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三菱UFJ銀行の紙の通帳廃止からみる税金の保存資料について

三菱UFJ銀行の紙の通帳廃止

以下、yahoo!ニュースより転載

三菱UFJ銀行が、6月10日から原則として紙の通帳の新規発行をやめ、スマートフォンなどで閲覧できる「デジタル通帳」に切り替えることが30日分かった。希望者には従来通り発行する。

 

結構衝撃的なニュースです!

 

これだと、記事では、法人、個人ごとに

わかれているわけではないので、

当然、対象となるのは全部なのだと思います。

 

ここで考えてみたいことは、

通帳は、紙ベースでの保存が必要なのか?

また、紙が無い場合にはどうしたら良いのか?

ということになりますね。

 

今回は、通帳廃止の税金関係への影響を

考慮しつつ、基本的な保存要件、対処法も

まとめていきたいと思います。

 

それでは、スタートです!!

 

紙の通帳廃止の税金関係への影響

さて、まずは紙の通帳廃止の税金関係への

影響を考えてみたいと思います。

 

影響を受けることを考えると、

法人税と所得税への影響があると思います。

 

まず、基本的な事項として、

通帳は保存する帳簿書類に該当するのか?

という問題がありますね。

 

法人税関係

国税庁HPによれば、

以下のようになります。

「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあり、また、「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがあります。

 

ということで、書類には、通帳と書いてありませんので、

一見すると、必要が無いように思うかもしれません。

 

ただ、書類の定義を考えると、

書類に含まれると考えることができます。

 

書類の定義は、その帳簿と取引等に関して

作成又は受領した書類となっています。

 

頭の体操ですが、通帳がないと帳簿作成は

不可能となります。

 

ですが、作成した書類ではありませんので、

受領した書類に含まれるものと考えます。

 

ですから、通帳は必要ということになります。

 

所得税関係

所得税は、以下のように、国税庁HPにて、

預金通帳と明確に書かれています。

ですから、預金通帳が紙であろうがなかろうが、

保存資料として必要な書類となりますね。

 

保存する方法とは?

保存する方法は、原則的に紙となります。

紙で保存する必要がないものは、

保存期間が6年目以降の帳簿書類となっています。

 

しかしながら、6年目以降の保存は、

マイクロフィルムとなっているため、

現実的には、紙による保存となっています。

 

6年目になってから、紙の資料を改めて

マイクロフィルムへ移行することは、

多くの人がしないからです。

 

また、電磁的記録による保存方法もありますね。

こちらも、ちょっと厳しい条件があり、

現在に至ってもあまり普及はしていません。

 

紙の通帳がなくなる場合の対処法

それでは、紙の通帳がなくなる場合の対処法を

考えてみたいと思います。

 

最終的に紙で保存を行う

まずは、結論を申し上げます。

最終的には、プリンターで印刷して、

紙での保存となります。

 

先ほども申し上げました通りに、

電磁的記録による保存(電子帳簿保存)は

税金関係では、ちょっとハードルが高いです。

 

そもそも、税務調査を見越した、

マニュアルの備え付けなどを要求されますので、

普通の人は煩雑なため、紙の保存が一番楽!

ということになりますね。

 

 

 

 

紙として保存する書類の峻別

それでは、紙ベースで保存する書類は

一体何を保存するのか?

ということになろうかと思います。

 

まずは、通帳はいわば、口座履歴です。

今までの口座の流れが分かるようになっていれば、

それで問題ないものだと思います。

 

ただ、税務調査で改ざんの疑いの余地を残す

可能性を考えると、csvなどで自前で作成した

通帳を紙で保存することは避けた方が良いです。

 

要するに、いくらでも自分に都合が良いように

口座の摘要などをいじることができてしまいます。

 

そうではなくて、銀行側がWEB上などで出している

画面を印刷することで、対応することが良いかと

考えています。

 

あと、加えて申し上げておきますが、

税務調査は、金融機関調査も行うことが

できますので、虚偽の内容を通帳に書いても

金融機関調査で発覚します。

 

改ざんなどは行わない方が

賢明となります。

 

税金は紙の保存から逃げられない!?

それでは、税金は紙の保存から逃げられない

ということなのでしょうか?

 

現状としては、紙の保存が一番楽な方法と

言わざるを得ません。

 

このブログでも電子帳簿保存について、

紹介したことがありますが、

要件がかなり厳しいと思います。

 

書類を電子化すること自体は、

スキャンなどして簡単なのですが、

 

その代わりに、システム関係書類等(説明書など)

保存場所にパソコン一式や説明書等も備え付けが

必要となってきます。

また検索機能も付ける必要がありますね。

 

これをすべて満たした上で、

保存する3か月前に申請書を提出することになります。

 

ですから、いきなり、電子帳簿保存法を

導入することはできません。

 

導入する前段階で、現状の要件に合った業務フローを

完成させて、それを要件に合わせたものにしないと

いけないわけです。

 

そう考えると、会社での導入時間、コスト共に

大きくなってしまいます。

 

保存場所のコストがかかることはわかりますが、

紙での保存で、楽をした方が良いと考えます。

 

電子化の波に税金はついて来ていない

さて、最後に、私が思うことを申し上げます。

世の中は、電子商取引を筆頭に電子化で動いて

いると言っても過言ではないです。

 

現状で、パソコンを使わずにやっている

事業者もいるとは思いますが、

基本的には、パソコンがないと仕事が回らない

という状態の会社、事業が多いでしょう。

 

では、税金ではどうなのかと考えると、

パソコンがあろうがなかろうが、

税務調査はできます。

 

ちょっと突っ込んで申し上げると、

調査官がパソコンをなくす可能性を考慮し、

パソコンを調査に持ってくることを

禁止しているのです。

 

ですから、調査の効率性は上がりません。

むしろ、効率性は低いと言えますね。

 

そんな中で、電子帳簿保存法に関して、

マニュアルの備え付け等を条件に調査を

行わせるという現状では、

 

さらに、調査期間が延びる可能性も

考えることができます。

 

なぜなら、マニュアル等の読み込みに

時間がかかるので、調査日数を5日にしてください、

といった要求が来る可能性もあり得るわけです。

 

そんなんであれば、紙ベースで2日間でやってもらった方が

納税者の利益になるのではないかと思います。

 

AIの導入を国税庁レベルではやっていますが、

それを現場レベルまで落とし込んで、

使えるようにするためには、ちょっと時間もかかります。

 

現状では、電子化の波についてこれていない

というのが、税金の状況なのだと思います。

 

 


編集後記

今日は、夜からバンドの練習となります!

曲の練習をしておかないといけませんね。

 

それから、今日はyoutubeに動画をアップする

予定としています。

これから最終確認して、アップしようかと

思っています。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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