サイトアイコン 問題解決を後押しする都庁前のLiens税理士事務所 齋藤幸生

【士業向け月次決算の導入】業務フロー、作成資料を解説してみる!

個人事業主でも月次決算が必要!

士業は個人事業主が多いと思います。

個人事業主の経理や会計では多く場合、

所得税の確定申告のためにやっている

 

こんな場合が多いのが実情ではないでしょうか?

では本当に確定申告だけのためにやっていて

良いことがあったのか?というと・・・

 

良くもなく悪くもなくといった感じで

やらないといけないから・・・

という感じだと思います。

 

経理や会計は税金の計算という側面も

確かにあるのですが、費用管理や予算管理など

 

事業的側面の方により活用することが

できるわけです。

 

年に1度記帳していってこの費用が多い、

売上が思ったより少ないなどを分析しないと

 

その後の事業について改善するポイントを

見出すことができません。

 

ですから、個人事業主であったとしても

月次決算は必要になるのです!

 

士業向け月次決算の導入について

それでは、具体的に月次決算の導入について

考えてみたいと思います。

月次決算の確認ポイント

まずは一体何を確認していけばいいのか?

これが分からないと月次決算はできません。

 

☆現金関係

・手許現金の残高確認
・預金や貯金の残高確認
・定期預金などの残高確認

☆債権債務関係関係

・売掛金の残高確認
・未収入金の残高確認
・買掛金の残高確認
・借入金の残高確認
・預り金の残高確認

☆経過勘定等の計上は?

・仮払金の精算、費用処理
・経費の未払計上

☆月次締めの処理

・月次売上の計上
・仕入、外注費の計上
・減価償却費の計上
・社会保険の未払計上

月次決算ということで、本決算に比べれば

細かいところは削って上記くらいだと思います。

月次決算のポイントの説明

要するに、貸借対照表や損益計算書へ

計上するものは1ヵ月分として計上、確認する

ということになるわけです。

 

もちろん、上記は実情に合わせて

確認するポイントは異なります。

 

例えば無借金経営であれば、借入金の残高を

確認する作業は必要ありません。

 

ぼっちで仕事をされている方は

社会保険はないので確認不要です。

 

上記のように残高を確認する作業は、

預金だとただ通帳を眺めれば良いという

作業では当然ありません。

 

月次決算は上記を実際の原始資料と

帳簿があっているかの確認作業なので、

 

当然前提としては月ごとに経理をしていって

月次の試算表にて残高のチェックをします。

 

そうしないと分析や確認ができず、

月次決算の意味はないからです。

 

まだ月次決算を導入していない方が

これから導入しようとすると、

 

では、どうやって資料をそろえたり、

業務をしていけばいいのか?

という疑問点が当然出てくると思われます。

 

次から、その業務フローや作成資料について

確認を含めてやっていきたいと思います。

 

業務フローや作成資料は?

それでは、業務フローや作成資料について

考えてみたいと思います。

 

業務フローは?

まずは業務フローから考えます。

理由は何をやるのかが分からないと

資料を作成できないからです。

 

月次決算導入に当たってのコツは、

1ヵ月に生じた売上と費用をすべからく

分かるようにするのがゴールです。

 

そのあとに確認⇒分析という流れと

なることを覚えておいて欲しいです。

 

☆現金預金関係

まずは、手許現金で使った費用のレシートを

まとめておいて、A4の紙に日にちごとに張ります。

 

預金関係は通帳の記帳を月末に行って、

残高を確認できるようにしておきます。

 

☆債権債務関係

売掛金は回収ができているか、買掛金は支払漏れが

なかったかどうかを確認します。(注)

未収入金は売掛金とほぼ同様です。

 

借入金は返済明細書と帳簿残高確認のため

用意をしておきます。

 

預り金は2つの確認を行います。

・源泉所得税の納付はしたか
・顧客からの預り金の確認と管理

 

(注)債権債務は慎重に管理!

売掛金の回収漏れは勘定あって銭足らず

ということになるので、お金が足らなくなる

可能性が出てきます。

 

対して買掛金の支払漏れは相手先からの

不満、不信といった信用不安が出てきます。

 

管理してなくて払えなかったということは

あんたのことはどうでもいいところなんだよ

といわれているのと一緒です。

 

売掛金と買掛金の管理は重要だと

今一度ご確認をお願いします。

 

☆経過勘定等

仮払金を月初にしている場合には、

使った費用のレシートをまとめて、

日にごとにA4用紙に張っていきます。

 

経費を後で精算する方式の場合には、

レシートをまとめて、A4用紙へ日にちごとに張り、

未払金で精算していきます。

 

☆月次締め

売上の計上は1か月分の請求の処理をします。

仕入や外注費も同様ですが、郵送などで

手にした請求書を整理しておきます。

 

減価償却費は固定資産管理をしつつ、

1か月分の減価償却を計上。

 

社会保険は翌月1日に口座引落と

なるのであれば、未払金で費用計上を

行っておかないと、翌月に2か月分の

費用となってしまいます。

 

業務フローとして単純化してしまうと、

・経費のレシートを集めて、A4用紙に貼る
・通帳の記帳をしておく
・回収や支払もれの確認
・1か月分の売上の計上
・1か月分の仕入や外注費の計上
・1か月分の減価償却費の計上

 

毎月の業務として必要なのは、

以上のものだと思います。

 

士業はまず、売上と経費の管理が重要!

ということがよくわかっていただけると思います。

 

 

 

 

作成資料は?

それでは作成資料を考えてみましょう。

 

要するにレシートを1か月分まとめた

A4の台紙を作成すればいいわけです。

 

貼り方はお任せしますが、日にちごとに

貼っていると整然となります。

 

通帳の記帳は合計記帳などにならないように

取引ごとに出るようにしておくことが

重要となります。

 

もし取引が多ければ1週間に1度など

定期的な記帳をオススメしたいます。

 

回収や支払漏れがないかを確認するには、

会計ソフトで取引先ごとに補助科目を設定し、

前月まで記帳している必要があります。

 

つまり、月次決算ができていないと

excel管理ということになり、

二度手間をやることになります。

 

従って、まずは会計ソフトで補助元帳を

作成することをオススメいたします。

 

売上は請求書の作成となりますね。

人によってはexcelで作成している方も

いるかもしれません。

 

毎月請求業務はありますので、

毎月作成することとなります。

 

間違っても相手方から請求書の請求を

受けるまで発行しないというスタイルは

とらない方が良いと思います。

 

請求書を請求することって意外に

精神的に疲れるのですよ。

 

こういったことをしているとリピーターは

増えない可能性がありますね。

 

仕入先や外注先から発行された

請求書はまとめて置けば大丈夫です。

 

減価償却なのですが、皆さんは

固定資産台帳を作っていますか?

 

今の会計ソフト(クラウド会計も含む)では

ついてくるものとなりますので、

 

購入金額が10万円を超えるものは

固定資産台帳へ記帳していった

方が良いと思います。

 

そのあとに、一括償却資産、少額減価償却資産、

通常の固定資産と分けて判断すればいいと

私は思っています。(注)

 

(注)一括償却資産、少額減価償却資産って?

詳しくはググってください(笑)

 

以上の資料がそろったら、

1ヵ月分を会計ソフトへ入力していきます。

簡単でしょ?

 

ただ、1か月分をまとめてやると量がね・・・

という人であれば、毎日経理がオススメです。

 

一応このブログのリンクを張っておきます。

興味のある方は見てみてください!

【士業の経理術】毎日、経理をする、現金管理する、試算表を見る!

 

それと、上記のやり方だとどうしても

効率的でないと感じる方が多いと思います。

 

私が使ったりやっているシステムや

やり方を次からは紹介したいと思います。

 

効率性を上げるための月次決算

それでは、効率性を上げるための

月次決算を考えてみましょう!!

 

経費精算の効率化

レシートを一つずつ入力したくない

という方は多いと思います。

 

ですから、2つやり方が存在します。

・取込専用excelで仕訳を会計ソフトへ取込
・スマホアプリで経費精算

 

取込専用excelは使っている会計ソフトベンダーが

取込形式を公表していますので、それを参考に

やってみると良いです。

 

クラウド会計のfreeeとマネーフォワードは

取込書式自体をCSVで公表していますので、

 

それを使って経費の経理処理をすることも

いいのかもしれませんね。

 

弥生会計の場合には・・・

ちょっと根気がいる作業となります・・・

 

なんせ自分で作らないといけないので、

弥生会計 csv フォーマットで検索すれば

フォーマット情報は公開されています。

 

スマホで経費精算は会計ソフトベースの

専用アプリでレシートを読み取って、

 

会計ソフトへデータを飛ばすことが

できるようになっています。

 

freee、MFクラウド、弥生会計とそれぞれ

出しているのでアプリストアでインストールできます。

 

ですが、OCR読み取りがうまくいかない

場合もあるので、最近だと以下のものが

良いのかもしれません。

 

青色申告・白色申告のTaxnote弥生会計対応

 

アプリ内課金はあるものの、

データはexcel、弥生会計、freee、MFクラウド

それぞれに対応しているようです。

預金処理の効率化

預金は通帳記帳はやらないとダメですが、

近年は預金データの取込を会計ソフトで

できる機能があります。

 

ですが、インターネットバンキングの

申し込みが必要なので、そこが注意点です。

 

そのデータ読み込みで1か月ごと、1日ごとなど

日にちを指定してデータを会計ソフトへ

記帳することができます。

 

あとは、勘定科目設定をクリックしていけば

勘定科目を設定できます。

 

要するに入力する作業が減るということで、

重宝すると思います。

 

また、自動仕訳設定などを細かくやっていけば

自動的に勘定科目を設定してくれるといった

ことがありますので、さらに効率化できます。

売上の処理の効率化

売上については、私はMisocaを使って

いる状況です。

 

プラン15を使っていて、2018年11月30日時点で

1年間無料のキャンペーンをやっています。

そのあとは年間8,000円で利用可能となります。

 

なぜこれを使っているのかというと、

Misocaのシステムからメールで請求書を

送付することができる機能があること、

 

弥生会計に連動して、自動仕訳機能を使う

ということができます。

 

ですから、年間8,000円を支払う価値が

あると私は考えています。

 

後は、会計全部をクラウド会計に一本化

してしまえば、処理は楽になるとは

思いますね。

 

有料無料はあるにせよ、請求書、給料など

すべて会計と連動できますので、

処理時間短縮に役立つと思います。

 

月次決算を利用する

最後にようやっと私が言いたいことが

言えるところまで来ました。

 

上記のように月次決算を行って、

確認作業をしてからが本番です。

 

つまり、月次決算の数字や累計の数字、

推移をみて考えるわけです。

 

例えば税理士業は1年の報酬の多くを

年明けの3か月くらいで稼ぎます。

 

ということは、残りの9か月はどうしたら

売上を伸ばせるのかという考えをしたり

することができるわけです。

 

年商1,000万円だとしても、毎月80万円超の

月商があるわけではないわけです。

 

士業によっては今月売上がない月が

合ってもおかしくはないと思います。

 

そういった前持った準備や考えができるのも

月次決算を毎月やっていた人への報酬なのだと

私は思うわけです。

 

ぜひ、多くの士業の先生に月次決算の重要性、

その報酬を享受してほしいと思います!

 

 


編集後記

今日は夕方から研修に行ってきます。

私の場合変わっていて税理士業以外に

法人を運営していて別の事業も

やっているのです。

 

あ!まだ儲かってないですよ!

来年あたりから売上が発生するのでは?

と思っているところです。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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