【令和6年分確定申告】上場株式の配当と非上場株式の配当等の取り扱いの違いを税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
確定申告における配当金の
取り扱いについて回答します。
それでは、スタートです!!
上場株式の配当等の取り扱い
上場株式から配当金を得た場合には
総合課税を選択すると配当控除という
税額控除を受けることができます。
配当控除をうけることができる
配当所得とは
日本国内に本店のある法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、金銭の分配、証券投資信託の収益の分配などで、確定申告において総合課税の適用を受けた配当所得に限られます。したがって、外国法人から受ける配当等は、配当控除の対象となりません。
国税庁 No.1250 配当所得があるとき(配当控除)
配当控除の計算は以下の
通りになります。
なお、今回は課税総所得金額が
1千万円以下の場合について
計算を解説します。
配当控除の金額=①+②
①剰余金の配当等に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を含みます。以下同じです。)の金額×10パーセント
②証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得(特定株式投資信託の収益の分配に係る配当所得を除きます。以下同じです。)の金額×5パーセント
(証券投資信託の収益の分配に係る配当所得のうち、特定外貨建等証券投資信託以外の外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額については、2.5パーセント)
国税庁 No.1250 配当所得があるとき(配当控除)より一部筆者加筆
したがって、上場株式を購入して
配当を得た場合には
配当金×10%が税額控除になる
とイメージするとよいでしょう。
因みに課税総所得金とは
課税総所得金額、土地等に係る課税事業所得等の金額(平成10年1月1日から令和8年3月31日までの間は適用なし)、課税長期(短期)譲渡所得の金額、上場株式等に係る課税配当所得等の金額、株式等に係る課税譲渡所得等の金額および先物取引に係る課税雑所得等の金額の合計額をいいます。
国税庁 No.1250 配当所得があるとき(配当控除)
もし給与と配当金のみの収入だけ
ということであれば
給与所得+配当所得ー所得控除=課税総所得金額
ということになります。
非常上場株式の配当等の取り扱い
配当金は上場株式だけとは
限りません。
非上場株式から配当金を得る
ことがあり得ます。
非上場株式とは
株式市場に上場されていない株式
とイメージするとよいです。
一般的には中小企業が株主
に対して配当金を出すような
イメージになります。
非上場株式から得た配当金は
総合課税として確定申告します。
総合課税以外の申告はできない
と理解しておくとよいです。
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配当金というと源泉徴収された
あとの手取り額が振り込まれる
ことになります。
上場株式では所得税と住民税の
両方が源泉徴収されますが
非上場株式では所得税率
20.42%のみになり住民税は
天引きされません。
したがって、配当金を得た年の
翌年に住民税が課税されて
納付する仕組みになっています。
実務上では次のような申告イメージ
になります。
所得税では20.42%の源泉所得税を精算する確定申告になります。
住民税では給与などの総合所得に入る収入などと一緒に配当金にも住民税が課税され、令和6年を基準にすると令和7年に住民税を納付することになります。
といった感じになります。
上場株式の配当等の適用の違い
上場株式の配当金については
所得税で以下3つのいずれかの方法
を選択することができる場合があります。
前提として源泉徴収が行われる
口座を証券会社に持っていること
になります。
①申告不要
②確定申告する場合には
・申告分離課税として申告→この場合は配当控除はできない
・総合課税→この場合は配当控除ができる
以上の3パターンがあります。
申告不要制度を使うことで
証券会社での源泉徴収のみで
課税関係は完結します。
言い換えると源泉徴収のみの
税金負担になります。
申告分離課税に配当金を入れて
申告するのが申告分離課税です。
申告分離課税では株式の売買により
申告をするときに行います。
この点、株式の売買でマイナスになり
配当金を受け取ると
口座の中で株式の売買の損と
配当金の収入を相殺できる仕組み
があります。
このようにするともし売買の損が
配当金を上回っているのであれば
源泉徴収された所得税が戻って
来る還付申告になる可能性が
あるので申告分離課税にする
ことがあります。
総合課税は配当控除の適用を受ける
ために行われます。
株式の売買はないけれども
総合課税で申告することで
配当控除の適用を受け還付金が
増えることがあります。
こうしたときに総合課税で
申告を行います。
編集後記
以前、確定申告相談にて前年に
配当を申告不要としたところ
今年になって申告分離課税で申告を
行ったほうが税金がもどることに
気が付いたので申告をやり直したい
というご相談を受けました。
あとで気が付くというのは
あるあるなのですが
申告のやり直しはできません。
配当金の申告はすでに済んで
しまっており後からやり直す
ことができないルールになって
いるためです。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
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