

債務償還年数は上記の計算算式に落とし込めば

良いのですが、運転資金の確保の観点から

次の計算にて計算した債務償還年数で確認する

といったことが無難です。

 

(有利子負債ー所要運転資金)÷(当期純利益+減価償却費)

で計算します。

 

所要運転資金は次のように計算します。

(売掛金+受取手形+棚卸資産)ー(買掛金+支払手形)です。

 

それぞれ次の場所の金額を用います。

売掛金、受取手形、棚卸資産は

決算書の貸借対照表における資産の部に計上された金額です。

 

買掛金、支払手形は

決算書の貸借対照表における負債の部に計上された金額です。

 

 

 

 

毎年黒字になっているかは

損益計算書のおける一番最後の

税引後当期純利益です。

 

こちらが-(マイナス)になっていなければ

黒字になります。

 

または税引後当期純損失と表示されていると

赤字ということになります。

 

黒字で会社にお金は溜まっているか

ということは単純に前期と当期を比較します。

 

すなわち

前期の貸借対照表における資産の部の現金預金の金額と

当期の貸借対照表における資産の部の現金預金の金額で

 

当期の現金預金が増えていれば増えていると

確認することができます。

 

ただし、前期と当期に次のようなことが起こると

増えたように見えるだけの可能性があります。

 

前期は金融機関からの融資がなく

当期になって初めて金融機関からの融資を

始めたばかりの場合。

 

前期よりも当期でスポットの売上が多い場合です。

 

前期と当期で同じような状態であったならばとして

本当に増えているのかを確認する必要があるわけです。

 

基本的には中小企業は金融機関からの借入があれば

当期の黒字以上に金融機関へ返済している可能性が

高いと思いますので、増えることはないかと思います。

 

 

目標とすべき財務を達成するための考え方

目標とすべき財務を達成するための財務の考え方を

解説していきます。

 

金融機関から有利な融資を受けるためには

結論として自己資本比率を増加させて

債務償還年数を短くできれば良いわけです。

 

自己資本比率は、自己資本を増やし、資産を減らすと

比率としては増えることになりますが

資産を減らすとなると今度は運転資金に影響が出たり

 

固定資産が多い業種では固定資産を減らすといったことは

事業遂行上の問題が出てくる可能性があります。

 

結果としては自己資本を増やす選択になります。

自己資本は、資本金と過去からの累積の黒字により

増加させることができます。

 

ですから、会社としては2択となります。

増資して資本金を増やすやり方

黒字を継続して累積黒字を増やすやり方です。

 

中小企業では増資を行うと贈与課税の問題が

生じることがあるのでお勧めできません。

 

ですから、継続的な黒字を出すことを

選択することになると思います。

 

黒字を継続的に出すということは

要するに損益計算書の最終値である

税引後当期純利益にするということです。

 

ですから、法人税の削減のために無駄な決算対策をする

といったことは財務としてはネガティブに働きます。

 

無駄なコストを増やすのであれば

黒字にして法人税を納付するといったことが

財務的にはポジティブになるのです。

 

債務償還年数については計算上の構造上

運転資金を増やす、黒字にするの2択になります。

 

ただし、運転資金を増やすと資金ショートする可能性が

出てくるかもしれません。

 

ですから、黒字にすることが近道となります。

黒字にすることで運転資金が自動的に増えて

債務償還年数の計算上ではポジティブに働きます。

 

では、どうやって黒字を増やすのかという

問題が生じます。

 

この点、売上を増やすことばかりが頭に浮かびますが

中小企業では意外にも仕入先などへの値引き交渉を

何年も行っていない場合があります。

 

ですから、仕入先などへの値引きや

新たに値段の安いところを見つけてくる

といったことが効果的です。

 

会社は損益計算で黒字又は赤字を計算します。

つまり、

 

売上ー仕入原価ー経費です。

 

上記では仕入原価に注目して、値段を下げることが

できないかという提案です。

 

無駄に決算対策に知恵を絞るよりも

黒字幅をどうやって拡大させるのかを考えて

事業を行う戦略が必要となります。

 

 


編集後記

資金繰り対策としてはまず借入金の返済金額が

重要となります。

 

色々と中小企業の財務を確認してみると

黒字にはなっているけれども黒字以上に

返済を行っているケースが多いようです。

 

この点、銀行の渉外担当者さんが気が付いておらず

社長さんも気が付いていません。

 

特に借換の連続になっている会社さんは

このケースとなります。

 

重要なのは最低でも黒字の範囲内で返済できる

返済金額に融資を持って行くことです。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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