【令和6年分確定申告】副業は事業OR雑?税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
副業をしている給与所得者向けで
確定申告での副業の取り扱いを
解説します。
それでは、スタートです!!
国税庁の副業の考え方
国税庁の考え方は通達35-2の
(注)書きにあります。
事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。 なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(中略)に該当することに留意する。
これだとわかりにくいため
判断基準の流れを考えます。
STEP1(原則の考え方)
その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか
要するに副業が社会通念上事業と
呼べる程度で行っているかどうか
ということになります。
キーワードは「社会通念上」
になります。
社会通念上について判例では
いわゆる事業にあたるかどうかは、結局、一般社会通念によって決めるほかないが、これを決めるにあたっては営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無、その取引に費した精神的あるいは肉体的労力の程度、人的・物的設備の有無、その取引の目的、その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点が検討されるべきである
何か一つの判断指標で決める
わけではなくて
副業を行っている行動を総合勘案
して判断することになります。
しかし、現実的には判断がかなり
難しいため(注)書き後段によって
判例の判断基準よりも緩やかな
考え方を国税庁は行っています。
事業所得と業務に係る雑所得の区分については、上記の判例に基づき、社会通念で判定することが原則ですが、その所得に係る取引を帳簿書類に記録し、かつ、記録した帳簿書類を保存している場合には、その所得を得る活動について、一般的に、営利性、継続性、企画遂行性を有し、社会通念での判定において、事業所得に区分される場合が多いと考えられます。
となり
SETP2
帳簿書類の作成を義務
にした判断を行います。
ただし、帳簿書類があったとしても
次のような場合には個別に事業に
なるかどうかが判断されます。
STEP3
300万円基準で判断又は赤字が継続しているか
300万円基準の考え方は
その所得の収入金額が、例年、300万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満の場合は、「僅少と認められる場合」に該当すると考えられます。
例年とはおおむね3年程度の期間になります。(赤字の例年も同様の考え方です。)
給与所得者を前提にすると
副業の売上がおおむね3年間
300万円以下で
給与収入と比べて副業の売上が
10%未満だと事業にならないと
判断される恐れがあります。
継続的な赤字では
その所得が例年赤字で、かつ、赤字を解消するための取組を実施していない場合は、「営利性が認められない場合」に該当すると考えられます。
※「赤字を解消するための取組を実施していない」とは、収入を増加させる、あるいは所得を黒字にするための営業活動等を実施していない場合をいいます。
現実に当てはめると
おおむね3年間赤字が継続して
赤字解消のための営業努力をして
いない場合には事業ならない
恐れがあります。
副業を事業所得で申告するための対応
さて、上記を踏まえてあなたが
副業を事業所得で申告するため
の対応を解説します。
副業だと社会通念上で
事業として判断することは
非常に難しいため帳簿をつける
ことになります。
したがって、以下のことが必要に
なると考えます。
①事業用の通帳をつくり売上の入金口座にする
②クレジットカードで経費を支払う場合には事業用だけに使うカードを作る
③会計ソフトを導入して帳簿を作成する
物理的な要件を満たす対応を
行います。
次に副業の売上の確保を行う
必要があります。
300万円基準の対応として副業を始めてから3年以内には300万円を超える売上をあげる
300万円基準以外に給与収入との
10%基準も満たしたいので
年収の10%以上の副業の売上を達成する
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5 6万円から始める確定申告
上記以外に赤字基準も厄介なので
1年目から黒字にする
以上をまとめると
①帳簿書類などの物理的なものを用意して運用する
②1年目から年収の10%以上の売上を副業でかせぐ
③1年目から黒字化する
④300万円以上の売上を副業開始から3年以内に達成する
対応できるものの難易度が
楽な順にしてみました。
上記②と③は年収によって
難易度が入れ替わる場合が
あるかもしれません。
例えば、年収が1千万円の場合には
10%基準に当てはめると
副業の年間の売上は100万円以上
稼ぐ必要があるため
副業開始からすぐに達成することが
難しい可能性があります。
赤字や帳簿がないことが継続していると・・・
現実的にはあまりないと
思いたいのですが
赤字が継続しているとか
そもそも帳簿は作ってませんとか
が継続していながら
事業所得で申告していると・・・
どこかのタイミングで税務調査が
入ってしまい
税務調査の結果として事業所得ではなく
雑所得として認定をされてしまう
可能性はあり得ます。
この場合には雑所得はゼロで打ち止め
になりますから
事業で出た赤字と給与所得を
損益通算していたと仮定すると
赤字部分はないことになり
給与所得のみで所得税や住民税を
再計算されてしまいます。
結果、所得税や住民税の追徴や
罰金を支払う可能性があり得ます。
副業では事業になりますよ!!
というアピールする必要があるので
帳簿書類の備え付けと赤字は
出さない鉄のおきて
300万円以上の売上を稼ぎ
年収の10%の売上を少なくとも
稼ぎ出すといった事実を
積上げて税務調査に対抗する
といった感じになります。
編集後記
私が確定申告で請け負っている
かたで副業のかたは現状いないです。
ご相談はぼちぼちあるものの
最終的に税理士に任せるほどでは
ないかなということで
依頼にはなっていないことが
多いですね。
まずは勉強がてらあなたが
確定申告をしてみると
よいかと思います。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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