決算をしたいのですが?
では決算業務を見てみましょう!
法人の決算は2つに分けて考えると楽です。
まずは、何をするのかという確認。
もう一つは、それを処理する流れの確認です。
注意点を合わせて確認してみましょう!
法人の決算業務と内容
法人の決算業務と内容は、
実は法人によって異なることが多いです。
そこでここでは、一般的に必要なことを
まとめて解説していきたいと思います。
・各種科目の残高を確認する
これは、非常に重要です。
預金であれば預金通帳、現金は手許現金と
それぞれ突き合わせます。
現金は金種表を作っておくといいです。
売掛や買掛も各取引先ごとに分けて
補助科目をつけて管理していることが通常です。
マイナス残高となっていないか、
回収漏れ、支払漏れがないかを確認しましょう!
加えて、借入金の残高も確認です。
返済明細書と残高があっているかも
確認しておいて損はないです。
期中のミスに、元本と利息の金額を
間違えて処理している場合があります。
続いて、商品関係です。
実際のものの販売であれば、期末棚卸と
期末商品の評価を行います。
法人税では、届け出をしていなければ、
最終仕入原価法によって計算します。
割と忘れやすいのが、
印紙、切手といった在庫です。
大量でなければ税務調査で問題と
なることは少ないですが、
もし、10万円以上ある場合には、
貯蔵品として資産計上しておいた方が
無難であると思います。
次は固定資産です。
法人税では、原則が定率法となります。
一定の資産(例えば建物)は定額法です。
念のため償却方法を確認しておきましょう。
後は、売上と仕入の〆後の計上、
費用の見越し繰り延べ、売上以外の見越し繰り延べ
といったことがないかを確認しましょう。
念のため、〆後って何ぞや?というと、
売上や仕入には月締めがあるはずです。
例えば、月20締め、翌月末払いなどです。
この場合には、前月の21日からその月の20日までの
売上や仕入で計算して、それを請求し、される。
それを回収するのが、翌月の末尾ということです。
決算では、月末が決算となっていることが
通常ですので、例えば3月31日などです。
そうすると、締め日の翌日21日から決算日の31日までの
期間の売上や仕入を計上しないといけなくなります。
これが〆後の確認と計上なのです。
加えて一応念のため、
見越しは翌期のものだけれど、
当期の決算に計上することです。
繰延は、当期に発生や支払いが済んでいるが
翌期に計上するものです。
忘れやすくて、後で修正できないものとして
決算賞与の処理は重要です。
法人税では決算賞与を費用計上するには、
一定の要件があります。
その要件の中に当期に費用計上することが
明記されています。
忘れないように賞与の計上をしないと
当期の費用として認められません。
経理と決算業務と内容
以上のように、一般的な決算業務と
内容について説明してきました。
ここからは、その経理について解説を
行っていきたいと思います。
残高の確認は確認だけですので、
経理には影響はしません。
ただ、経理の勘違いというか、
会計ソフトの標準設定で間違ってしまうものが
あるのでそこは注意が必要です。
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まずは、商品の振替です。
実務では、簿記の処理は行いません。
というのは、損益計算書に、
期首商品棚卸高と期末商品棚卸高を
表示させるからです。
次のように計上します。
(借方)期首商品棚卸高(貸方)商品
(借方)商品(貸方)期末商品棚卸高
これで、損益計算書上、売上原価が適正に
反映することができます。
続いては貯蔵品です。
(借方)貯蔵品(貸方)通信費又は租税公課
ここで注意点があります。
消費税の課税事業者である場合、
会計ソフトは、通信費を課税仕入として
標準設定しています。
しかし、今回は通信費の振替なので、
消費税の設定は対象外にしないといけません。
振替仕訳時点の注意点です。
次は減価償却費の計上です。
☆直接減額方式の場合
(借方)減価償却費(貸方)固定資産
貸方は固定資産の勘定科目が来ます。
☆間接控除方式の場合
(借方)減価償却費(貸方)減価償却累計額
ここでも消費税の注意点があります。
直性減額方式では、貸方に固定資産が来ますが、
これも、消費税の設定では課税仕入に
標準設定されています。
ここでも、消費税の区分を対象外へ修正して
仕訳を行う必要性があります。
後は、売上や仕入の〆後の計上です。
☆売上
(借方)売掛金(貸方)売上
☆仕入
(借方)仕入(貸方)買掛金
ここは消費税の修正は必要ないです。
会計ソフトの標準設定では、
売上は課税売上、仕入は課税仕入となります。
法人特有の経理も理解する
続いては、法人特有の処理もあります。
先ほどの減価償却費です。
先ほども申し上げましたが、
通常の減価償却であれば先ほどの
処理で問題ないです。
ただ、取得価額が20万円未満の場合には、
一括償却資産とすることもできるので、
そちらにした方が法人税の負担が減ります。
その場合には、一括償却資産として計上して、
(借方)減価償却費(貸方)一括償却資産
として計上を行います。
もちろん消費税の区分は対象外にしておく
ということは忘れないでください。
続いては、貸倒引当金です。
最初では触れませんでしたが、
法人税で計算方法が決められています。
①売掛金などの債権ー債権と見みられない金額
②①×業種ごとの割合
まずは、債権の金額の合計額を出して、
債権とみられない金額の合計額を出します。
そのあとに割合を乗じて貸倒引当金の金額を
算出します。その後に、
☆繰り入れの場合
(借方)貸倒引当金繰入額(貸方)貸倒引当金
☆戻し入れの場合
(借方)貸倒引当金(貸方)貸倒引当金戻入額
のどちらかの処理を行います。
以上のような処理後、法人税の計算前に、
消費税の計算を行って、消費税の精算をします。
☆納付の場合
借方 | 貸方 |
仮受消費税 | 仮払消費税 |
未払消費税 | |
雑収入 |
☆還付の場合
借方 | 貸方 |
仮受消費税 | 仮払消費税 |
未収消費税 | |
雑収入 |
上記では雑収入としましたが、
雑損失になる場合もあります。
最終的な差額は消費税の精算差額です。
ただ、こちらも消費税の修正が必要です。
仮受消費税は課税売上、仮払消費税は課税仕入
雑収入は課税売上、雑損失は課税仕入に
それぞれ標準設定されていますので、
すべてを対象外に修正が必要となります。
この後に、法人税を計算してから、
(借方)法人税等(貸方)未払法人税
という処理となります。
決算は関与税理士と会社との共同作業
会社の誤った認識があります。
それは、税理士に丸投げしておけば、
決算もやってくれるだろうということです。
確かに、一般論的な発想でやっても良い
ということであれば、それでもできます。
ただ、売上の締め、仕入の締めを
税理士に伝えていなかった。
本当は翌期の売上なのに伝えていなかったなど
会社の思惑とは異なった数字の決算になる
可能性もあります。
つまり、丸投げとはそういった種類の
仕事になってしまうのです。
税理士からも確認が来るでしょうが、
それは一般的な税金計算上だけを考慮された
決算となるということなのです。
本当に会社の事実を反映させるのであれば、
税理士と会社は共同をして決算を行うことが
一番であることに間違いはありません。
編集後記
今日は自分の月次決算の準備を行いたいと
思っています。
それと、ようやっとgoogleから広告収入が
入金されました!!やったね!
では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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